保釈
保釈とは
保釈とは、勾留中の被告人を留置所等から出し、身柄の拘束を解くことである。保釈の際には被告人は保証金を支払う。保釈には、権利保釈、裁量保釈、義務的保釈がある。権利保釈とは、被告人、あるいは弁護人から保釈請求があった時に保釈を許可するものである。権利保釈は原則として認められるが、証拠隠滅の恐れがある場合などは請求が却下されることもある。裁量保釈は、裁判所の裁量で保釈適当と認めた場合に保釈を許可するものである。義務的保釈は、勾留が不当に長くなった場合に保釈を許可するものである。
保釈請求があると、検察官による意見聴取が行われ、保釈の許可、不許可が決定される。許可されると保証金額の決定、および被告人に対する住所制限などの条件が決定される。保証金が納付されると被告人の保釈が執行される。
ほ‐しゃく【保釈】
保釈(ほしゃく)(bail)
定められた公判期日に裁判所に出頭するという条件で、勾留の効力を残しながらその執行を停止し、被告人の身柄拘束を解く制度。保釈中は通勤や通学など通常の社会生活を送ることができる。
保釈には、刑罰の軽い犯罪で起訴されている場合などに請求すれば認められる「必要的保釈」と裁判官の判断で認められる「裁量的保釈」の2種類がある。保釈の請求は、被告人本人だけでなく、その弁護士や家族でも可能だ。
保釈が認められると、保証金を裁判所に納める。この保証金のことを保釈金という。保釈金の金額は、その被告人の所得に応じて裁判官が決める。理由なく公判期日に裁判所に出頭しなければ、その保釈金は国に没収される。また、裁判が終わると、有罪・無罪にかかわらず、保釈金は返還される。
保釈制度には、刑事裁判における「推定無罪の原則」によって、逃亡や証拠隠滅の心配がなければ、保釈金を担保にして被告人の身柄を自由にするという発想が根底にある。
大麻取締法違反の罪で起訴されていた東京都内の男性被告について、最高裁判所が被告人の大学受験を理由に保釈を許可する決定を出した。受験が保釈許可の理由となることは珍しいという。
(2005.04.04掲載)
保釈(ほしゃく)
保釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 01:24 UTC 版)
保釈(ほしゃく)とは、勾留されている被告人について住居限定や保証金の納付を条件として身柄の拘束を解く制度である[1]。
- ^ a b c d e f g h “諸外国における未決拘禁・保釈制度の例”. 法務省. 2018年5月29日閲覧。
- ^ “刑事事件に関する書類の参考書式について(送付)”. 最高裁判所 (2016年10月19日). 2023年11月27日閲覧。
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- ^ 平成15年版犯罪白書。
- ^ 平成17年司法統計 - PDFファイル
- ^ “令和2年版 犯罪白書 第2編/第3章/第3節/6 勾留と保釈”. 法務省. 2021年6月13日閲覧。
- ^ “保釈保証書発行事業の比較表”. 日本保釈支援協会 (2013年8月7日). 2023年11月28日閲覧。
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- ^ “保釈保証金立替ー立替手数料”. 日本保釈支援協会 (2023年). 2023年11月28日閲覧。
- ^ “カリフォルニア州、被告の保釈金撤廃へ 米国で初”. CNN (2018年9月1日). 2018年9月1日閲覧。
- 1 保釈とは
- 2 保釈の概要
- 3 アメリカの保釈制度
保釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/08 23:32 UTC 版)
「刑事司法上の身柄拘禁手続 (大韓民国)」の記事における「保釈」の解説
被告人、被告人の弁護人・法定代理人・配偶者・直系親族・兄弟姉妹・家族・同居人又は雇用主は、法院に対し、拘束された被告人の保釈を請求することができる(刑訴法94条)。 裁判長は、保釈に関する決定をする前に検事の意見を聞かなければならない(同法97条1項)。検事は、遅滞なく意見を表明しなければならない(同条3項)。 保釈の請求があるときは、次の場合を除くほか、保釈を許可しなければならず(同法95条)、これらの場合であっても、相当な理由があるときは、保釈を許可することができる(同法96条)。 被告人が死刑、無期又は長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したとき 被告人が累犯に当たり、又は常習犯である罪を犯したとき 被告人が罪証を隠滅し、又は隠滅するおそれがあると信ずるに足りる十分な理由があるとき 被告人が逃亡し、又は逃亡するおそれがあると信ずるに足りる十分な理由があるとき 被告人の住居が明らかでないとき 被告人が被害者、当該事件の裁判に必要な事実を知っていると認められる者又はその親族の生命・身体や財産に害を加え、又は加えるおそれがあると信ずるに足りる十分な理由があるとき 法院は、保釈を許可した場合には、必要かつ相当な範囲内で、次の各号の条件中の一つ以上の条件を決めなければならない(同法99条1項)。ただし、法院は、被告人の自力又は資産のみでは履行することができない条件を定めることができない(同条2項)。 法院が指定する日時・場所に出席し、証拠を隠滅しない旨の誓約書を提出すること 法院が定める保証金相当の金額を納めることを約束する約定書を提出すること 法院が指定する場所に住居を制限し、これを変更する必要がある場合には法院の許可を受ける等逃走を防止するために行う措置を受忍すること 被害者、当該事件の裁判に必要な事実を知っていると認められる者又はその親族の生命・身体・財産に害を加える行為をせず、住居・職場等その周辺に近付かないこと 被告人以外の者が作成した出席保証書を提出すること 法院の許可なしに外国に出国しないことを誓約すること 法院が指定する方法で被害者の権利回復に必要な金員を供託し、又はこれに相当する担保を提供すること 被告人又は法院の指定する者が保証金を納め、又は担保を提供すること その他の被告人の出席を保証するために法院が定める適当な条件を履行すること 法院は、保釈請求者以外の者に保証金の納入を許可することができ(同法100条2項)、有価証券又は被告人以外の者が提出した保証書をもって保証金に替えることを許可することができる(同条3項)。 法院は、保釈許可決定によって釈放された被告人が保釈条件を守るのに必要な範囲内で、官公署その他の公私団体に対して適切な措置を取ることを要求することができる(同条5項)。ここにいう「措置」とは、例えば警察に被告人を観察・監視するよう要求することなどが想定されている。
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保釈
「保釈」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女は息子のために500ドルの保釈金を払った
- 彼は保釈された。
- 私は保釈申請したい。
- 私は彼の保釈を申請をする。
- 私は彼の保釈申請をする。
- 保釈を許す.
- 人に保釈を許す.
- 保釈を認めない.
- 人に保釈を認める.
- 保釈(出所)中で.
- 〈被告人が〉保釈金を納める.
- 保釈金を払って(入獄中の)人に保釈を受けさせる.
- 保釈の請求は却下された.
- 裁判官は容疑者の保釈を認めなかった.
- 彼女の前夫はいま保釈出所中である.
- 強盗は 5,000 万円の保釈金を積んで保釈された.
- 保釈を許す
- 保釈になる
- 彼は保釈になって暫時帰宅した
- 保釈中
品詞の分類
名詞およびサ変動詞(訴訟) | 閉廷 上告 親告 告発 保釈 |
名詞およびサ変動詞(犯罪) | 推鞫 流謫 保釈 入牢 抵触 |
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