忍者ブログ
アジア連帯講座のBLOGです
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

七月末以後、パキスタンを襲った洪水による被害は、パキスタン全土に拡大し、被災者の数は二千万人という空前の規模に拡大している。

f

八月十九日、国連総会は、パキスタンへの支援に関する特別会合を開き、各国に追加支援を促す決議を採択した。その場で米国は六千万ドルの追加支援を発表し、米国の緊急支援額はすでに支出が表明された分と合わせて一億五千万ドル以上に達すると報じられている。

しかしこの対パキスタン国際支援は、アフガニスタンとパキスタンで展開している米国の「対テロ戦争」と緊密な関係があることは明らかだ。パキスタンのクレン外相は同会合で「テロリストと戦っている時に、そうした地域を洪水が襲った」「支援に失敗すれば、政府がテロとの戦いで得たものを損なうかもしれない」と語った。ここに米国政府とパキスタン政府の危機感が端的に表現されている。

こうした米国政府の強い意向を受けて、八月十九日に北澤俊美防衛相は自衛隊のヘリ部隊を国際緊急援助隊の枠組みで派遣することを決め、折木統合幕僚長に準備を指示した。この自衛隊ヘリ部隊のパキスタン派兵は、ハイチへの陸自中央即応連隊の派遣と同様に、「災害救援活動の軍事化」の流れをさらに一歩進めるものである。とりわけ今やアフガニスタンでの「対テロ」戦争の主戦場にもなっているパキスタンへの自衛隊派兵は、明確に米国の戦争に自衛隊を動員する方向をさらに推し進めるものだと言わなければならない。産経新聞は「主張」欄で、「陸自ヘリ部隊 なぜ『丸腰』の派遣なのか」と語り、「国際緊急援助隊派遣法」ではなく「PKO法」に基づく派遣であるべきだ、と煽っている。

被災したパキスタンの人々への支援が国際的に緊急の課題であるのは当然である。緊急の財政支援も必要である。しかし、そのために何よりも求められているのは対外債務と米国主導の「対テロ」戦争によって完全に財政破綻に陥り、住民への必要な支援もままならないパキスタンの対外債務を帳消しにし、外国の債権者への金利支払いと戦争のために使われる予算を住民の支援に充てることではないのか。それは発表された「緊急支援」の総額をはるかに上回る額に達するのである。

以下のパキスタンの仲間たちによる「債務支払い拒否」の呼びかけは、きわめて時宜にかなったものであり、草の根からの緊急支援とともに各国政府に対してパキスタンへの「債務放棄」を求める要求を広げていく必要がある。(K)



……………

インターナショナル・ビューポイント August 2010
http://www.internationalviewpoint.org/spip.php?article1910

洪水に直撃された地域の救援と復興に充てるために、パキスタンは対外債務の支払いを拒否しなければならない


ファルーク・タリク

 労働者救援キャンペーンは、全国労組連合、女性労働者ヘルプライン、進歩青年戦線、パキスタン・フォー・パレスタイン(パキスタン・パレスチナ支援グループ)、CADTM(第三世界債務帳消し委員会)パキスタン、労働者教育基金、パキスタン・キッサン・ラビタ委員会などパキスタンの社会的・政治的組織のネットワークである。同組織は八月十三日にラホールのプレスクラブで記者会見を行い、アブドゥル・カリクとファルーク・タリクが、パキスタンは対外債務の支払いを拒否し、その金を洪水被災者救援のために使うべきだと訴えた。

 パキスタンは対外債務の支払いを拒否し、その金額を洪水に直撃された地域の救援と復興に充てなければならない。パキスタンは、救援と復興のために必要な巨額の支援をお願いするかわりに、国際金融機関、支援国やクラブに対して負っている対外債務の支払いを一方的に停止することを断固として宣言しなければならない。現在パキスタンの毎年の対外債務金利支払い額は、約三十億米ドルに達している。現在、五百四十億ドルに上るパキスタンの対外債務総額が増え続けている中で、金利支払いも同じ割合で増えていくだろう。これだけで洪水被災者の当面の救援に緊急に必要な金額のほとんどをまかなうことができる。

拍手[3回]

PR
HOME
ブログ内検索
カレンダー
07 2010/08 09
S M T W T F S
1 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15
22 23 25 26 27
29 31
カウンター
プロフィール
HN:
アジア連帯講座
性別:
非公開
自己紹介:
戦争と搾取、貧困と独裁のない世界を民衆の国際連帯でつくりだそう。

Eメールは↓こちら
[email protected]
アクセス解析
最新トラックバック

Copyright © [ 虹とモンスーン (だった場所) ] All rights reserved.
Special Template : CSS*TEMP
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]