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【映画】 『サバイバー: 生きるに値するもの』 タマにあるグロさが際立つ世界観!水がなくて生きていけるのか? | ネタバレあらすじと感想

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本作品は、中東の作品です。全体的な盛り上がりが無いのが少し残念では有ります。

ムーサとグルビンを迎え入れたことで事件が起こるのですが、しょっぱなから怪しすぎるムーサ。砦に迎え入れてもらったのに、なぜか砦のリーダー・シュワイブに喧嘩腰です。

そしてやたらとナイフの扱い方が上手すぎる。と思ったら刺されるシュワイブ。
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その場から逃走したムーサは瓦礫の下に隠していた袋を取り出します。袋の中身はロープや拳銃などです。嫌な予感がします。

そこからムーサによる恐ろしい試練の幕が開けます。まず給水槽が爆発し、仲間のアイドリースは死亡、ダウードは足を負傷します。おまけに貴重な水はすべて流れ出てしまいました。

 給水槽のバルブを回すと手榴弾のピンが抜ける仕掛けになっていたのです。ムーサ、意外としっかりした仕掛けを作っています。 

ダウードの手当てのために足を糸ノコギリで切り落としたり、熱したシャベルを押し付けたりと、痛々しいシーンが少しあります。

水を失ったイーサたちは、仲間割れを起こします。怪我をしたダウードを見捨てろと言うジャマール。冷静で頭脳派に見えたジャマールですが、追い詰められた状況で本性を表しました。怪我人を抱えてこの世界を生きるのは無理だというジャマール、仲間を見捨てたくないというイーサ、どちらの言い分もわかります。

ただ、ジャマールの態度の急変ぶりは見るに耐えませんでした。

 格闘の末、イーサがこの砦のリーダーとなり、ジャマールは砦の外に追放されます。

イーサたちは水を求めて砦の外に出発します。出発の際、イーサの頬にキスし、意味深に見つめるグルビン。これはフラグか?何を意味するかはこの時点では全く分かりません。 

廃墟でなんとか少量の水を見つけ、廃墟を後にする一行ですが、地面には落とし穴が仕掛けられており、ラヤは地下の部屋に落下してしまいます。そこにいたのは舌を切られて縛り付けられたジャマールでした。「また会おう」というジャマールの捨てゼリフがこんな形で実現してしまうとは。

 これもムーサの罠だったのです。舌を切るとはなんて酷いことを…。ジャマールがもう助からないことを悟ったイーサは、ジャマールを窒息死させます。喧嘩別れしたとはいえ、自らの手で殺めるのは辛い決断だったと思います。 

さらに地下室に火を放たれ、逃げ遅れたラヤが炎に身を包まれます。

最後の最後に、水の入ったボトルをイーサたちに向かって投げるシーンは気高く美しいものでした。 

廃墟から戻ったイーサを待っていたのは、シーソーのように組み上げられた飛行機の翼の先端に立たされている姉・マリアム。助けようと近づいたらマリアムの首が絞まってしまうし、ムーサと闘わないといけないし、生き残れるのはイーサかマリアムのどちらか1人という状況です。

給水槽にしても、ジャマールにしても、マリアムにしても、仕掛けがかなり凝っています。

どれも無慈悲なものばかりです。 

マリアムが自ら命を絶つのはなんとなく予想していましたが、やっぱり悲しいです。

ラヤもマリアムも悲惨な最期でした。彼女たちのように心優しい人間に生き残ってもらいたかったと思います。 

そしてグルビンの突然のタネあかし。

水探しに出発する前のキスは全く無意味ではなかったのです。

預言者によると、ムーサとグルビンは”ヤー・アレフ”と名乗る組織の一員です。

”ヤー“は「終わり」、”アレフ”は「始まり」を意味します。

”ヤー・アレフ”とは「終わりが来て、また始まる」という意味です。

ムーサがシュワイブを殺害した時、「俺はアレフであり、ヤーだ。始まりであり、終わりだ。価値のあるもののみ生き残る。」と言っていました。ムーサが言っていたのはこのことだったのです。 

人類は世界を破滅に向かわせます。

”ヤー・アレフ”の目的は、破滅した世界からまた新しい世界を創るために「生きるに値するもの、混乱した世界でも人間らしさを失わない強いものを探すこと」でした。

ムーサとグルビンは、イーサ一行がそのような「強いもの」であるかどうかをふるいにかけにやってきたのです。 

しかし、混乱した世界の中で”ヤー・アレフ”は次第に当初の目的を見失ってしまいます。

「人間らしさを失わない強いもの」ではなく「価値のあるもの」を探すようになっていったのです。たしかにムーサも「価値のあるもの」という言葉を使っています。

ラストシーンで「これは君(”ヤー・アレフ”)の物語だ。終わったのは君の世界かもしれない」というイーサの語りがあります。人々をふるいにかけ、優位な立場でこの世界を支配している”ヤー・アレフ”ですが、当初の目的を見失ってしまい、彼らの支配は終わりの時が近づいてきていると言いたかったのではないでしょうか。 

そして”ヤー・アレフ”の支配が終わった後、また新しい誰かが世界を支配します。

次に世界を支配するのはまた”ヤー・アレフ”のような組織なのか、それとも”ヤー・アレフ”によってふるいにかけられる側の人々なのか。 

ちなみに”ヤー・アレフ”がいる「マディーナ」というのは、メッカに次ぐイスラムの第2の聖地のことです。

預言者が登場したり、聖地が登場したりと、イスラム色が出ているのが興味深いです。もっと中東の知見が有れば見方は変わっていたかと思います。

それにしても、分かりにくい作品でした。



評価点   68点
お薦め度  66点


2016年  99分  アラブ首長国連邦/ルーマニア製作

 
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