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 「異能」ともいえる際立った能力や実績を持ち、まわりから一目置かれるエンジニアを1カ月に一人ずつ取り上げ、インタビューを掲載する。今月取り上げるのは「Yugui」というハンドルネームで知られる園田裕貴(そのだゆうき)氏。書籍「初めてのRuby」の執筆者であり、過去にはRuby 1.9系のリリースマネジャーを務めた。スケールアウト(現Supership)の初期中心メンバーの一人でもある。今回は、Rubyとの関わりやスケールアウトに参加したきっかけを聞いた。

(聞き手は大森 敏行=日経 xTECH/日経NETWORK

前回から続く)

 Rubyは2000年半ば、大学1年生の頃に趣味で触り始めました。バージョンが1.4の頃でした。高校時代からちょっとしたCGIを書くためにPerlを触っていました。そうした情報をいろいろ調べているうちに、Rubyといういい言語があるらしいという話を聞いたのです。

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 Rubyは割とすぐ手になじんだので、ちょっとしたスクリプトを書いたりテストデータを生成したりするのにはすべてRubyを使うようになりました。

 2003年くらいには、静的WebサイトのジェネレーターをRubyで書いて、自分のWebサイトをそれで作るようになりました。HTMLのコードをデータとして渡すと、クロスリンクを張ったり、目次を自動生成したり、メタデータを盛り込んだりしてくれるものです。

 それからは、言語の最初の選択肢がRubyになりました。今でも何かをちょっと処理しようと思うと無意識にRubyのコードを書いているので、ほぼ毎日書いていることになります。

Railsでシステムを書き換え

 大学院を辞めてアルバイトをしていた会社は、2年くらいで他の会社に吸収合併されました。合併した先の会社で正社員になりました。