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【映画】『ディスクワイエット』(2023年)今見えているのは夢想か現実か?幾層にもなった世界が私たちを混乱の世界に引きずり込む! | ネタバレあらすじと感想

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◆映画『ディスクワイエット』の作品情報

【原題】Disquiet

【監督・脚本】マイケル・ウィニック

【出演】ジョナサン・リース=マイヤーズ、ラシェル・グールディング他

【配給】イオンエンターテインメント

【公開】2023年

【上映時間】85分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】サスペンス、スリラー

【視聴ツール】Netflix、吹替

◆キャスト
サム:ジョナサン・リース=マイヤーズ
モニカ:ラチェル・グールド
ルーク:エリック・イーソン
ヴァージル:ギャリー・タイガー
マーガレット:タチアナ・サンティアゴ
エイミー:アニタ・ブラウン

◆ネタバレあらすじ
2023年のアメリカ映画「ディスクワイエット (Disquiet)」は、主人公サム(ジョナサン・リース=マイヤーズ)が交通事故で病院に運ばれるところから始まります。
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事故後、サムは病院で目を覚ましますが、すぐに異常な状況に気づきます。病院は不気味なほど静かで、他の患者やスタッフの姿がなく、まるで時が止まったかのようです。サムは何が起きているのか理解できず、混乱と不安に包まれます。
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やがて、サムは自分がこの病院に閉じ込められているだけでなく、生と死の境界にいることに気づきます。彼はこの病院から脱出しなければならないと感じ、出口を探し始めます。途中でサムは、同じようにここに閉じ込められている他の数人の人物と出会います。彼らもまた、現実とは異なるこの奇妙な世界に迷い込んでしまったようです。
その中でサムが出会うモニカ(ラチェル・グールド)は、彼と共に脱出を試みますが、彼女も自分自身の苦悩と向き合っています。さらに、ルーク(エリック・イーソン)やヴァージル(ギャリー・タイガー)といった他の人物も、各々の理由でこの異世界に引き寄せられており、彼らの過去や罪が徐々に明らかになっていきます。
病院内では、彼らを脅かす何者かが存在し、常に恐怖と危険が彼らを取り囲みます。マーガレット(タチアナ・サンティアゴ)やエイミー(アニタ・ブラウン)などの他のキャラクターも加わり、次第に彼らはこの場所が単なる幻覚や悪夢ではなく、もっと根深い理由で存在していることを理解します。病院の中で彼らは、過去の過ちやトラウマに向き合わざるを得ず、それが彼らがここに閉じ込められている理由に関連していることが示唆されます。
ストーリーが進むにつれ、サムと彼の仲間たちは、この病院がただの物理的な場所ではなく、魂が浄化されるか罰されるための場所であることに気づきます。彼らが脱出できるかどうかは、彼ら自身がどれだけ自分の過ちを受け入れ、許されるかにかかっているのです。しかし、時間は限られており、病院の中で起こる不気味な現象や迫りくる危険に彼らは追い詰められていきます。
最終的に、サムは自分の過去に隠された秘密と向き合い、この異世界から解放されるための鍵を見つけることができるのか、そして他の仲間たちと共に生還できるのかが物語のクライマックスを迎えます。生と死の間の世界に取り残された彼らは、それぞれの心の中にある恐怖や罪悪感を乗り越えなければならないというテーマが、この映画全体を通じて描かれています。
「ディスクワイエット」は、緊迫感あふれるサスペンスと心理的な恐怖を巧みに組み合わせた作品であり、人間の内面に潜む恐怖や後悔、そして贖罪の可能性について深く掘り下げた映画です。

◆考察と感想
2023年のアメリカ映画「ディスクワイエット (Disquiet)」は、サスペンスと心理ホラーの要素が巧みに融合した作品であり、観終わった後に深く考えさせられる映画でした。物語の舞台となる不気味な病院は、単なる物理的な場所ではなく、登場人物たちの心の中にある過去のトラウマや罪と対峙するための舞台装置として機能している点が印象的です。この作品の主なテーマは「贖罪」や「赦し」といった人間の根源的な感情に迫るものであり、登場人物たちがそれぞれの過去とどう向き合うかがストーリーの中核を成しています。
主人公サム(ジョナサン・リース=マイヤーズ)が交通事故後に目覚めた病院は、まるで時が止まったかのように静まり返り、現実とはかけ離れた異世界を感じさせます。彼が出会う他のキャラクター、モニカやルーク、ヴァージルなども、それぞれが抱える深い過去の傷を持っており、この病院は彼らが自らの心の闇と向き合うための「浄化の場」であるかのように描かれています。この設定は、視聴者にとっても非常に心理的な緊張感をもたらし、登場人物たちの心の葛藤を共に体験するような感覚を引き起こします。
考察のポイントとして、映画全体を通じて描かれる「死後の世界」や「浄化のプロセス」は、どこか抽象的でありながらも、非常に象徴的なテーマです。病院は現実世界と死後の世界の狭間に位置しており、登場人物たちはこの中で自らの過去と対決することを余儀なくされます。これは一種の「煉獄」に近い概念であり、彼らがこの異常な空間から抜け出すためには、過去の罪を受け入れ、心の重荷を下ろす必要があるというメッセージが込められているように感じました。
また、映画が描く恐怖は単なる「外的な脅威」ではなく、「内面的な恐怖」である点も興味深いです。病院内で彼らを脅かす存在は、外部からの怪物や悪霊ではなく、彼ら自身が抱える罪悪感や後悔の具現化であるかのように描かれています。この内面的な恐怖は、観客にも共感を呼び起こし、物語に深みを与えています。特にサムが自らの過去に向き合い、その中で失ったものや取り返しのつかない出来事に苦悩する姿は、人間誰しもが持つ後悔や赦されたいという感情に直結しているため、非常にリアルで感情的なものとして映りました。
感想としては、この映画はホラーやスリラーというジャンルに留まらず、人間の内面を掘り下げた哲学的な作品であると感じました。登場人物たちが過去の過ちと向き合い、それを乗り越えていく過程は、まるで「魂の浄化」のようなテーマを持っており、物語の進行とともに観客もまた、自分自身の過去や内面について考えさせられる瞬間が多かったです。特に、サムが最終的に自分の罪を受け入れ、贖罪を果たすまでのプロセスは、視覚的な恐怖を超えた心理的なカタルシスをもたらしました。
「ディスクワイエット」は、単なるホラーやサスペンスとしてのエンターテイメントを超えた、人間の心の奥底に潜む恐怖や罪悪感、そして赦しをテーマにした深い作品です。観客は単なるスリルや恐怖だけでなく、自分自身の内面を見つめ直すような感覚を味わうことができるでしょう。結末にかけての展開は多少抽象的な部分もありますが、それが逆に観客に多くの解釈の余地を残し、考察の幅を広げていると感じました。


評価点   80点
お薦め度  78点


2023年  85分  アメリカ製作

 
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