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【映画】『アグリーズ』(2024年)近未来はBeauty(美)しか存在しない世界になる恐怖!タリーの行動を通じておかしい社会を変えていく!爽快! |ネタバレあらすじと感想

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◆映画『アグリーズ』の作品情報

【原題】Aglies

【監督】マックG

【脚本】ジェイコブ・フォーマン、バネッサ・テイラー、ウィット・アンダーソン

【出演】ジョーイ・キング、キース・パワーズ、ラヴァルヌ・コックス他

【公開】2024年

【上映時間】102分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】ドラマ、青春、アドベンチャー、冒険

【視聴ツール】Netflix

◆キャスト
タリー・ヤングブラッド:ジョーイ・キング
デイビッド:キース・パワーズ
ぺリス:チェイス・ストークス
シェイ:ブリアンヌ・チュー
ドクター・ケーブル:ラバーン・コックス

◆ネタバレあらすじ
本作は、2024年の映画『アグリース』ですが、美しさが絶対の価値とされる社会に生きる人々の葛藤を描いたサスペンスドラマです。外見に依存する社会の裏に潜む危険な計画と、その圧力に立ち向かう人々の物語が展開します。
主人公のタリー(ジョーイ・キング)は、美しさが強制される社会において、自らの意志ではなく社会のルールに従って美容手術を受けざるを得ない立場にありました。ぺリス(チェイス・ストークス)は、外見を強く意識して早く美しくなることを望んだ人物で、整形手術を受けた後は、美を維持するために反乱者を排除する役割を担います。
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物語は、タリーがドクター・ケーブルに利用され、反乱者たちの内情を探るスパイとして働かされるところから展開します。彼女は、ぺリスから「友人が反乱者たちに騙されている」と言われ、その言葉を信じて反乱者たち(スモークのリーダーなど)の元へ近づいていきます。彼らの実態を知る中で、タリーは次第に自分が信じていた美の世界の裏側を理解し始めます。
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タリーは反乱者たちとの接触を通じて、社会が強制する美しさの裏にある暗い真実を知ることになります。
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ぺリスが信じる美しさの基準は単なる外見ではなく、権力や支配の手段として利用されていることが明らかになります。しかし、タリーが反乱者たちの内情を知っていく中で、反乱者たちは全員捕らえられてしまいます。タリーは、自分がスパイとして働いたことが原因で、彼らが捕らえられたことに強い罪悪感を抱きます。
反乱者たちや騙されたと聞かされていた友人 を救うために、タリーは自ら美しさを基準とする社会に再び入り込み、彼らを助けると申し出ます。彼女は、美しさだけが全てだとされるこの世界に逆らい、自分自身の価値観を見直しながら、反乱者たちを救出しようとする決意を固めます。美の世界の圧力に耐えながらも、彼女は内面的な強さと本当の正義を求めて奮闘します。
映画のクライマックスでは、タリーが社会の中で自分の役割を利用し、友人や反乱者たちを救うために奮闘します。彼女の行動は、美しさの価値基準を強制する社会への挑戦であり、外見に縛られない自己の価値を再確認するものです。
『アグリース』は、外見に執着する現代社会の風刺であり、外見に囚われずに自分自身を大切にすることの重要性を訴える作品です。タリーの決断と成長を通して、観客は本当の美しさとは何かについて深く考えることができるでしょう。

◆考察と感想
映画『アグリース』は、現代社会が抱える美の価値観に対する鋭い批判と、個人の自己価値を探る物語です。この作品を通じて、観客は「美しさとは何か」「外見が全てなのか」という根本的な問いに直面させられます。
まず、この映画で重要なのは、外見に対する執着がどれほど深く社会に浸透しているかという点です。タリーやぺリスといった登場人物は、美しさが成功や幸せの象徴であり、外見を変えることで人生が変わると信じています。しかし、映画が進むにつれて明らかになるのは、外見を整えることが人間の本当の価値を決定するわけではないという事実です。このテーマは、現代のソーシャルメディア文化とも深くリンクしており、外見が人々の幸福や評価を決定づけるかのような風潮に対する批判を感じます。
タリーはこの美の基準に強制的に従わされ、整形手術を受けざるを得ない立場に追い込まれます。しかし、彼女は自らの選択ではなく、制度や社会の圧力によって手術を強要されているという点がポイントです。これは、私たちが生きる現代社会においても、多くの人々が外見に対する社会の期待に応えようと無理をしている姿に通じるものがあります。タリーが反乱者たちとの出会いを通じて、自分の内面と向き合い、美の基準を疑い始めるプロセスは、観客にとっても自己評価の再考を促すきっかけとなるでしょう。
ぺリスのキャラクターもまた、物語のもう一つの重要な側面を担っています。彼は、外見を変えることで成功を手に入れ、美しい容姿に固執するあまり、反乱者を排除する側に立ってしまいます。彼の行動は、美しさの基準に従うことで得られる一時的な満足感や社会的な承認に対する強い依存を示しており、これは現代の「見た目至上主義」に対する警鐘でもあります。しかし、タリーとの関わりを通じて、カーティスもまた次第に自分の信念に疑問を抱き、内面的な価値観を再評価するようになります。彼の成長は、美しさの基準に縛られることの無意味さを示し、自己の内面を見つめる重要性を強調します。
また、タリーが最初はぺリスに利用されていたものの、次第に反乱者たちの実情を理解し、彼らを助けるために自ら行動を起こす姿は、彼女の強い意志と成長を象徴しています。最終的に彼女が美しさを基準とする社会に反旗を翻し、友人や反乱者を救うために立ち上がる場面は、彼女が単なる犠牲者ではなく、社会の価値観に対抗する主体的な存在へと変わったことを示しています。この変化は、タリーが自分の内面の強さに気づき、外見にとらわれずに本当の自分を受け入れるプロセスを象徴しています。
本作、『アグリース』は、美しさに対する社会的な期待や外見の重視に対する批判を中心に展開しながら、観客に「本当の美しさとは何か」という問いを投げかけます。この作品を通じて、現代社会における外見に対する執着や、それに伴う個々人の葛藤が浮き彫りになります。そして、外見だけにとらわれず、内面を見つめ直し、自分自身を受け入れることの重要性が強調されています。
全体的に『アグリース』は、視覚的にも感情的にも強烈なメッセージを持った映画であり、観客に外見に対する価値観の再評価を促す作品です。この映画は、外見が全てではなく、内面的な美しさや強さこそが人間の本当の価値であるという普遍的なメッセージを伝える点で非常に意義深い作品だと言えるでしょう。




評価点   78点
お薦め度  78点


2024年  102分  アメリカ製作

 
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