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7月28日、千葉景子法相の死刑執行命令書へのサインのよって、二人の死刑囚の死刑が執行された。昨年9月に法相に就任するまでは死刑廃止議員連盟とアムネスティ議員連盟に所属していた千葉による死刑執行は、死刑廃止運動に対するとてつもない裏切りであり、許しがたい背信行為だ。満身の力を込めて抗議する。


▲死刑執行を発表する千葉法相(7月28日)

政権交代にともなって昨年9月に法相に就任した千葉に、それまでの法務官僚の「死刑のベルトコンベアー」化路線で行われてきたハイペースの死刑執行に歯止めをかけ、そして死刑廃止に向けた社会的提起と議論の喚起を開始することが期待された。

しかし、「足利"冤罪"事件」や「志布志"冤罪"事件」の発覚や冤罪の高い可能性が指摘される「袴田事件」の再審を求める世論の高まりという「死刑廃止に向けた社会的議論」を開始する絶好の機会に、千葉は「死刑執行命令書にサインをしない」こと以外何もしなかった。そして、「サインをしない」ことと引き換えに、千葉自身が求めていた代用監獄の廃止や「取調べの可視化」についても何一つ前進させようともせず、一方ではほとんど議論のないままに拙速に決められた「時効制度の廃止」に一切の異議を唱えることもなく、ズルズルと法務官僚の言いなりとなっていった。

そして、前回の死刑執行から丸一年となる7月28日の二人に対する死刑執行である。千葉は、死刑執行に際して自ら立ち会い、そして「死刑に関する根本的な議論が必要だとあらためて思った」などと記者会見で述べて見せた。そして、法務省内に「死刑存廃を検討する勉強会」を設置することと、東京拘置所の刑場をメディアに公開することを法務省に指示したという。

千葉が死刑執行に立ち会ったことをもって、「私たちの力不足で千葉一人に十字架を背負わせてしまった」、「千葉一人を責められない」とするような空気が、死刑廃止運動に関わる人々の一部にあるようだ。しかし、この千葉による死刑執行は、そんな「美しい話」ではない。

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