仙薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 02:26 UTC 版)
不老不死の神仙になることを可能にする薬のこと。仙薬は君主レベルの位の高い人に使われた上等な薬であったため、上薬、上品薬ともいわれる。上薬は120種類あり、18種類は鉱物であった。命を養い、登仙することも可能にするということで、漢方では君薬という。『神農本草経』によれば保健。養生効果があり、毒性が無く長期服用・多量服用しても副作用がないと当時は考えられていた。秦の始皇帝が手に入れようと努力した不死の薬もこの仙薬だが、この時代には彼が徐福らに東海の蓬萊などに住む仙人からもらわせようとしたように、仙薬は仙人が所有しているもので、人力では作り得ないと考えられていた。前漢の中期になると、武帝は李少君らに不死の薬の製造を試みさせていることから、人力でも作り得ると考えるように変化していった。仙薬は生命の根源である五臓六腑を養うもので、神仙になるための奥義であり秘術でもあった。身体のすみずみにまで気をめぐらせて満たし、身体が軽くなると心が安らかになると道士は神仙になることができるといわれた。仙薬についての知識を最も多く集めているのは『抱朴子』の仙薬篇で、雲母や丹砂などの石薬や黄精や茯苓などの多くの薬物、とくに霊芝について性状と用法・効能が詳しく述べられている。
※この「仙薬」の解説は、「錬丹術」の解説の一部です。
「仙薬」を含む「錬丹術」の記事については、「錬丹術」の概要を参照ください。
仙薬と同じ種類の言葉
- >> 「仙薬」を含む用語の索引
- 仙薬のページへのリンク