基本理論とは? わかりやすく解説

基本理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 03:57 UTC 版)

リード・ソロモン符号」の記事における「基本理論」の解説

ここではリード・ソロモン符号基本的な理論実装方法について述べる。なお符号理論基本概念として以下に登場する加算記号( ⊕ {\displaystyle \oplus } )は全て直和ではなくビットごとの排他的論理和を表す。 リード・ソロモン符号では r ビット連続した固まり一つシンボルとし、 N個のシンボルすなわち r × N ビット並び一つ符号語とする。 このとき K 個のシンボル実際に送る情報残りの (N-K)個のシンボル後述する符号化生成される冗長シンボルである。ただし r , N, K は以下の条件を満たすとする。 2 r > N > K > 0 {\displaystyle 2^{r}>N>K>0} ここで (N-K)/2 を t とした場合リード・ソロモン符号は t 個までのシンボル誤り訂正することができる。 リードソロモンではまず r × N ビット並びシンボル係数とする (N-1)次の多項式の形で表す。図のように各8ビット列が次のようなシンボル変換されたとする。 このときこのビット列はリード・ソロモン符号では A x 3 ⊕ B x 2 ⊕ C x ⊕ D {\displaystyle \left.Ax^{3}\oplus Bx^{2}\oplus Cx\oplus D\right.} という多項式の形で表されるシンボルへの変換は以下のように行う。まず連続する r ビット一つシンボルとするのでシンボル全部2 r 種類存在することになる。そこで 2 r 個の要素構成される拡大ガロア体定義する具体的にはまず r 次の原始多項式から適当な物を一つ選ぶ、例としてここでは r = 8 とし以下のものを使用するx 8x 4 ⊕ x 3 ⊕ x 2 ⊕ 1 = 0 {\displaystyle x^{8}\oplus x^{4}\oplus x^{3}\oplus x^{2}\oplus 1=0} このときこの方程式の根を α とおくと α 8 ⊕ α 4 ⊕ α 3 ⊕ α 2 ⊕ 1 = 0 {\displaystyle \alpha ^{8}\oplus \alpha ^{4}\oplus \alpha ^{3}\oplus \alpha ^{2}\oplus 1=0} であるため、 α 8 = α 4 ⊕ α 3 ⊕ α 2 ⊕ 1 {\displaystyle \alpha ^{8}=\alpha ^{4}\oplus \alpha ^{3}\oplus \alpha ^{2}\oplus 1} と表すことが出来る。そこでこの関係を用いて次のようにαのべき乗定義してビット列に対応させる。 α 0 = 1 ↔ 00000001 {\displaystyle \alpha ^{0}=1\leftrightarrow 00000001} α 1 ↔ 00000010 {\displaystyle \alpha ^{1}\leftrightarrow 00000010} α 2 ↔ 00000100 {\displaystyle \alpha ^{2}\leftrightarrow 00000100} α 3 ↔ 00001000 {\displaystyle \alpha ^{3}\leftrightarrow 00001000} ・・・ α 7 ↔ 10000000 {\displaystyle \alpha ^{7}\leftrightarrow 10000000} α 8 = α 4 ⊕ α 3 ⊕ α 2 ⊕ 1 ↔ 00011101 {\displaystyle \alpha ^{8}=\alpha ^{4}\oplus \alpha ^{3}\oplus \alpha ^{2}\oplus 1\leftrightarrow 00011101} α 9 = α 8 × α = α 5 ⊕ α 4 ⊕ α 3 ⊕ α 1 ↔ 00111010 {\displaystyle \alpha ^{9}=\alpha ^{8}\times \alpha =\alpha ^{5}\oplus \alpha ^{4}\oplus \alpha ^{3}\oplus \alpha ^{1}\leftrightarrow 00111010} α 10 = α 9 × α = α 6 ⊕ α 5 ⊕ α 4 ⊕ α 2 ↔ 01110100 {\displaystyle \alpha ^{10}=\alpha ^{9}\times \alpha =\alpha ^{6}\oplus \alpha ^{5}\oplus \alpha ^{4}\oplus \alpha ^{2}\leftrightarrow 01110100} ・・・ α 254 = α 7 ⊕ α 3 ⊕ α 2 ⊕ α 1 ↔ 10001110 {\displaystyle \alpha ^{254}=\alpha ^{7}\oplus \alpha ^{3}\oplus \alpha ^{2}\oplus \alpha ^{1}\leftrightarrow 10001110} これに 0 ↔ 00000000 {\displaystyle 0\leftrightarrow 00000000} を加えることで全部256 = 2 8の元が出揃い、各ビット列との対応がとれる。

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基本理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 01:57 UTC 版)

整関数」の記事における「基本理論」の解説

複素解析函数 f が z に関して正則とすればテイラーマクローリンの公式により点 z の周り整級数 f ( s ) = ∑ n = 0 ∞ a n ( s − z ) n {\displaystyle f(s)=\sum _{n=0}^{\infty }{a_{n}(s-z)^{n}}} に展開される整級数論により、上の級数は z を中心とし、コーシー–アダマールの定理により 1 R = limsup n → ∞ | a n | 1 / n {\displaystyle {\frac {1}{R}}=\limsup _{n\to \infty }|a_{n}|^{1/n}} で与えられる半径 R をもつ開円板上で絶対かつ一様に収束することが分かる複素解析函数論の主結果は、収束半径が z と最も近くにある特異点との間の距離 R によって決まることである。複素解析函数が整であるとは、それが複素数平面任意の点において正則であるときに言う。したがって整函数有限の距離にある特異点持たない。ある点 y において正則函数は y において無限回微分可能であることを思い出そう。 f が整函数ならば、任意の点において正則であるから収束整級数 f ( z ) = ∑ n ≥ 0 a n z n {\textstyle f(z)=\sum _{n\geq 0}a_{n}z^{n}} に展開され、また無限遠点除いて特異点持たないから整級数収束半径無限大であり、すなわちこの級数任意の z に対して収束する。したがって limsup n → ∞ | a n | 1 / n = 0 {\textstyle \limsup _{n\to \infty }|a_{n}|^{1/n}=0} が成り立つ。またそれゆえ整函数任意の階数導函数もまた整函数になる。 コーシーの積分公式: f ( z ) = 1 2 π i ∫ γ f ( s ) s − z d s {\displaystyle f(z)={\frac {1}{2\pi i}}\int _{\gamma }{{\frac {f(s)}{s-z}}ds}} は、分数式 1/(s − z) を整級数展開することにより、各テイラー係数積分 a n = f ( n ) ( z ) n ! = 1 2 π i ∫ γ f ( s ) ( s − z ) n + 1 d s {\displaystyle a_{n}={\frac {f^{(n)}(z)}{n!}}={\frac {1}{2\pi i}}\int _{\gamma }{\frac {f(s)}{(s-z)^{n+1}}}ds} によって決定できる。ただし上記の両方積分では、積分路 γ は z を囲まない閉路とする。さらに M(R) を z を中心とする半径 R の円板上で函数最大絶対値とすれば極めて重要なコーシー不等式フランス語版) | a n | ≤ M ( R ) R n {\displaystyle |a_{n}|\leq {\frac {M(R)}{R^{n}}}} が簡単な論法により得られる整函数に関する重要な結果としてリウヴィルの定理がある: 定理 (Liouville) 整函数有界ならば、定数函数である。 この定理コーシー不等式適用して証明できる。すなわち、R が何であっても M(R)有界であることに注意して、R を無限大飛ばせ所望結果を得る。このリウヴィルの定理から、代数学の基本定理次数 n の任意の多項式は、重複度込めて n 個の根を持つ」の簡単な証明得られる次のピカールの小定理リウヴィルの定理強化版であると考えられる: 定理 (Picard) 定数でない任意の整函数は、複素数平面上において、高々一つの値を除いたすべての複素数の値をとる。 詳しく後述するが、ある意味整函数論はピカールの小定理のまったく周辺を周っている。 一つ領域—つまり、連結開集合—上定義され正則函数整函数解析的延長できるための必要十分条件は、そのテイラー級数収束半径がその領域上の任意の点において無限大となることである。(注:領域上のある1点に於いてテイラー級数収束判型無限大であれば整関数延長できる。) 整函数全体の成す集合は、写像の合成に関して閉じているから、複素数平面からそれ自身への連続函数全体の成す空間複素部分多元環を成す。 整函数有界ならば定数であり、また無限遠点以外では特異点持てないから、定数でない任意の整函数に対して無限遠点特異点である。可能性としてその特異点または真性特異点であるが、前者の(無限遠点を持つ)場合、その整函数多項式である。後者の(無限遠真性特異点を持つ)場合、その函数超越整函数と言う孤立零点の原理 函数 f は領域 U 上で定義され解析函数で、a において消えているとする。このとき、f は恒等的にか、さもなくば a を中心とする円板 D が存在して、a と異な任意の s ∈ D に対して f(s) ≠ 0 が成り立つ。 これは解析接続原理からの帰結である。 開写像定理 開集合 U 上で定数でない解析函数 f に対し、f(U) もまた開集合である。 これは孤立零点の原理によっても示せる。 最大値原理 領域 D 上で定数でない解析函数 f に対し開写像定理から以下が直ちに従う:f の絶対値は D に極大値持たない(したがって、D が有界ならば |f| は D の境界上で最大値を持つ); f が D 上で消えないならば、|f| は D に極大値持たない; f の実部は D に極大値極小値持たない。 特にシュヴァルツの補題導ける。 より一般に任意の劣調和函数例えば |f| や f が消えない場合1/|f| などはそう)は最大値の原理満足する。また任意の調和函数例えRe(f) はそう)は最大値および最小値原理満足する。 フラグメン–リンデレーフの原理英語版)は最大絶対値の原理非有領域への一般化である。

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基本理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 04:48 UTC 版)

シクロール仮説」の記事における「基本理論」の解説

リンチバナール提案本格的なタンパク質構造模型へと発展させた。基本的なシクロール模型リンチ最初論文1936年)で説明されている。リンチは、ポリペプチド環化して閉じた環を形成するかもしれないこと(環状ペプチド存在するのでこれは真である)、これらの環がシクロール反応によって内部架橋形成するかもしれない(これも真であるが、稀である)という可能性記している。ペプチド結合シクロール形がアミド形よりも安定であると仮定してリンチは、特定の環状ペプチド自然に最大数のシクロール結合形成するだろう、と結論付けた。もし分子中の化学結合おおよそ1.5オングストロームの同じ長さを取るならば、こういったシクロール分子六方対称性有する。 これらの環は無限に拡大してシクロール生地形成できる(図3)。こういった生地は、長距離準結晶秩序を示す。タンパク質は何百もの残基密に詰めまなけれならないため、リンチはこれがタンパク質においてありえそうだ考えた。こうういった分子および生地のもう1つ興味深い特徴は、それらのアミノ酸側鎖1つの面からだけ軸方向上向きになっており、反対側の面には側鎖がないことである。これは、タンパク質配列依存しない性質説明するものではないかと、リンチ推測した最初論文において、リンチは、シクロール模型単なる作業仮説」に過ぎずタンパク質モデルとして有効である可能性があるが、それを確認する必要がある、と明白に述べている。この論文とその続報におけるリンチ目標はよく定義され検証可能な模型提案すること、その仮定結果検討すること、実験的に検証可能な予測を行うこと、であった。これらの目標においてはリンチ成功したしかしながら数年のうちに、実験さらなるモデリングが、シクロール仮説球状タンパク質模型として擁護できないこと示した

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基本理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 01:33 UTC 版)

キャリー付き乗算」の記事における「基本理論」の解説

MWC 列は b を法とする剰余からなる。b = 232 とするのが普通だが、これはコンピュータで扱う整数通常そのようになっているからである。ただ、b = 232 − 1とすることもある。これは、232 − 1 を法とする演算232 を法とする演算を少し変更するだけで済み、さらに、b = 232MWC理論はいくつ厄介な問題があるが、b = 232 − 1 ではそれを回避できるからである。 その最も一般的な形では、lag-r MWC 生成器基数 b、乗数 a、そして r + 1 個の乱数種を必要とする。乱数種は r 個の b の剰余 x0, x1, x2 ,..., xr−1 と最初キャリー cr−1 < a である。 そして、lag-r MWC 列は x n = ( a x n − r + c n − 1 ) mod b ,   c n = ⌊ a x n − r + c n − 1 b ⌋ ,   n ≥ r {\displaystyle x_{n}=(ax_{n-r}+c_{n-1})\,{\bmod {\,}}b,\ c_{n}=\left\lfloor {\frac {ax_{n-r}+c_{n-1}}{b}}\right\rfloor ,\ n\geq r} で定義される xn, cn のペアの数列であり、MWC 生成器の出力は以下の x の列となる。 xr , xr+1 , xr+2, ... lag-r MWC 生成器の周期は abr − 1 を法とする数の乗法群における b の位数である。通例、a は b の位数を大きくできるよう、p = abr − 1 が素数になるように選ぶ。b = 232 は p = abr − 1 の原始根とはならないので、b = 232 を基数とした MWC 生成器の周期は、MWC の最大周期 p = abr − 2 になることはない。これが、b = 232 − 1 の方が有利になる点の1つである。 Couture と l'Ecuyer (1997) により、MWC 生成器には最上位ビットが少し偏っているという理論的な問題があると指摘された。ただし、この問題は相補的キャリー付き乗算により解決されている。「相補的 MWC を使えば、最上位ビットは均一に出ることが分かるだろう。つまり、全周期中で0と1とが同等の頻度で現れ、その傾向も MWC 生成器間に関連性はない。」彼らはビットの偏り具合についてそれ以上詳しくは語っていないようである。相補的 MWC 生成器は計算時間が若干増えるため、実装の要求によってどちらを使うか決めるといいだろう。

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