低潮高地とは? わかりやすく解説

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ていちょう‐こうち〔テイテウカウチ〕【低潮高地】

読み方:ていちょうこうち

干潮時には水面上にあるが、満潮時には水面下にある、自然に形成され陸地

[補説] 低潮高地の全部または一部が、本土や島から12海里超えない領海内にあるときは、その低潮線領海基線として用いることができる。


低潮高地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 07:52 UTC 版)

低潮高地(ていちょうこうち、low-tide elevation)は、自然に形成された陸地で、低潮(干潮)時には水面上にあるが、高潮(満潮)時には水中に没するものである。海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS、国連海洋法条約)第13条で規定されている。

定義

国連海洋法条約第13条は、「低潮高地」について以下のように定めている[1]

1 低潮高地とは、自然に形成された陸地であって、低潮時には水に囲まれ水面上にあるが、高潮時には水中に没するものをいう。低潮高地の全部又は一部が本土又は島から領海の幅を超えない距離にあるときは、その低潮線は、領海の幅を測定するための基線として用いることができる。

2 低潮高地は、その全部が本土又は島から領海の幅を超える距離にあるときは、それ自体の領海を有しない。

— 海洋法に関する国際連合条約第13条

島嶼の上にどのような人工物を建設したとしても、低潮高地を島に、あるいは岩を完全な資格を有する島に転換することは出来ない[2]

領海等との関係

領海

通常基線

低潮高地の全部が本土またはから12海里を超える距離にある場合には、低潮高地はそれ自体の領海を有さない(第13条第2項)。一方、低潮高地の全部または一部が本土または島から12海里以内にある場合に限り、その低潮線を領海を定める際の通常基線とすることができる(第13条第1項)[1][2]

直線基線

低潮高地と直線基線の関係について、国連海洋法条約第7条第4項は以下のように定めている[1]

直線基線は、低潮高地との間に引いてはならない。ただし、恒久的に海面上にある灯台その他これに類する施設が低潮高地の上に建設されている場合及び低潮高地との間に基線を引くことが一般的な国際的承認を受けている場合は、この限りでない。 — 海洋法に関する国際連合条約第7条第4項

この規定によれば、通常、低潮高地は直線基線の基点とはならないが、低潮高地に高潮(満潮)時にも水中に没しない灯台等の施設を設置した場合や、一般的な国際的承認を受けている場合には、低潮高地も直線基線の基点になる(第7条第4項)。

排他的経済水域及び大陸棚

低潮高地は、排他的経済水域 (EEZ) 及び大陸棚を生成しない[2][3]

領土

国連海洋法条約は、低潮高地の領土としての取り扱いについては規定していない。国際司法裁判所において低潮高地に対する主権の帰属が争われた例として、以下のものがある。

「カタールとバーレーン間の海洋境界画定および領土問題」(Maritime Delimitation and Territorial Questions between Qatar and Bahrain)事件では、カタールバーレーンの間で領海の画定及び領土の領有が争われ、両国がともに領海と主張する海域に位置する低潮高地の帰属が問題となった。2001年3月16日の判決は、低潮高地の領域主権について海洋法条約及び規則が規定していないことを認めつつ、この問題は島及びその他の陸地と同様の感覚で考えることはできないとした[4][5]

2008年5月23日の「ペドラ・ブランカ/プラウ・バトゥ・プテ、ミドル・ロックス及びサウス・レッジに対する主権」(Sovereignty over Pedra Branca/Pulau Batu Puteh, Middle Rocks and South Ledge)事件(ペドラ・ブランカ事件英語版)の判決では、まず領海の境界画定を行い、その後で、領海内に所在する低潮高地は沿岸国に帰属すると判断した[6][5]

脚注

関連項目


低潮高地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 03:50 UTC 版)

南沙諸島」の記事における「低潮高地」の解説

低潮高地(英語:low-tide elevation)とは、低潮時には海面上に露出するが、高潮時には水没する岩礁干出岩)・砂州のことで、国連海洋法条約上、領海排他的経済水域 (EEZ) も有さない。ただし、自国EEZであればその国が建造物建設することができる。中国は現在、南沙諸島内で3か所の低潮高地およびその周辺珊瑚礁大規模に埋め立て人工島建設しているが、どれも中国EEZ内ではない。 常設仲裁裁判所は、2016年7月12日ヒューズ礁ガベン礁(南礁)、スビ礁ミスチーフ礁セカンド・トーマス礁国連海洋法条約上の「低潮高地」であるとの裁定下した。またミスチーフ礁およびセカンド・トーマス礁は、フィリピンパラワン島起点とする排他的経済水域および大陸棚含まれることに加えガベン礁(南礁)の低潮位線がガベン礁(北礁)およびナムイエット島領海基線とすることが可能であるということヒューズ礁低潮位線がケナン礁およびシンコウ島領海基線とすることが可能であるということスビ礁低潮位線がティツ堆のサンディー砂堆領海基線とすることが可能であるという裁定下した。 名称英語名中国語名実効支配備考ミスチーフ礁 Mischief Reef美済礁 中国 1994年までフィリピン実効支配していたが、中国占拠して建造物浅瀬構築したことを1995年2月フィリピン公表2015年初めから環礁の西環沿いを大規模に埋め立てCSIS分析では埋め立て面積が約5.58 km2となり、最近は環礁南口拡幅をしており、環礁周辺中国軍艦船見受けられることから、将来的埋め立てられミスチーフ礁海軍基地になると予想されている。3,000メートル級の滑走路多数施設建設され完成している。 セカンド・トーマス礁 Second Thomas Shoal 仁愛礁 フィリピン 1999年フィリピン派兵し駐留スビ礁 Subi Reef渚碧礁 中国 1988年3月中国ベトナムから武力奪取浅瀬レーダーサイト建設2014年7月から人工島造成のために主要な埋め立て開始されCSIS分析では埋めて面積が約3.95 km2となっている。2015年10月着工した灯台(高さ55メートル)が完成し2016年4月からジョンソン南礁クアテロン礁続いて運用開始した。3,000メートル滑走路多数施設建設され完成している。 ヒューズ礁 Hugh Reef東門礁 中国 1988年3月中国ベトナムから武力奪取浅瀬建造物構築され軍隊常駐2014年夏から人工島の造成浚渫工事開始されCSIS分析では面積が約0.08 km2となっている。ベトナム国営紙によると、2016年4月記者が船で近づき取材し複数のレーダーアンテナ、通信用とみられる鉄塔型のアンテナ存在撮影して確認したエリカ礁 Erica Reef簸箕礁 マレーシア 1999年6月マレーシア海軍がインベスティゲーター砂州とともに建造物構築し兵員駐在させた。

※この「低潮高地」の解説は、「南沙諸島」の解説の一部です。
「低潮高地」を含む「南沙諸島」の記事については、「南沙諸島」の概要を参照ください。

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