2012-05-18(Fri)

さんかれあ #07 おさな…なじみ…

千紘との出会い、恋、失恋。でもやっぱり好き。

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幼いわんこがかわいいオリジナル編(?)でした。

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前回ラストで盛り上がっていた礼弥&千紘と裏腹に一人ぽつりと帰り道のわんこ。好きな男と同居している女へ着替えを貸すってのは、例え男が困っていると言ってもオトメとして複雑な心境でしょう。なんてぶつくさ言いながらの帰り道、紙袋を下げた手を前に回してムネを強調した所で向こうの歩道を楽しそうに駆ける子供たちに気付き…シルエットからしてこれは幼い頃の千紘&追うわんこですね。文句を言いながらも何故千紘の世話を焼くのか?の答えはもちろんわかっていて、シルエットの形で自分の思いを再確認するもなかなか思い通りにいかない現実。こんなにかわいくてグラマラスなのに(笑。わんこはそのモヤモヤを振り切るようにダッシュ、その足元が子供わんこに変わって子供時代の回想・千紘との出会いへ繋げる演出は面白かった。

というわけで今回はアニメオリジナルのわんこ回。今回描かれた諸々のネタは原作に散らばっている小エピソードの寄せ集め(再構成)なので厳密に言えば完全オリジナルでは無いのだけれど、千紘との出会いから今に至る思いを丁寧に描いた事で、わんこの強い思い、その事によって起きる礼弥へのジェラシー(ライバル関係)に原作以上の説得力を持たせています。わんこ優遇されてるなあ(笑

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Aパート冒頭はガラッと変わって「京懐石さおうじ」のご案内から厨房でのドタバタへ。原作だとわんこの母ちゃんが登場するのは第23話(単行本第5巻)で、前回予告を見た段階で「そこまで話が飛ぶのか!?」と思ったけれど、今回は件の原作シーンと全く無関係な流れでした。そりゃそうだろう(勝手に納得。わんこと揃いの金髪に着物姿の女将さんはくだけた口調で千紘との仲を煽り、その傍で黙って鍋を回す板前(父親)の寡黙さが際立ちます。こうして夫婦のバランスが取れているのでしょう。しかしいくら母親のセリフとはいえ目の前で甥っ子に「押し倒していいわよ~」と煽っているのを聞くのは娘の父親として微妙だろうなあ。しかも冗談に聞こえない(笑

足を滑らせてコケそうになったわんこの手を握ってキャッチ! この体勢を腕一本で支える千紘は結構な怪力です(笑。握った手を冷やかされた瞬間に離す千紘、名残惜しそうなわんこは厨房を出ると「手を握った」ことの思い出に浸ります。ああかわいい!

その回想はアバンで描かれた墓地シーンの続き。見渡す限りのお墓が怖くて大泣きのわんこを救った千紘の手、しっかりと繋がれた手は竦んでいたわんこにどれだけ頼もしく思えたか。これがわんこと千紘の出会い。確かにこんな形で出会ったら王子様へのヒトメボレもわかります。

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しかし実際の千紘は王子様ではありませんでした。昼間っから家に籠もってゾンビ映画を楽しそうに見続け、無理やり外へ引っ張り出しても「桜の木の下には云々」という有名な伝説を実証しようと穴を掘ったり…そんな変わった子なのでおそらく同年代の子供たちからハブにされていたのでしょう。通り掛かった子供たちから「女と遊んでる」と冷やかされても言い返せず大泣きで逃げてしまう。これでは反撃に立ち上がったわんこも振り上げた拳の下ろし所がありません。あらら。しかし子供の頃って何で「女と遊んでいる」だけでからかいのネタになったのだろうね。からかっていた男子もそのうち女の子に擦り寄る事になるのに(笑

めんどくさがり屋で協調性の無いヘタレの泣き虫。墓地で頼もしかったのはゾンビ映画で見慣れている上に自分ちだから。千紘の正体を知ってしまったわんこは唖然呆然、帰る時にも挨拶すらしないほど恋心が冷めてしまった。せつねー。

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シーンは現実に戻って二人並んでお料理の配達へ。並んで歩きながら礼弥へのジェラシーをチラチラ見せるわんこかわいい。突如現れたヤスタカに「痴話げんか」と冷やかされてまんざらでも無いわんこかわいい。好き好きオーラが眩しいよ。

大したイケメンでも無いゾンビおたくのひねくれ者のめんどくさがりで頑固なヘタレ野郎。立て板に水の如く千紘の本性を語るヤスタカに「そうなんだけどね」と返すわんこ…「否定しねえのかよ?」と不機嫌な千紘でしがた、それ以前に「どうしてこんな奴がいいんですか?」をわんこは否定しないんだよなあ。つまりそんなの全てわかった上で、ってこと。ぐぬぬ。

そんなやり取りから一陣の風がわんこの髪を揺らし、すると袖を引っ張る子供の姿。ゾンビの本を手にじっとこっちを見ている子供は幼い千紘、というわけでここから再び回想シーンへ。

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墓地での出会いから2年後、6歳の時に紫陽町へ引っ越してきた事で千紘と再会したわんこ。しかし遊びに来た千紘は2年前のマンマで、いくら遊びに誘っても部屋に籠もってゾンビ本から離れず。こりゃたまらん。そんな子相手に何故か母ちゃんが「仲良くしてね」と張り切っているのも反発の一因とかわかるわかる。押し付けられて仲良くなれるものでもありませんし。始終そんな調子に耐えきれないわんこは一人で店に降りて来て、しかし母ちゃんは千紘放置を許しません。「蘭子はせっかく来てくれた従兄弟をずっとほったらかしにする子なの?」と言われても本人がアレでは。

わんこは仕方なく千紘と共にレンタルビデオ屋へ。千紘のほうが先住民なのでレンタル屋の場所とかさすが判っていて、それどころかレンタル屋ではゾンビ映画の常連っぽい? 新入荷の過激なヤツを借りてホクホク顔の帰り道、ここで交わされる噛み合わない会話は千紘のブレなさ(笑)を感じさせました。何を言っても聞く耳持たずゾンビのデロデロを押し付けてくる千紘に膨れるわんこ、ついに怒りが爆発してビデオを取り上げると店へ走ってしまいます。こういう強引さも子供の頃からなのだね(笑

ここで犬に襲われて云々の件は原作第14話(第3巻)で語られるエピソード。原作ではいろいろあって落ち込んでいた千紘をわんこが元気付けるシーンで、この時にわんこは犬に脇腹を噛まれていたはずなのですがアニメでは無し。つまりその傷を見せるべく制服をガバッと開いてスポブラ1枚になるシーンもありません。ぐぬぬ。しかしこの事件によって千紘への思いが確定した事は変わりないようで、手を繋いでの帰り道に幼女わんこがオンナの顔になっちゃっててわかりやすい。

でも千紘はわんこじゃなくてビデオを守りたかっただけ。これはビデオを抱く千紘の表情が全てを語っています(笑

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「キスって大事な事なんだよ!」

そしてアニメ第6話冒頭で改変された「ファーストキスについての会話」へ。ゾンビ映画に置き換えてそのままかと思いきやまさかこんな形で持ってくるとは。つまり原作で見開き2ページのシーンをここまで膨らませたのか(笑。相変わらずゾンビ映画を見ている二人、するとわんこが「初めてのキスってどんな感じがいい?」と訊き…わんこが浮かべるイメージがもれなく千紘相手なのが微笑ましい。しかし千紘は「ゾンビっ娘とチュッチュ」がいいと答え、恋するオトメはブチ切れであります。あははは。男勝りの活発娘に描かれるわんこですが中身はこのとおりオトメ全開なのでした。かわいい。というか千紘はもうダメかもしれない(とっくに手遅れ

そんな回想から再びリアルに戻ると「手を繋いで!」と千紘に迫ります。あまずっぺー! 手を繋いで上機嫌のわんこかわいい! 並んで歩きながら「初めて手を繋いだ時」の事を問うわんこ、すると千紘はきちんと覚えていました。わんこにとって特別な思い出を千紘は覚えていてくれた。でも千紘にとって「わんこと初めて手を繋いだ事」は特別な思い出では無い、数多の記憶の1つでしか無い、「違ったっけ?」と確かめる程度の出来事だったのです。その現実を突き付けられて不機嫌へ一転、思わず手を離してしまうわんこが切ないなあ。見上げた空に風が吹かないのもわんこの胸中を表していましたね。

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配達が終わっての別れ際。ここで直帰と聞いて嬉しそうに帰って行く千紘はほんとオンナゴコロがわからんヤツです。ああもう! 千紘が振る手をボーッと見つめるわんこに一陣の風が吹く演出は気持ちの高まりを感じさせ、するとおもむろに千紘の手を取って壁ドン! そしてわんこが顔をグーッと寄せると千紘は目を閉じてなすがママ、キューリがパパ。ここでいきなりこんな形でキスですか!? 礼弥への対抗心爆発ですか!?

「もっとちゃんと考えなさいよ! キスって大事な事なんだよ!」

しかし寸止めで離れたわんこは千紘へ一喝。キスは空気に飲まれて、勢いに流されてするものではない、もっとちゃんと考えろと。礼弥とのキスシーンを思いっきり見てしまったわんこは思いっきりショックを受けただろうけど、今回の千紘をして「考えた上でのキスではなかった」ことを確信したかも? 何せ自分とすら流されるままキス寸前まで行ったのだから。

「やっぱり負けたくない」
「絶対に、絶対に、負けないんだからーっ!」

千紘と礼弥のキスシーンを振り切るように坂道を駆け上り、夕陽に向かって思いっきり叫ぶわんこ。腰をグッと入れ、拳をギュッと握り、下駄履きの足を踏ん張ってのココロの叫びはわんこの思いが溢れていました。そしてわんこは思いっきり叫んで背伸びをするとスッキリした表情で空を見上げ…そこに風は吹いていたのだろうか?

わんこにとって千紘と手を繋ぐ事は特別な意味を持つ。今回はその描写を上手く使ってわんこの一途な思いを表現し、原作でもほとんど描かれなかった千紘への思いを補完してくれました。かわいいなあわんこ。こんなにかわいいのに。

それにしても原作では第6話で礼弥に襲われて以来第5巻辺りまで出番がほとんどないわんこをこれほどクローズアップするのは何故か? これがわんこ本来の役割であるお色気サービス増強回ってならまだわかるのだけれど(酷、今回はわんこの胸中描写に終始していたわけで、1クール作のこのタイミングでこういう改変を入れてくる辺り、少なくとも原作の流れから外れたラストを迎えるのは必至でしょう。礼弥のゾンビとしての結末よりも三角関係に主軸を置いた締めに持って行くのだろうか。まあ原作自体が未だ結末を迎えていないので礼弥の結末も茶を濁すしかなく、はたしてどんなラストシーンが用意されているのか楽しみであります。

   

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