外照射
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 01:37 UTC 版)
詳細は「en:External beam radiotherapy」を参照 外照射療法に使用される代表的な装置を次に挙げる リニアック - X線、電子線:最も多く用いられる放射線治療機器ノバリス - X線:特殊なリニアック装置 サイバーナイフ - X線:定位照射に用いられる特殊なリニアック装置 トモセラピー - X線:特殊なリニアック装置 コバルト照射装置 - γ線:リニアックへの置換が進んだため日本国内ではあまり使用されないガンマナイフ - γ線:定位照射に用いられる特殊なコバルト装置 ガンマナイフは頭蓋内の治療に広く用いられ、脳腫瘍以外にも脳血管障害(脳動静脈奇形)などの治療にも用いられてきた。最近ではリニアックを用いた定位放射線治療でも同等の治療効果が得られるため、多くの放射線治療施設で同疾患の治療が可能となっている。またガンマナイフは三叉神経痛や顔面痙攣といった機能的脳神経外科疾患の治療にも一定の治療成績を得ているが、現在のところ頸椎の7番目から頭部以外の疾患は医療保険外の診療となっている。 医療用加速器 加速器としてはシンクロトロンあるいはサイクロトロンが使用される。シンクロトロンは陽子線あるいは重粒子線用、サイクロトロンは陽子線用として用いられている。重粒子線がん治療装置 - 重粒子線(放医研のHIMACは主に炭素イオン線、他はシリコンイオン、アルゴンイオン) 陽子線、重粒子線併用治療装置 - 兵庫県立粒子線医療センターでは陽子線と重粒子線(炭素線)の両方の荷電粒子線を使用して治療を行っている。 ホウ素中性子捕捉療法 (BNCT) 装置(医療用原子炉) - 中性子線 京都大学の京大複合 (KUR)、武蔵工業大学(現東京都市大学)の武蔵工大炉 (MITRR)、日本原子力研究開発機構の研究炉 (JRR-4) で研究が行われているが、MITRRが廃炉となったため、現在はKURとJRR-4で実験的治療を行っている。一方、原子炉に頼らず一般病院でも施設可能な、100m2程度の部屋の大きさの小型の中性子発生装置が、NEDOプロジェクトや、三菱重工、京都大学等により開発中である。京都大学原子炉実験所と住友重機械工業株式会社は共同で30MeVサイクロトロン加速器を用いた加速器中性子源を開発しており、2009年にはBNCTの動物実験が開始された。2012年からはステラファーマ、住友重機械工業株式会社、京都大学原子炉実験所の共同により、京都大学原子炉実験所の加速器中性子源を用いて、世界初となる加速器中性子源によるBNCTの治験が開始された。当初、再発悪性神経膠腫を対象として始まった治験は、2014年に再発頭頸部がんも対象に加わり、実用化へ向けた研究が進められている。福島県の一般財団法人脳神経疾患研究所は、2013年に住友重機械工業株式会社にホウ素中性子捕捉療法システムを発注しており、世界初の病院設置型加速器BNCTシステムとして、2015年の治験開始、2018年の治療開始を目指している。その他、臨床応用可能機器として、国立がん研究センター、江戸川病院に株式会社リライズメディカルシステムズが加速器BNCTシステムの導入を検討している。
※この「外照射」の解説は、「放射線療法」の解説の一部です。
「外照射」を含む「放射線療法」の記事については、「放射線療法」の概要を参照ください。
- 外照射のページへのリンク