寄席の登場とは? わかりやすく解説

寄席の登場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 20:10 UTC 版)

江戸落語」の記事における「寄席の登場」の解説

天明1781年-1789年)から寛政年間1789年-1801年)にかけて、江戸では再び落語流行がみられた(第2次落語ブーム)。大工職人を本業しながらも、「鑿釿言墨金(のみちょうなごんすみかね)」の狂名をもつ狂歌師でもあり、また戯作者として活躍した烏亭焉馬初代)天明6年1786年4月12日江戸向島料亭武蔵屋新作落とし噺の会を主催して好評博した。これは、焉馬らが狂歌の会の合間気分転換のため互いに咄を披露しあっていたもの発展させたものであり、大田南畝朱楽菅江参加したその後焉馬の噺の会は料理屋2階などを会場として定期的に開かれるようになり、戯作者山東京伝式亭三馬浮世絵師歌川豊国歌舞伎役者5代目市川團十郎といった錚々たる面々、また可楽圓生、夢羅久、談笑など後に職業落語家となる人々参加した寛政4年1792年以降は「咄初め」と称して正月21日定例開催日とし、会は年中行事一部となったまた、焉馬宅で月例会も開かれるようになり、いっそう活況呈した焉馬の会は30年以上つづき、烏亭焉馬はこれにより江戸落語中興の祖称される寛政に入ると、すでに大都市となった江戸で浄瑠璃小唄軍書読み現在の講談)・説教などが流行し聴衆集めて席料をとるようになった。これは「寄せ場」「寄せ」と称され現在の寄席原型となった寛政3年1791年)に大坂出身岡本万作江戸神田に「寄席」の看板かかげて江戸で初めてとなる寄席興行おこない寄席色物嚆矢となった万作はまた寛政10年1798年)に神田豊島町現在の千代田区東神田)の店(わらだな)という店で「頓作かる口はなし」を演じたといわれている。 落とし噺分野では、寛政10年6月江戸馬喰町職人だった山生亭花楽が下谷(現台東区)の下谷稲荷神社寄席をひらいた。このときの興行演目がすぐに尽きてしまい、わずか5日間で看板おろしてしまったが、各地巡業して修行重ね2年後三笑亭可楽」に名を改め、再び寄席落とし噺披露した。花楽改め可楽は、話芸本職とする江戸における噺家第一であった従来落とし噺の会は、素人衆が当日限り料理屋貸席借りて催すものだったのが、一定の期間、特定の場所で代金徴収して興行をおこなう落語寄席進化していったのである可楽寄席興行では、「謎解き」(謎かけ)や、客が出した3つの言葉を噺の中にすべて登場させて一席にまとめる「三題噺」、さらに線香が1分(約3ミリメートル燃え尽きるあいだに即興で短い落とし噺演じる「一分線香即席噺」など趣向凝らした名人芸人気得たまた、多数優秀な門人育成し、その一部は「可楽十哲」と称された。 寛政末年を境として、文人趣味現れ、ないし限られた上流人々対象とする座敷咄の性格濃かった江戸落語庶民直結し職業的な寄席咄に成長し可楽名実ともに江戸落語界の第一人者となった

※この「寄席の登場」の解説は、「江戸落語」の解説の一部です。
「寄席の登場」を含む「江戸落語」の記事については、「江戸落語」の概要を参照ください。

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