↑講習の合間に、雪のブルージュ探訪中の我々。
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「ヨーロッパ薬膳」のカリキュラムは、初級、中級、上級、師範コース、とあって、それぞれの「級」につき、1ヶ月に1コマずつ習っていくと、約3年で、上級までを終えられる、っていうように組んでおられるようです。(←私の理解です。)
最初、パリの教室に行かせて貰った時、「遠方からの特別待遇」の元、初級と上級を同時に1コマずつ受けられる光栄に浴したのですが、急に地下鉄のストライキが起きたり、一度は、オーバー・ブッキングで飛行機に乗れなくて、泣く泣く、行くのを諦めたり、、、。そうこうするうち、ブルージュのオオニシ先生のスタジオでの集中講義の話が出て、今夏に2回、一度は中級、二度目は望診(区分すると、師範コースに入るようですが・・・)の集中コースに行かせて貰ったんです。
集中講義、三度目の今回(12/18-22)は、上級の1(2、3が追ってプランされるようです)で、毎日、
・発生学
・胃
・腸
・肝臓、脾臓、膵臓
・腎臓、膀胱、
・循環/心臓
・呼吸/肺、気管
について、順番に説明を受け、そして、それぞれを癒す食事メニューや、お手当て法を学びました。
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私が、このブログで中途半端な「講釈」を垂れるなんて、滅相も無いですし、何より、かえって誤解を招きかねない、と思うので、特に心に残る、お料理を数点、サラリと紹介することで、「お裾分け」とさせて頂きます。
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★キャベツ餅:茹でキャベツにキクラゲ、松の実、等々、それから餅粉&アロールート(西洋葛)を混ぜてから蒸す。それを辛子醤油で食べます。モチモチ具合が、こたえられません・・・・・・・・・。
・・・胃について学んだ日の夕飯の一品。胃のケアには、「擂る(する)」、細か~く切る、など、消化しやすくして、いたわる、癒す。そうして、胃もたれには、何と胃っても、大根おろし!
★人参、長ネギ、豆腐の「皮なし葛しゅうまい」:コリアンダー(シードの方)入りのソースが、これはもう、絶品♪
・・・腸についての勉強をした日の昼食の一品・・・胃腸の不調時は、素材を小さく刻んだり、油を控えたり。
★蓬パスタ:蓬パウダーをスペルト麦に練りこんで。この日は、パスタ・マシン使用。
・・・肝臓の勉強をした日のディナーの一品です。私は蓬が大好き、香りを嗅ぐだけで、うっとりするくらい。っていうことは、肝臓が弱いっていうことなのかな、、、。小豆も、大大好物、、っていうことは、腎臓も弱い、っていうこと???
★蓬ごはん:干し蓬を一茎入れて、玄米ご飯を炊く。炊けた後、茎は取り除き、葉っぱは残し、混ぜ込む。蓬の存在は、殆ど感じられませんが、蓬を入れて炊いたんだ、っていうことだけで、私は大満足。
・・・これも、肝臓の日だったかな。蓬茶を徹底的に飲んで、肝硬変から復活した人も、一人ならず、居られるそうな。
★蕎麦の実(蕎麦米)を炊く。:蕎麦は、陽過ぎると敬遠していたんですが、極寒の日なんか、あったまりますよぉ~。自分では、炒ったものしか使った経験が無いんですが、そのまま炊いても大丈夫、と初めて知りました。
・・・炒ったのも美味しいけれど、そのままのも、別風味で、どちらも、いけます♪炒らないで使うほうが、陽になり過ぎる心配も無くて、日常的には、良いのかな、、。
★ソーセージ&マッシュ!:蕎麦の実を炊いて、それを海苔で包んだ、「真っ黒ソーセージ」です。
・・・ケールは、体の消化管全体(口から肛門まで)をきれいにするのに、一番!っていう話が出た時に、オランダでは、マッシュポテトに混ぜ込んで炊いて、その上に、どかん!とソーセージを乗せて、そして、グレイヴィーをたっぷりかけて食べるのが、国民食的存在、と判明。それを、ヨーロッパ薬膳風に作ることになった訳でした。
*尚、ソーセージ&マッシュっていうのは、イギリスのパブ飯の代表格、これにはケールは入っていませんが。
★ターメリック入りのパスタ。:ターメリックをスペルト粉に練りこんで、この日は、手打ち。ぺったん、ぺったん、ドウを振り回す、先生の手が、腕が、なんと頼もしい・・・。
製造中
↑ターメリック入りパスタ、もうすぐ、食べられるぞぉ♪
・・・「体を柔らかくする」のが狙いの一品。シナモン・スティック、デーツで甘めに味付けたスープに、セロリアックやカボチャが煮崩れ気味に加わって、これはもう、甘口の、そして、体の硬い、うちの夫、きっときっと、大好物のはず。美味しく食べているうちに、知らない間に体が柔軟になる、お得レシピ!
*ただし、私は、さぼってパスタ・マシンで作ろうと思います。。
★キャベツ・ラーメン:キャベツとパスタを同時に水から昆布だしで炊くんです。ケール同様、体をキレイにするのに絶好の一品。
・・・パンチがある味とは、対極にある、まったり味。なんですが、これ、癖になります!
★豆大福!!!
・・・護国寺の「群林堂」が、ぴか一の味、とのことですが、これらの
↑豆大福は、見かけは悪いが(←自己責任、大!)、味は、「ぴかぴか一」。餡子は、デーツだけでは、甘味が充分に出なかったので、チコリシロップを加えた、砂糖無しでも、かなりの甘甘版!赤えんどうの炊き加減も程よく、柔らかいのに噛み締め甲斐があって、、ああもう、至福でしたぁ~~~。幸せいっぱい、胸いっぱい、腹いっぱい!
*特記事項:遠慮の塊、っていうか、全員で食べた後、数個、余ったんです。ちょっと皮が固くなったのを、どう再生されるのかな、と質問してみたら、「ぺしゃん、と潰して焼いて食べたり・・リス美さんが帰った後、みんなで、美味しいもの、一杯食べるのよ。」と、意地悪だった、お茶目な先生!!!
★最後の日の豪華ランチ:メインはやっぱり、「ウナギもどき」か???
・・・わかめご飯(わかめを焼いてからバリバリ細かくして、梅酢、みじん切りの生姜と一緒に、炊いた玄米に混ぜ込む)、人参&菊芋の煮物、蕪&切干大根&フェンネルのサラダ、白菜ポタージュ、海ブドウonチコリ。そして、デザートは、金柑を使ったもの。
皆、美味しかったけれど、やっぱり、ウナギもどき(蓮根と玉ねぎのみじん切りにスペルト粉を混ぜたものを海苔に塗って、揚げる)が・・・最高!蓮根、手に入りにくいのが、激しく残念です。
*写真を撮り損ねましたが、帰る折、鯛焼きを持たせて貰いました(うれし涙
)・・・ユーロスターに乗り込んだ後で、と思ったけれど、無事、帰れることが判明した時点で、思わず、パクついてしまいました。安堵というスパイスの効いた、天下一品の鯛焼きではありました。
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集中講座で良いことの一つに、「思いが同じ仲間達と起居し、語り合える」ということがあります。
「食」と「健康」の直接的関係性って、何か自分の健康に問題が無かったら、考え始めないことかな、とは思うのですが、精製モノ、特に白砂糖の害だとか、動物食過多の害だとか、そういったことが、言わずもがなで通じ合えている「食養仲間」との語り合いは、下手すると、食に拘り過ぎの「健康オタク」みたいに見られることもある中、本当に、ホッとするものが、あります・・・・・。
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ヨーロッパ薬膳を習う中で、役に立つな、としみじみ思うこと、それは、「何々をケアする為の素材を美味しく調理する」、「消化(分解/代謝)の難しい素材も、はね除けるんではなくあて、食べ合わせの工夫で上手に食べる。」という練習です。そして、それらこそが、「美味しく作る」ことが究極目的の、一般的料理との最大の違い(と思う)。
・・・消化促進方法は、例えば、蛋白質は、特に、動物性のものは「粒子が粗い」為、腎臓や肝臓が「濾す」のに苦労する。だから、そういう物を食べる、っていう場合は、一緒に、分解してくれるものを食べる事で、体の負担を予め無くする。
例えば、動物性でも、肉には、ニンニクや玉ねぎを併せる、鳥には柑橘系を、魚には(種類によりますが)大根おろしなど、、日本の伝統的「食べ合わせ」は、論理的なものなんだ、と改めて感心です。西洋の食べ方でも、伝統食は、やっぱり、そういうことが斟酌された食材の組み合わせになっているのを、改めて納得します。
ただ、バランスをとる時、問題含みのものを使うと、悪のサイクルに入ってしまうのには、やっぱり、意識的に用心したいです。(例えば、肉と精白砂糖やソフトドリンクの、それも、大量どうしの組み合わせとか。)
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さて、今日は、どんな献立にしようかな。
・・・クリスマス、ボクシング・デーは家で、それなりの「クリスマス・ディナー」、
それから昨日は友人夫妻と、お気に入りのレストランにイングリッシュなディナーに出かけ、
連日、動物食が続き、しかもアルコールも潤沢だったし、おまけにデザートもたっぷり。
→→→ ここら辺で、胃腸にも肝臓にも腎臓にも、ほっと一息つかせておきたい。別に、不調は感じていないから、特別に、何かをケアする、っていう意識は不要でしょう。
→→→→ 素材、調理法ともに、体に優しいものを、っていうのが、ざくっとした、テーマ。
とは言え、一転して、「優しすぎる」もの、っていうのでは、夫の食欲が満たされる筈も無く、
→→→→→ セイタンの揚げ物をメインにして、濃縮りんごジュースで甘味を付けた大根おろし(そのままだと、辛すぎてNGって言うので)をつけようかな。「主食」は、蓬パスタでも良いかも。あと、今日は、それ程、寒くないから、柚子を使ったサラダも。根菜の煮物も一品、欲しいかな、あと、スープは何にしよう~蛋白質は、セイタンで充分かもしれないけれど、軽目のお豆、レンズ豆のスープも良いかも。。デザートは、、うむむ。
などと、テーマを意識しながら、考え始めているものの、キッチンに入った時の気分で、全く、違うことになるのが、常なので、今はまだ、何とも♪♪