2011-06-27(Mon)
花咲くいろは #13 四十万の女~傷心MIX~
皐月さん襲来で上へ下への喜翆荘。
四十万の女は仕事に生きる?
前回の流れから皐月さんを乗せたハイエースはもうすぐ喜翆荘へ到着、天敵の襲来に取り乱す縁さん、相変わらずビビりの蓮さん、突然担当を指名されてあわあわの菜子などなど、従業員たちは到着前からえらい騒ぎです。そんな中で一人落ち着いているように見えた女将さんでしたが、もちろん心中は穏やかではなく…「喜翆荘はいつもどおりのことをすればいい。私はどうなるかわからないけどね」と目を逸らしてみたり、さすがの女将さんも今日のお客には堪忍袋そのものを持ち合わせていないご様子です。あはは。
「変わってなーい。てかますますボロくなって不憫な感じ」
ほどなく皐月さんが到着しました。久しぶりに見た喜翆荘の印象と久しぶりに会ったお母様の印象を重ねて以下略、いきなり火花散ってるし! 続いて縁さんとの対面は頬を両手で挟んで…これって皐月さんなりの愛情表現なのだろうか?
客室へ通された皐月さんをガチガチに緊張しながらもてなす菜子。一方の皐月さんはリラックス全開で、さっそく浴衣やお茶請けにダメ出しを続けます。何だかんだ言いながらチェック&改善アイデアが矢継ぎ早に出てくる辺りさすが旅行ライター? 俯いて聞いてる菜子へグッと顔を寄せて「あなた、綺麗な目してるわぁ」と仲居チェックも抜かりなく、突然の急接近に慌てた菜子は目ぇグルグルさせてましたが、アドバイスの的確さなど感心する所があったみたい。褒められて喜んでるだけだったりして?(笑
縁さんの記憶に刻まれた皐月姉さんとの日々はまさに地獄、夏休みの宿題は全て押し付けられ、お年玉も全て自宅内カツアゲされ…私は姉さんがいないのでようわかりませんが、知り合いの姉持ちは程度の差こそあれ「姉に虐げられた日々」のネタに困らず、従って「優しい姉さん」なんてのはファンタジーであることが定説であり、また子供時代に植え付けられたトラウマは一生モノなので、縁さんが姉さん襲来に動揺する気持ちもわかるような。ちなみに「かわいい妹」もファンタジーな存在らしいのでご注意。リアルなんてクソゲーだ(違
姉さんに虐げられた日々は見るからに気の毒ですが、逆にこういう体験が特殊な性癖を生むこともあるようで…なるほど縁さんが「あの」崇子さんに惹かれるのはそういうことでしたか。
「孝ちゃんと仲直りできますように、ってお願いしてみれば?」
緒花は皐月さんに付き合わされていつもの神社へ。ぼんぼり祭りの話から孝ちゃんの話へサッと振る皐月さんはさすがわかってらっしゃる。娘の悩みがわかっていて、その話をサシでするためわざわざ遠い神社まで付き合わせたのでしょう。こんな話は喜翆荘じゃできませんもの。いきなり孝ちゃんの話が出て固まる緒花、てな様子を見て「やっぱり振られたか」と核ミサイル連続発射の皐月さんてば容赦ねえ! ことごとく被弾の緒花は目ぇグルグルでピヨっちゃってます。自分で判っていることでも改めて他人から言われるとキッツイもの、それも事情をよく知らないはずの母親から直球で言われたら緒花のリアクションもわかるような。
「男に振られてしょげてる場合じゃないから。ちゃんと見せてよ、この旅館の良さを」
皐月さんらしいアバウトな慰めに緒花は「こういう時だけ母親面しないでください!」と反撃、そのまま怒って帰ろうとすると皐月さんの追撃いただきました。さすが母親だけあって皐月さんはこういう時の緒花の扱い方がわかっているのでしょう、タバコをくわえながらのキッツイお言葉は緒花の発奮を狙ってる?
「結構重症だね」
皐月さんの見立てどおり緒花のショックは相当なもの。魂が抜けたように「男に振られて…」と繰り返し呟きながらの帰り道、あれほど怖がっていた青鷺に出会っても気付かないほど落ち込んじゃってます。羽根を広げて威嚇する気まんまんなのに完全スルーされちゃう青鷺がかわいい(笑
そんなこんなで緒花が喜翆荘へ戻ると従業員たちは勢揃いでお通夜状態でした。先ほど見せた菜子の時と同様に板場や浴場で皐月さんチェック&アドバイスが炸裂していたようで、それがまたいちいち的確というのが憎らしい。とはいえ的確な指摘は認めるしかなく、喜翆荘を貶めた仇敵の言葉に納得せざるを得ない葛藤が従業員たちを襲います。きっと皐月さん的にはライター仕事で得た知識を使って「喜翆荘を少しでも良くしたい」とアレコレ言っているのかもしれませんね。空気を読まずにズバズバ言っちゃうのはさすが緒花の母ちゃん…まあ実家で遠慮してもしょうがないってのありますけれど。
浴場の指摘にて次郎丸がいるのに堂々と脱いじゃうのは熟女の図々しさかと思いきや、後の回想で「脱衣所に男が居ても服を脱げる理由」がきちんとありました。芸コマ! 皐月さんはおもむろに服を脱ぐと白い肌が映える黒いブラがこんにちわ、官能小説家の次郎丸がこんなん見たら、そりゃ鼻の下も伸びようというものです。
てな空気の事務所にやってきた縁さんは一人「崇子さん」の話で盛り上がり、ただでさえ気に食わない名前をこんな時に聞かされて、しかも「四十万の問題」を他人に頼ろうとする不甲斐なさが腹に据えかねたのでしょう。小気味よすぎる往復ビンタの後に胸ぐらを掴み上げて迫る女将さん、やられっぱなしで口答え一つできない縁さん…この母親とあの姉さんに囲まれて育った縁さんの処世術は「嵐が過ぎ去るのを待つこと」なのだろうね(笑
「あのお客は一見さんでありながら一見さんじゃない」
自室へ戻った女将さんと緒花の「あの客」に対する作戦会議。お客様の好みに合わせたきめ細かいもてなしが喜翆荘のやり方なれど、あの客に関しては個人的感情が高すぎる故に女将さんは手を引いていた。しかし従業員たちの戸惑いを目にしてついに動く決心をした? 仕事内容で攻めてきたなら仕事で返す、そのためなら反則技も厭わない。
というわけで二人の四十万の女は行動を開始。女将さんは板場に頭を下げて厨房に入り、緒花は菜子に頭を下げて藤の間の布団の用意。この時菜子が「いつもの緒花」と思ったのは、経緯はともかく緒花が「お客さんのために動いている」ことを感じたからでしょう。
ほどなく始まる夕餉の時間。皐月さんの部屋に運ばれた料理は「十年一日の料理」なれどきちんと手間を掛けたもの。追加で出てきた特別メニューは竹輪の煮物で、女将さんはこの「娘の好物」を作るため厨房にて頭を下げたのでした。
竹輪の煮物がスイッチとなったか、皐月さんは湯船に浸かりながら母親との日々を思い出していました。掃除中の浴場に入ろうとした若い皐月さんと若い女将さんの衝突シーンはは中の人が「現皐月→若女将」「現緒花→若皐月」とそれぞれシフトした面白いキャスティングでした。若い皐月さんはともかく女将さんまで声変わりするとは(笑。結局この衝突は正論を通す女将さんの勝利なのだけれど、意地を通してタオルを外す皐月さんも大概気が強いね。まあ勝ち負けを言ったら若き皐月さんの入浴シーンを堪能した豆じいの圧勝でしょう(笑
緒花の特別もてなし作戦は「丸めたシーツ」でした。これが無いと眠れないという皐月さんの特性を知っているのはさすが家族、今度はこのシーツがスイッチとなり緒花との日々を思い出し…母娘三代の切っても切れない繋がりを突き付けられた皐月さんはついに「四十万の女」に戻るべく宴へ。
一方女将部屋にて次なる作戦を話し合う二人。皐月さんの傾向と対策を話すうち、緒花は喜翆荘に来て以来初めて「お婆ちゃん」という存在を実感します。思えば緒花は「優しいお婆ちゃん」を頼って喜翆荘へやって来た初日から「女将と仲居」という関係を強制され、しかしいつの日かその関係が当たり前になっていた。女将さんが倒れた入院先にて「四十万さん」と呼ばれても気付かないほどに。
そんなところへ現れた皐月さん。いつも寡黙で厳しい女将さんが娘(皐月)のことを饒舌に話し、緒花も負けじと共通の話題に乗る。仕事にかこつけた祖母と孫娘のコミュニケーションによって「女将さんはママのお母さんなんだ」と四十万の繋がりを実感する流れは見ていてしみじみしちゃいました。また仕事最優先で娘のことなど放っていた女将さんはやはりきちんと娘を見ていた。これは完全放任のようで「娘が振られた」ことをズバリ見抜いていた皐月さんと同じで、この辺の親子関係の不器用さも「血」を感じさせます。
「ぬる燗とビール三本とソフトドリンク。あと芸者もお願い。婆さんと小娘でいいわ」
というわけで藤の間を訪れた芸者二名。あははは。差し出されたビールを一旦は断るも、皐月さんの挑発的な視線に一気飲みの女将さんってばどんだけ負けず嫌いなのか。そこから一気に四十万女の宴が開幕、ジュースで酔って潰れちゃう緒花がかわいい(笑
「四十万の女が一度や二度振られたくらいで諦める気かい?」
孝ちゃんに振られて荒れる緒花に女将さんのぶっちゃけトーク。ぶっちゃけすぎです! 五度目の正直を語って緒花にハッパ掛ける女将さんがかわいすぎて株価ストップ高ですよ。しかし緒花は「諦める」のではなく、「孝ちゃんの日常」と「自分の日常」が相容れないことに気付いた末の結論でした。男に合わせて自分を曲げることを良しとしない、恋より仕事の精神はさすが四十万の女であります。
「夢を見たよ。あんたがここを継いで、緒花もいて…」
キワキワアングルで潰れる緒花と共に潰れてしまった女将さんの呟き。すっかり酒に弱くなった「母親」が見た夢は、普段の気丈さと裏腹に母娘三代の生活を望んだものでした。気を張って喜翆荘を切り盛りしてきたけれど寄る年波には勝てず、気弱な本音をチラリと覗かせる。あれほど大きく感じた母親がいつの間にか小さくなっていた戸惑い、このテのストーリーでお約束の話ですが、おっさんはこういう話に弱いのです。ううう。
「いつまでも憎たらしい母さんでいてよ」
そしてこんな時だけ引っ張り出される縁さんは背中の母さんの軽さに戸惑い、階段を降りていく二人を見送る皐月さんの呟きもお約束ながらじんわり来ます。娘にがんばりを認められるようになっちゃ親はお終い、でも潰れた女将さんは聞いちゃいないし、皐月さんも「なーんにも聞いてない」から大丈夫です。
明けて翌朝、皐月さんは喜翆荘から出る際に緒花へ一通の封筒を手渡します。約束どおり書かれた喜翆荘のレポート記事は思いがけない大絶賛、「変わらないというイメージを人に与えるための変化」とは言い得て妙だなあ。淀まずに十年一日を守るのがいかに大変か。
逆に十年経てば人も入れ替わるし、残っている人も時と共に変わっていく。あれほど大きかった母親は小さくなり、あれほど小さかった娘は生意気になるけれど、喜翆荘の人々は「変わらないイメージ」を持ち続けるための努力を惜しまない。あれほど毛嫌いしていた実家を「暖かな居心地のいい旅館」と締めた皐月さんもまた「変化」しているのでしょうね。そんな絶賛記事をいつしか振り返って聞いていた女将さん。何だかんだで娘の評価を気にしている女将さんかわいい! てな様子を見つめる緒花は何を思うのか。
その後緒花は例の神社へ。皐月さんが来たことで自分の居場所を再認識し、自分の気持ちの整理も付いた。そして緒花は今までさんざん振り回してしまった孝ちゃんへ謝罪すると共に「じゃあな!」と別れの言葉を叫びます。これで本当に孝ちゃんの出番は終了?…とも思えないのでシリーズ後半でのさらなる泥沼に期待しきましょう(ひどい
次回は水着回? 菜子の水着は競泳水着!? それも良いけどせっかくだからビキニ姿を切望したい!
このところ出番が無かった結名も活躍しそうで楽しみです。
↓記事が役立ったら一票どうぞ。
四十万の女は仕事に生きる?
前回の流れから皐月さんを乗せたハイエースはもうすぐ喜翆荘へ到着、天敵の襲来に取り乱す縁さん、相変わらずビビりの蓮さん、突然担当を指名されてあわあわの菜子などなど、従業員たちは到着前からえらい騒ぎです。そんな中で一人落ち着いているように見えた女将さんでしたが、もちろん心中は穏やかではなく…「喜翆荘はいつもどおりのことをすればいい。私はどうなるかわからないけどね」と目を逸らしてみたり、さすがの女将さんも今日のお客には堪忍袋そのものを持ち合わせていないご様子です。あはは。
「変わってなーい。てかますますボロくなって不憫な感じ」
ほどなく皐月さんが到着しました。久しぶりに見た喜翆荘の印象と久しぶりに会ったお母様の印象を重ねて以下略、いきなり火花散ってるし! 続いて縁さんとの対面は頬を両手で挟んで…これって皐月さんなりの愛情表現なのだろうか?
客室へ通された皐月さんをガチガチに緊張しながらもてなす菜子。一方の皐月さんはリラックス全開で、さっそく浴衣やお茶請けにダメ出しを続けます。何だかんだ言いながらチェック&改善アイデアが矢継ぎ早に出てくる辺りさすが旅行ライター? 俯いて聞いてる菜子へグッと顔を寄せて「あなた、綺麗な目してるわぁ」と仲居チェックも抜かりなく、突然の急接近に慌てた菜子は目ぇグルグルさせてましたが、アドバイスの的確さなど感心する所があったみたい。褒められて喜んでるだけだったりして?(笑
縁さんの記憶に刻まれた皐月姉さんとの日々はまさに地獄、夏休みの宿題は全て押し付けられ、お年玉も全て自宅内カツアゲされ…私は姉さんがいないのでようわかりませんが、知り合いの姉持ちは程度の差こそあれ「姉に虐げられた日々」のネタに困らず、従って「優しい姉さん」なんてのはファンタジーであることが定説であり、また子供時代に植え付けられたトラウマは一生モノなので、縁さんが姉さん襲来に動揺する気持ちもわかるような。ちなみに「かわいい妹」もファンタジーな存在らしいのでご注意。リアルなんてクソゲーだ(違
姉さんに虐げられた日々は見るからに気の毒ですが、逆にこういう体験が特殊な性癖を生むこともあるようで…なるほど縁さんが「あの」崇子さんに惹かれるのはそういうことでしたか。
「孝ちゃんと仲直りできますように、ってお願いしてみれば?」
緒花は皐月さんに付き合わされていつもの神社へ。ぼんぼり祭りの話から孝ちゃんの話へサッと振る皐月さんはさすがわかってらっしゃる。娘の悩みがわかっていて、その話をサシでするためわざわざ遠い神社まで付き合わせたのでしょう。こんな話は喜翆荘じゃできませんもの。いきなり孝ちゃんの話が出て固まる緒花、てな様子を見て「やっぱり振られたか」と核ミサイル連続発射の皐月さんてば容赦ねえ! ことごとく被弾の緒花は目ぇグルグルでピヨっちゃってます。自分で判っていることでも改めて他人から言われるとキッツイもの、それも事情をよく知らないはずの母親から直球で言われたら緒花のリアクションもわかるような。
「男に振られてしょげてる場合じゃないから。ちゃんと見せてよ、この旅館の良さを」
皐月さんらしいアバウトな慰めに緒花は「こういう時だけ母親面しないでください!」と反撃、そのまま怒って帰ろうとすると皐月さんの追撃いただきました。さすが母親だけあって皐月さんはこういう時の緒花の扱い方がわかっているのでしょう、タバコをくわえながらのキッツイお言葉は緒花の発奮を狙ってる?
「結構重症だね」
皐月さんの見立てどおり緒花のショックは相当なもの。魂が抜けたように「男に振られて…」と繰り返し呟きながらの帰り道、あれほど怖がっていた青鷺に出会っても気付かないほど落ち込んじゃってます。羽根を広げて威嚇する気まんまんなのに完全スルーされちゃう青鷺がかわいい(笑
そんなこんなで緒花が喜翆荘へ戻ると従業員たちは勢揃いでお通夜状態でした。先ほど見せた菜子の時と同様に板場や浴場で皐月さんチェック&アドバイスが炸裂していたようで、それがまたいちいち的確というのが憎らしい。とはいえ的確な指摘は認めるしかなく、喜翆荘を貶めた仇敵の言葉に納得せざるを得ない葛藤が従業員たちを襲います。きっと皐月さん的にはライター仕事で得た知識を使って「喜翆荘を少しでも良くしたい」とアレコレ言っているのかもしれませんね。空気を読まずにズバズバ言っちゃうのはさすが緒花の母ちゃん…まあ実家で遠慮してもしょうがないってのありますけれど。
浴場の指摘にて次郎丸がいるのに堂々と脱いじゃうのは熟女の図々しさかと思いきや、後の回想で「脱衣所に男が居ても服を脱げる理由」がきちんとありました。芸コマ! 皐月さんはおもむろに服を脱ぐと白い肌が映える黒いブラがこんにちわ、官能小説家の次郎丸がこんなん見たら、そりゃ鼻の下も伸びようというものです。
てな空気の事務所にやってきた縁さんは一人「崇子さん」の話で盛り上がり、ただでさえ気に食わない名前をこんな時に聞かされて、しかも「四十万の問題」を他人に頼ろうとする不甲斐なさが腹に据えかねたのでしょう。小気味よすぎる往復ビンタの後に胸ぐらを掴み上げて迫る女将さん、やられっぱなしで口答え一つできない縁さん…この母親とあの姉さんに囲まれて育った縁さんの処世術は「嵐が過ぎ去るのを待つこと」なのだろうね(笑
「あのお客は一見さんでありながら一見さんじゃない」
自室へ戻った女将さんと緒花の「あの客」に対する作戦会議。お客様の好みに合わせたきめ細かいもてなしが喜翆荘のやり方なれど、あの客に関しては個人的感情が高すぎる故に女将さんは手を引いていた。しかし従業員たちの戸惑いを目にしてついに動く決心をした? 仕事内容で攻めてきたなら仕事で返す、そのためなら反則技も厭わない。
というわけで二人の四十万の女は行動を開始。女将さんは板場に頭を下げて厨房に入り、緒花は菜子に頭を下げて藤の間の布団の用意。この時菜子が「いつもの緒花」と思ったのは、経緯はともかく緒花が「お客さんのために動いている」ことを感じたからでしょう。
ほどなく始まる夕餉の時間。皐月さんの部屋に運ばれた料理は「十年一日の料理」なれどきちんと手間を掛けたもの。追加で出てきた特別メニューは竹輪の煮物で、女将さんはこの「娘の好物」を作るため厨房にて頭を下げたのでした。
竹輪の煮物がスイッチとなったか、皐月さんは湯船に浸かりながら母親との日々を思い出していました。掃除中の浴場に入ろうとした若い皐月さんと若い女将さんの衝突シーンはは中の人が「現皐月→若女将」「現緒花→若皐月」とそれぞれシフトした面白いキャスティングでした。若い皐月さんはともかく女将さんまで声変わりするとは(笑。結局この衝突は正論を通す女将さんの勝利なのだけれど、意地を通してタオルを外す皐月さんも大概気が強いね。まあ勝ち負けを言ったら若き皐月さんの入浴シーンを堪能した豆じいの圧勝でしょう(笑
緒花の特別もてなし作戦は「丸めたシーツ」でした。これが無いと眠れないという皐月さんの特性を知っているのはさすが家族、今度はこのシーツがスイッチとなり緒花との日々を思い出し…母娘三代の切っても切れない繋がりを突き付けられた皐月さんはついに「四十万の女」に戻るべく宴へ。
一方女将部屋にて次なる作戦を話し合う二人。皐月さんの傾向と対策を話すうち、緒花は喜翆荘に来て以来初めて「お婆ちゃん」という存在を実感します。思えば緒花は「優しいお婆ちゃん」を頼って喜翆荘へやって来た初日から「女将と仲居」という関係を強制され、しかしいつの日かその関係が当たり前になっていた。女将さんが倒れた入院先にて「四十万さん」と呼ばれても気付かないほどに。
そんなところへ現れた皐月さん。いつも寡黙で厳しい女将さんが娘(皐月)のことを饒舌に話し、緒花も負けじと共通の話題に乗る。仕事にかこつけた祖母と孫娘のコミュニケーションによって「女将さんはママのお母さんなんだ」と四十万の繋がりを実感する流れは見ていてしみじみしちゃいました。また仕事最優先で娘のことなど放っていた女将さんはやはりきちんと娘を見ていた。これは完全放任のようで「娘が振られた」ことをズバリ見抜いていた皐月さんと同じで、この辺の親子関係の不器用さも「血」を感じさせます。
「ぬる燗とビール三本とソフトドリンク。あと芸者もお願い。婆さんと小娘でいいわ」
というわけで藤の間を訪れた芸者二名。あははは。差し出されたビールを一旦は断るも、皐月さんの挑発的な視線に一気飲みの女将さんってばどんだけ負けず嫌いなのか。そこから一気に四十万女の宴が開幕、ジュースで酔って潰れちゃう緒花がかわいい(笑
「四十万の女が一度や二度振られたくらいで諦める気かい?」
孝ちゃんに振られて荒れる緒花に女将さんのぶっちゃけトーク。ぶっちゃけすぎです! 五度目の正直を語って緒花にハッパ掛ける女将さんがかわいすぎて株価ストップ高ですよ。しかし緒花は「諦める」のではなく、「孝ちゃんの日常」と「自分の日常」が相容れないことに気付いた末の結論でした。男に合わせて自分を曲げることを良しとしない、恋より仕事の精神はさすが四十万の女であります。
「夢を見たよ。あんたがここを継いで、緒花もいて…」
キワキワアングルで潰れる緒花と共に潰れてしまった女将さんの呟き。すっかり酒に弱くなった「母親」が見た夢は、普段の気丈さと裏腹に母娘三代の生活を望んだものでした。気を張って喜翆荘を切り盛りしてきたけれど寄る年波には勝てず、気弱な本音をチラリと覗かせる。あれほど大きく感じた母親がいつの間にか小さくなっていた戸惑い、このテのストーリーでお約束の話ですが、おっさんはこういう話に弱いのです。ううう。
「いつまでも憎たらしい母さんでいてよ」
そしてこんな時だけ引っ張り出される縁さんは背中の母さんの軽さに戸惑い、階段を降りていく二人を見送る皐月さんの呟きもお約束ながらじんわり来ます。娘にがんばりを認められるようになっちゃ親はお終い、でも潰れた女将さんは聞いちゃいないし、皐月さんも「なーんにも聞いてない」から大丈夫です。
明けて翌朝、皐月さんは喜翆荘から出る際に緒花へ一通の封筒を手渡します。約束どおり書かれた喜翆荘のレポート記事は思いがけない大絶賛、「変わらないというイメージを人に与えるための変化」とは言い得て妙だなあ。淀まずに十年一日を守るのがいかに大変か。
逆に十年経てば人も入れ替わるし、残っている人も時と共に変わっていく。あれほど大きかった母親は小さくなり、あれほど小さかった娘は生意気になるけれど、喜翆荘の人々は「変わらないイメージ」を持ち続けるための努力を惜しまない。あれほど毛嫌いしていた実家を「暖かな居心地のいい旅館」と締めた皐月さんもまた「変化」しているのでしょうね。そんな絶賛記事をいつしか振り返って聞いていた女将さん。何だかんだで娘の評価を気にしている女将さんかわいい! てな様子を見つめる緒花は何を思うのか。
その後緒花は例の神社へ。皐月さんが来たことで自分の居場所を再認識し、自分の気持ちの整理も付いた。そして緒花は今までさんざん振り回してしまった孝ちゃんへ謝罪すると共に「じゃあな!」と別れの言葉を叫びます。これで本当に孝ちゃんの出番は終了?…とも思えないのでシリーズ後半でのさらなる泥沼に期待しきましょう(ひどい
次回は水着回? 菜子の水着は競泳水着!? それも良いけどせっかくだからビキニ姿を切望したい!
このところ出番が無かった結名も活躍しそうで楽しみです。
- 関連記事
-
- 花咲くいろは #15 マメ、のち、晴れ
- 花咲くいろは #14 これが私の生きる道
- 花咲くいろは #13 四十万の女~傷心MIX~
- 花咲くいろは #12 じゃあな。
- 花咲くいろは #11 夜に吼える
↓記事が役立ったら一票どうぞ。