アレゴリー
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2009年10月) |
アレゴリー(英: allegory)とは、抽象的なことがらを具体化する表現技法の一つで、おもに絵画、詩文などの表現芸術の分野で駆使される。意味としては比喩(ひゆ)に近いが日本語では寓意、もしくは寓意像と訳される。詩歌においては「諷喩」とほぼ同等の意味を持つ。また、イソップ寓話に代表される置き換えられた象徴である。
アレゴリーの特徴として、教訓や風刺の意味を持つことが多い。またその場合はできる限り普遍的なモチーフに置き換えることによって、その作品に触れた人々が置き換えられた概念を想起し易いようにさせている。例えば寓話にはしばしば「狡猾な狐」が登場するが、実際に狐が他の動物に比べてずば抜けて狡猾であると言う論拠はさほど多くはない。しかし詩文や絵画においては「狐や蛇=狡猾」というイメージが説得力を持つことがしばしばである。これは狡猾という抽象的な概念を狐という動物になぞらえてあらわすものであり、この与えられた抽象を持つもの(あるいはものに与えられた抽象)がアレゴリーである。他の一例として、タロットカードの絵柄に見られるシンボリックなアイテムや宗教絵画などに登場するモチーフがそれに相当する。
- その他の例
- 天秤=公正
- 白色=純潔
歴史的にはギリシアにおいて神話上の人物を哲学的に解釈し始めた頃に生まれた概念であるとされる。その後聖書なども同じアプローチで解釈が行なわれた結果、キリスト教神学と中世の実在論哲学においてこの概念は大きく発展した。チェーザレ・リーパの『イコノロジア(図象学)』で特に頻繁に扱われている。また象徴(シンボル)とは微妙に意味を異にしており、一般に知られた普遍的な概念(「普遍」)と擬人(比喩)表現(「特殊」)が一体化しているシンボルと異なり、「普遍」と「特殊」がある意味においては逆になっても直観として双方に通じる意味を持つ場合をアレゴリーであるとシェリングは説いている。
現代美術においてもアレゴリーを用いた表現は自覚・無自覚を問わずに行なわれ続けている。
寓意画
- 春に急成長を遂げる世界のアレゴリーであるという説のサンドロ・ボッティチェッリ画「プリマヴェーラ」
- 絵画に対する寓意画だと考えられているヨハネス・フェルメール画「絵画芸術」
- 女性は自由を、乳房は母性(祖国)、等を様々な比喩のウジェーヌ・ドラクロワ画「民衆を導く自由の女神」
関連項目
寓意
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 04:38 UTC 版)
花鳥画は、花や鳥を主としてさまざまな動植物が描かれるが、定型化した画題と構成を持つ作品(藻魚図、蓮池水禽図など)が宋代以降民間に広く流通した。題材の持つ隠しテーマや言葉遊びが共有され、芸術性、装飾性の高さとそれ以上に題材の持つ寓意が喜ばれた。そこには伝統的価値に基づく現実的な幸福(富裕、長寿、子孫繁栄…)と、士大夫の理想や価値観が重なり、雅と俗の寓意の込められた花鳥画は、文人同士の贈答品として使われ鑑賞された。以下に寓意の例をあげる。 魚・鯰・鯉 - 一般に魚は古来より『詩経』にあるようなめでたさ・豊饒・子孫繁栄、そして登竜門伝説より成長・出世の意味が加わった吉祥画がつくられ、さらに自由な境地という士大夫の精神的な理想という寓意も重ねられた。また年と鯰(nián)、余と魚(yú)が同音で、蓮を加え「連年有余(毎年の裕福を願う)」の意味が込められた。鯉は、登竜門伝説より龍(陽の象徴、出世)にいたる前の姿(子)になぞらえ、男児の成長出世を願う意味となった。 蓮 - 蓮と連と恋の音(liàn)が共通し、「連子」で連続する子の誕生。蓮の別名「荷花」では荷と和が同音(hé)であり、伝統的に男女の結婚や子孫繁栄の意味を含んでいた。そこに士大夫は泥土からまっすぐに茎を伸ばし美しく花開く様から、君子の高潔性という精神的理想を重ねた。 鷺(さぎ) - 水鳥は伝統的に魚と同じく豊かさ、子孫繁栄の意味があり、さらに泥地に汚れず立つ姿から高潔な人格、転じて高級官僚。さらに科挙合格を意味する「一路連科」の鷺と路、蓮と連の音を合わせて、科挙合格の意味も込められた。 芙蓉 - 栄華。蓉と栄(róng)、富と芙(fú)が同音。 蔓系植物 - 豆、葡萄、瓜は連綿とつながる子孫。瓢箪は加えて仙界、吉祥。 罌粟(けし) - 罌と嬰と迎が同音(yīng)で、子どもの誕生を願う。 鵪(うずら) - 中国語の鵪と安と同音(ān)で安らかさ。 蝶・猫 - 蝶と耋(dié)、猫と耄(mào)が同音で長寿を意味する。耋と耄は70、80代という老人。 蜂・鹿・猴(サル) - 蜂と封(fēng)、猴と侯(hóu)、鹿と禄(lù)が同音で、高位の役職への出世と富裕になる意味。爵禄封侯も参照。 鴨・蟹・亀 - 甲羅を持つ生物は、科挙を甲(最優秀)で合格。 菱(ひし) - 菱と伶が同音(líng)で、子どもが賢く育つ願い。 鶴 - 古来より仙人の乗り物など仙界、長寿、吉祥の意味。また明代清代の最高位文官(一品文官)の刺繍が鶴であることから出世の願い。さらに当時文人のペットとして飼われ、風流な隠遁生活という意味も重ねられた。 兎(うさぎ) - 満ち欠けする月で不老不死の仙薬をつく伝説より、不死、再生。 竹 - 寒中にも若々しい緑、一夜にして成長、地下茎による繁殖拡大といった、生命力の強さから、特別なめでたい植物。竹と祝が同音(zhú)で、爆竹の賑やかさ、祝い、繁栄の意味。士大夫は竹の真っ直ぐ、中空、撓まない、冬季に耐えることなどに人格的理想を重ね、私的生活(文人)では「竹林の七賢」のような俗世間と離れた隠遁生活の理想を重ねた。 鶏冠花 - 雄鶏は朝を告げることから、めでたい陽鳥。鶏と吉(jí)、冠と官(guān)が同音で男子の出世。
※この「寓意」の解説は、「花鳥画」の解説の一部です。
「寓意」を含む「花鳥画」の記事については、「花鳥画」の概要を参照ください。
寓意
「寓意」の例文・使い方・用例・文例
- 同じように現代美術の寓意的手順に関して捧げられたエッセイにおいて、バックローは6人の女性芸術家について議論している。
- 寓意的な方法で
- 寓意的な話
- 軍隊を導くビクトリーの寓意的な絵
- 神秘的、寓意的な解釈(特に聖書の)
- 実在の動物と架空の動物の寓意的で楽しい描写がある(普通イラスト入りの)中世の本
- 15世紀から16世紀に流行した寓意的な劇
- 英国の伝道者、寓意的小説、天路歴程の作者(1628年−1688年)
- 英国の詩人で、スペンサー連でエリザベス1世を褒めたたえる寓意的なロマンスを書いた(1552年−1599年)
- >> 「寓意」を含む用語の索引
- 寓意のページへのリンク