(1239) 「ほったらかし」が良いのかな? BlueSkyの投機がよいのかな?
新NISAについては、buy&hold の「ほったらかし」投資が良いのはわかっています。
新NISAで投資の枠が復活するのは翌年になってからなので、キャピタルゲインの節税を目的にして、新NISAの枠を使うのは良策ではありません。
それなのに、本や雑誌のなかには、成長投資枠で株を買うことを勧めているものがけっこうあります。
本や雑誌にそのようなことが書いてあったら、その媒体は信用できないとして破棄してしまうのが良いと思います。
ところで下の図を見てください。
左側のオルカンの基準価格のグラフと、右側のNYダウETFの株価のグラフを見比べてみると、NYダウのほうがオルカンよりも凹凸が滑らかに推移していることに気づきます。
オルカンのグラフのようになだらかに右上がりに上昇しているなら、売買を繰り返すよりも buy&hold のほうが良いと思います。
でも、NYダウETFのグラフのように、大きな上下変動を伴って上昇していくCASEでは、下落したときに買って、上昇したときに売るということを繰り返すほうが、結果的に利益が大きくなるだろうと思うのです。
それが BlueSky 式の投機を考えるきっかけになりました。
よく言われているのは、「いったん売却してから買いなおす場合は、そこで税金を払わなければならないから、税金のぶんだけ利益が少なくなる」ということです。あとは売買ごとに手数料がかかるということも言われます。
しかし、どのみち最終的には利益に対して20%の税金が取られますから、「buy&hold」と「buy&sellの繰り返し」では、あまり大きな違いはないんじゃないかと思います。
むしろ、「buy&sellの繰り返し」のほうが、最終的な利益は大きくなると思います。
最近は売買手数料がかからない証券会社も増えてきてきていますし。
そこで、株価が一回下落してから再上昇するというパターンで、金額を設定してシミュレーションをしてみました。
A. はじめに考えたのは、株価が(1)購入価よりも20%上昇し、(2)その後10%下落し、(3)さらに20%上昇する、というパターンです。
※ でも、上昇しきったときに都合よく売却できるわけではないですから、天井点から5%下降した株価で売却できるということにします。
※ また、下降しきったときに購入できるわけでもないですから、大底点から5%上昇した株価で購入できるということにします。
以上のことを上の表で説明します。
株価の推移は、当初10000円とすると、天井点が12000円で、大底点は10800円です(青四角)。
その後の天井点は12900円になります。ここで売却しようとすると売却時の株価は12312円です(青四角)。
このことは、グラフのほうが理解しやすいと思います。
「buy&hold」の場合は、「買い1」で買って、「売り2」で売ります。
利益に対して20%の税金を払いますから、最終的な(税引き後の)利益は(12312-10000)*0.8-10000=1849円です。
(売買手数料はゼロとして計算しています)
「buy&sellの繰り返し」の場合は、「買い1」で買って、「売り1」で売ります。
この一回目の(税引き後の)利益が1120円です。
2回目の買いは11120円を投資することになります。「買い2」で買って、「売り2」で売ります。
この二回目の(税引き後の)利益は864円になります。両方の利益を加えると1984円です。
これは「buy&hold」の1849円よりも多いです。
B. 変動幅を変更してみました。
株価が(1)購入価よりも20%上昇し、(2)その後8%下落し、(3)さらに20%上昇する、というパターンです。
※ ただ、天井点から3%下降した株価で売却、大底点から3%上昇した株価で購入できるということにしました。
グラフは同じようになります。
収益の結果も同じようなものです。
「buy&sellの繰り返し」の場合は、利益は2650円です。
になります。
「buy&hold」の2280円よりも多いです。
つまり、このグラフのような変動パターンだと、税金と売買手数料を考慮したとしても、「buy&hold」よりも「buy&sellの繰り返し」のほうが収益が多くなります。
今回は、「buy&sellの繰り返し」は一回だけでしたが、何回繰り返したとしても収益は「buy&hold」よりも多くなるはずです。
つまりは、ずっと右肩上がりに上昇を続ける「株」なり「ETF」を見つけることができれば、「buy&sellの繰り返し」は「buy&hold」よりも利益をあげられるということです。
、、、ということで、冒頭の2つのグラフをもう一度見てください。
どちらのグラフも株価は右肩上がりに上昇しています。
そして、NYダウのほうが凹凸(「天井」と「底」)の落差が大きいです。
だとしたら、オルカンを「buy&hold」するよりも、NYダウのETFをBlueSky投機方式で「buy&sellの繰り返し」をするほうが利益が大きくなると思います。
「でも、うっかり天井で買ってしまったら損するんじゃないか」って、思うかもしれません。
そのことを「(1177) 退職金などを一括投資してよいだろうか?検証してみる」で検討したことがあります。
また、今回と同じようなことを「(1168) 株式投資.小刻みに利益確定すると納税額は増えますか?」でもお話したことがあります。
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