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【映画】『フォー・グッド・ディズ』(2021年) 絶望の淵から再生への4日間。愛と信頼が織りなす、母と娘の感動のドラマ | ネタバレあらすじと感想

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映画『フォー・グッド・ディズ』の作品情報

【原題】Four Good Days

【監督・脚本】ロドリゴ・ガルシア

【脚本・原作】イーライ・サスロウ「How’s Amanda? A Story of Truth, Lies and an American Addiction」

【出演】グレン・クローズ、ミラ・クニス、スティーヴン・ルート他

【配給】ヴァーティカル・エンターテインメント

【公開】2021年4月

【上映時間】100分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】ドラマ

【視聴ツール】Netflix、吹替、自室モニター

キャスト

デブ:グレン・クローズ
モリー:ミラ・クニス
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クリス:スティーヴン・ルート
ショーン:ジョシュア・レナード
デール:サム・ヘニングス
リサ:マイケル・ハイアット

ネタバレあらすじ

本作、『フォー・グッド・デイズ』(原題:Four Good Days)は、薬物依存症とそれに直面する家族の絆をテーマにした感動的なドラマです。この映画は、実際の記事「How’s Amanda? A Story of Truth, Lies and an American Addiction」に基づき、薬物依存症の現実とその影響を深く掘り下げています。
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主人公のモリー(ミラ・クニス)は、10年以上にわたってヘロインに依存し、人生を破壊してきました。彼女は過去に何度もリハビリに挑戦するものの、失敗を繰り返し、家族との信頼関係も失っていました。しかし、ある日、モリーは母親デブ(グレン・クローズ)の家を訪れ、自分が本当に変わりたいと涙ながらに訴えます。疲れ果てたデブは、娘の言葉に懐疑的でありながらも、最後のチャンスとして彼女を受け入れる決断をします。
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モリーは、新たな治療法としての薬を受けるため、薬物が体内から完全に抜けるまでの4日間を過ごさなければなりません。この4日間は、モリーが自身の過去の悪循環を断ち切る覚悟を試される時間であり、同時にデブにとっても娘を信じるかどうかを模索する過程となります。
物語は、二人の視点を交互に描きながら進行します。モリーは自身の過去と向き合い、薬物に手を染めた経緯をデブに明かします。
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一方で、デブは娘の依存症が自分自身の子育ての失敗や家族関係の問題に起因しているのではないかという葛藤に苦しみます。母と娘の間には深い溝があるものの、二人は共に困難を乗り越えようとします。
4日間の間、モリーは何度も誘惑に負けそうになります。友人からの連絡や過去の記憶が彼女を苦しめますが、その度にデブが彼女を支え、共に戦います。デブ自身もまた、モリーが嘘をついていないか、薬物に戻る兆候がないかと絶えず疑心暗鬼に陥りますが、母としての愛情がそれを上回ります。
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この4日間は、モリーにとってもデブにとっても試練の連続です。物語の中盤では、デブが過去にモリーを見捨てたかのような瞬間や、モリーが家庭を崩壊させた行為が回想され、二人の関係性の複雑さが浮き彫りになります。しかし、それらの出来事を乗り越えた先には、親子の絆がより強固になる瞬間が訪れます。
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物語のクライマックスでは、モリーが治療薬を受ける資格を得るための試験に合格します。しかし、それがゴールではなく、新たなスタートであることを二人とも理解しています。モリーの道のりは決して簡単ではありませんが、母の無条件の愛と支えが彼女に希望を与えます。
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『フォー・グッド・デイズ』は、薬物依存がいかにして人間関係を蝕み、破壊するかをリアルに描き出すと同時に、回復への困難な道のりとその中で芽生える再生の希望を提示します。モリーの闘いは、単に薬物を克服するだけでなく、自身の尊厳と家族の信頼を取り戻すための闘いです。また、デブの姿を通じて、家族が支える側としての苦悩や責任、そして愛の力を示しています。
この映画は、薬物依存の影響を描くだけでなく、その中で光を見出す可能性をも伝える力強い物語です。

考察や感想

本作、『フォー・グッド・デイズ』は、薬物依存症という社会問題に焦点を当て、そこに絡む家族の葛藤と再生の物語を描いた感動的なドラマです。この映画は依存症患者とその家族が直面する現実をリアルに描き、観客に深い共感と考察を促します。
物語の中心にいるのは、長年薬物依存に苦しむモリー(ミラ・クニス)と、彼女を支える母親デブ(グレン・クローズ)です。彼女たちの関係は表面的には「親子の絆」と言えますが、その裏には疑念や怒り、罪悪感が渦巻いています。特にデブの視点から見ると、モリーの依存症が自身の育て方や過去の選択のせいではないかという思いに悩む姿が痛々しく描かれています。一方、モリーの立場から見ると、社会から孤立し、再起を試みるも常に過去に引き戻される苦しみが際立っています。これらの視点を交互に描くことで、映画は依存症が単なる個人の問題ではなく、家族全体を巻き込む複雑な問題であることを伝えています。
この映画のタイトルにも含まれる「4日間」は、モリーが治療薬を受けるために薬物を絶つ必要がある期間を指します。この短い時間が象徴するのは、依存症からの回復が一朝一夕ではなく、小さな一歩を積み重ねる試練であることです。モリーにとってもデブにとっても、この4日間は希望と恐れが交錯する時間であり、依存症がいかに日常を支配するかを強烈に描き出しています。観客はその緊張感を通して、依存症の克服が単なる意志の問題ではなく、複数の要因が絡む複雑なプロセスであることを理解します。
また、グレン・クローズとミラ・クニスの演技は映画を一層引き立てています。グレン・クローズはデブの複雑な感情を繊細に表現し、母親としての愛情と絶望を見事に演じています。一方、ミラ・クニスは変わり果てた外見と内面の脆さを通して、薬物依存症の現実を生々しく体現しています。二人の迫真の演技が物語に説得力を与え、観客の心を揺さぶります。
『フォー・グッド・デイズ』が観客に問いかけるのは、「どこまで家族を信じ、支え続けられるのか」という難題です。デブが何度も裏切られながらも、最終的にはモリーを受け入れる姿勢は、家族としての責任と愛情の複雑なバランスを表しています。一方で、依存症患者に対する社会的な偏見や支援の不足といった現実も暗示され、個人や家族だけでは限界があることを痛感させられます。
この映画の教訓は、薬物依存症がどれほど破壊的であっても、そこに希望を見出す可能性があるということです。再生のプロセスは困難で、時には絶望的に思えることもありますが、小さな一歩や支える人々の存在が、克服への道を照らします。この映画は、依存症に関わるすべての人々へのメッセージであり、同時に愛の力を再認識させる作品です。

本作から得られる教訓

「依存症の克服は孤独では成し得ず、家族の愛と信頼、そして小さな一歩の積み重ねが希望への道を開く」




評価点   87点
お薦め度  90点


2021年  100分  アメリカ製作

 
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