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民主党シンパじゃないが政権交代はさせたい人へ 草野厚『政権交代の法則』(2)
■公平な視点■
本書詳細については、ご自分でお読みくださいとしか言いようがありません。所々、有益な情報が入っていたりするので、ディテールも楽しめるはずです。
例えば、番記者が、派閥のメッセンジャーとして機能した面があるといいます。「安倍首相が情報を選別して、懇意にしていた産経、NHK、TBSの一部の記者に提供していたことは良く知られてる」(59頁)そうです。
両党の超党派的な活動についても、「実像よりもはるかに大きく報道されているように思われる」(198頁)と述べています。確かに09年08月中旬現在、党を割るほどの活動はなされません。自民党の総裁の人は、まだ椅子に座ってますし。
小泉首相も、小選挙区制度には反対だった(132頁)というようなことも、本書には書いてあります。なんか皮肉ではありますが。
ちなみに、著者は、これまでは与党派だったそうです(27頁)。その分、政権交代の必要性を唱えていながらも、民主党に甘くはありません。官僚の残業の理由として、国会答弁用に、野党から提出される質問の時刻が遅く、官僚が深夜までかかりきりにならざるを得ないからだと説明しています(213頁)。この公平性が、この本を読めるものにしているといえるでしょう。
■「政権交代」のための投票方法■
さて、それでは政権交代をどう実現するべきなのか。そう悩んでいらっしゃる方は多いと思われます。無論、民主党に投票するのが手っ取り早いのは間違いありませんが、別に自分は民主党を支持したわけじゃない、という方も多いはずです。やむなく民主党に、という方々に、いい方法があります。
「政権交代の法則」を読んで」(『志村建世のブログ』様)によると、
実際に、村瀬さんのブログ(「民主党は他党支持者からも票を得ていることを自覚してほしい。(太田光征さんの記事を読んで)」『村野瀬玲奈の秘書課広報室』)を見てみると、これはどうやら、「選挙制度改正運動としての選挙区すみ分け投票の勧め」(『平和への結集ブログ』様)を元ネタにしている模様です。
元ネタとなるブログの主張を見ると、「民主党は、小選挙区で他野党支持者の票に大きく依存することで、得票率を超える議席獲得率を実現して」おり、「民主党支持者が比例区で努めて少数野党に投票することで、政権交代が確実」となるのであって、「選挙区すみ分け投票は、政権交代を重視する民主党支持者にとっても合理的な投票パターン」だといいます。
志村建世氏のブログは、これを応用して主張をされているわけです。政権交代のためには、自公に入れないで他党に入れればよく、小選挙区なら自公の候補を潰すのに一番効果のある、民主党の候補を選択するのが手っ取り早く、比例区の場合は、下手に民主党に入れると彼らが思い上がる可能性があるから他の野党に入れる、という風になるようです。もしもっと確実に政権交代を実現させたいなら、比例区に入れるのは、自分の地区で一番受かりやすそうな(死票になりにくそうな)自民・公明・民主以外の政党に入れるといいでしょう。
最後に、著者の主張を紹介します。「そもそも政権の座に就いたことがないのに(中略)その能力に疑問を呈するというのは、批判のための批判に過ぎやしないか」(61頁)と。こう述べて、【民主党に政権担当能力はない云々】という人たちに対して反論しています。まあ、民主党の政策に対して批判はしてもいいのですが。それに政権担当能力については、与党の方にも疑問符をつけるべきところがありますので、おあいこです。
(了)
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本書詳細については、ご自分でお読みくださいとしか言いようがありません。所々、有益な情報が入っていたりするので、ディテールも楽しめるはずです。
例えば、番記者が、派閥のメッセンジャーとして機能した面があるといいます。「安倍首相が情報を選別して、懇意にしていた産経、NHK、TBSの一部の記者に提供していたことは良く知られてる」(59頁)そうです。
両党の超党派的な活動についても、「実像よりもはるかに大きく報道されているように思われる」(198頁)と述べています。確かに09年08月中旬現在、党を割るほどの活動はなされません。自民党の総裁の人は、まだ椅子に座ってますし。
小泉首相も、小選挙区制度には反対だった(132頁)というようなことも、本書には書いてあります。なんか皮肉ではありますが。
ちなみに、著者は、これまでは与党派だったそうです(27頁)。その分、政権交代の必要性を唱えていながらも、民主党に甘くはありません。官僚の残業の理由として、国会答弁用に、野党から提出される質問の時刻が遅く、官僚が深夜までかかりきりにならざるを得ないからだと説明しています(213頁)。この公平性が、この本を読めるものにしているといえるでしょう。
■「政権交代」のための投票方法■
さて、それでは政権交代をどう実現するべきなのか。そう悩んでいらっしゃる方は多いと思われます。無論、民主党に投票するのが手っ取り早いのは間違いありませんが、別に自分は民主党を支持したわけじゃない、という方も多いはずです。やむなく民主党に、という方々に、いい方法があります。
「政権交代の法則」を読んで」(『志村建世のブログ』様)によると、
とのことです。以前に村野瀬玲奈さんのブログで読んだ記事が、参考になると思っています。つまり、選挙区では、自公の候補者を落選させるために民主党の候補を当選させる、比例区では、民主党をひとり勝ちさせないために、民主党以外の野党に投票する、というものです。
実際に、村瀬さんのブログ(「民主党は他党支持者からも票を得ていることを自覚してほしい。(太田光征さんの記事を読んで)」『村野瀬玲奈の秘書課広報室』)を見てみると、これはどうやら、「選挙制度改正運動としての選挙区すみ分け投票の勧め」(『平和への結集ブログ』様)を元ネタにしている模様です。
元ネタとなるブログの主張を見ると、「民主党は、小選挙区で他野党支持者の票に大きく依存することで、得票率を超える議席獲得率を実現して」おり、「民主党支持者が比例区で努めて少数野党に投票することで、政権交代が確実」となるのであって、「選挙区すみ分け投票は、政権交代を重視する民主党支持者にとっても合理的な投票パターン」だといいます。
志村建世氏のブログは、これを応用して主張をされているわけです。政権交代のためには、自公に入れないで他党に入れればよく、小選挙区なら自公の候補を潰すのに一番効果のある、民主党の候補を選択するのが手っ取り早く、比例区の場合は、下手に民主党に入れると彼らが思い上がる可能性があるから他の野党に入れる、という風になるようです。もしもっと確実に政権交代を実現させたいなら、比例区に入れるのは、自分の地区で一番受かりやすそうな(死票になりにくそうな)自民・公明・民主以外の政党に入れるといいでしょう。
最後に、著者の主張を紹介します。「そもそも政権の座に就いたことがないのに(中略)その能力に疑問を呈するというのは、批判のための批判に過ぎやしないか」(61頁)と。こう述べて、【民主党に政権担当能力はない云々】という人たちに対して反論しています。まあ、民主党の政策に対して批判はしてもいいのですが。それに政権担当能力については、与党の方にも疑問符をつけるべきところがありますので、おあいこです。
(了)