2017-06-28(Wed)

自衛隊を私物化した稲田朋美を育てたのは異常な安倍官邸

選挙の応援演説で、防衛大臣が 「自衛隊として 自民党候補を お願いします」 と言ったわけで、安倍内閣でなければ即刻総辞職ものである。

もちろん、安倍内閣は総辞職なんてしない。どころか、稲田防衛大臣の罷免すらしない。
なぜなら、安倍内閣はすでに死んでいる ゾンビだからだ。ゾンビは二度死なない。
理屈の上では死んでいるが、「俺は辞めない」と強く強くスピリチュアルに思い込んでいるために、ゾンビとして生き続けている。
政府の生命は生物学的な生命ではないから、選挙で政権交代するか、クーデターか革命で転覆するか、自民党総裁選で負けるか、本人が辞めると言わないかぎり、命が尽きることはないのだ。

そうなると、来年の9月までは、何が何でも、絶対に安倍政権は続くと言うことになる。
どんなにボロボロになろうが、支持率が一桁になろうが、安倍晋三は異常な宗教的な信念で首相を続けるだろう。

そして、来年の9月の総裁選を乗り切るために、拙速改憲案をうちだしてきた。
今年から来年にかけて、加計問題を誤魔化しきり、党内で「改憲までは」という既成事実をつくるための、私的な権力維持の道具として拙速改憲案を出してきたのである。



この改憲案に限らず、安倍官邸は、安倍晋三の個人的な権力維持のための実力組織と化している。
内閣情報調査室を核として、ブラックな手段で安倍晋三の独裁をゴリ押しする。

20170628-2.jpg その姿をつぶさに見て、学びながら安倍内閣の防衛大臣となったのが、稲田朋美だ。
もともと安倍晋三とは、非常に近いキャラクターであり、自分も将来あのようにやろうと心に決めていたに違いない。
そのような稲田が、自衛隊という軍事組織の指揮官となったのだから、「私の自衛隊」という妄想を抱いたとしても不思議はない。

稲田朋美は弁護士である。
法律自体は知っている。自衛隊員の政治活動を禁じる自衛隊法61条も当然よくよく知っている。
にもかかわらず、なぜ平然と「自衛隊として(自民党候補を)お願いします」 などと口にしたのだろう。
それは、「私の自衛隊」という妄想と誘惑を捨てきることができなかったからだ。

稲田発言の一番の問題点は 「として」 である。
「自衛隊のみなさんにお願い」 であれば、自衛隊員も投票だけは禁止されていないので、ギリギリセーフと言えたかもしれない。
(それも大臣の立場を利用して部下に強要しているわけで、大いに問題だが)
しかし「自衛隊として」 というのは、 「自衛隊を代表して」 「自衛隊の全隊員がそろって」 自民党候補をお願いする という意味だ。全国の自衛隊員は、自分の知らないうちに大臣によって自衛隊法61条違反の状態にされてしまったのだ。

その問題を理屈ではわかりながら、「自分=自衛隊」という、権力を私する欲望に勝てなかったのである。

文科大臣が、「全国の教職員を代表して 自民党候補をお願いします」 と言うのと、理屈はおなじことだが、自衛隊の場合は、さらに問題が大きい。
なぜなら、自衛隊は軍事力だからだ。軍事力を、特定の政治家や政党のものにすることを、なんと呼ぶか。
平和ボケした日本人はぴんとこないかもしれないが、世界は 「クーデターの準備」とみるはずだ。

クーデータとは、つまるところ軍隊を誰が掌握するか、という問題だ。
ある特定の勢力によって軍隊が動かされるようになると、クーデターは目前である。
稲田朋美は、安倍官邸よりもさらに強力な、自衛隊を実力組織とした独裁体制を夢見ていたのだろう。
だから、自分の発言を 「自衛隊として」と言ってしまう誘惑に勝てなかったのである。


20170628-1.jpgさすがのマスコミや、自民党内の反主流派も、安倍官邸の異常な独裁体制と、それをささえるスピリチュアルな世界の異様さを感じ始めている。
自民党内ですら まったく言葉が通じない。共通の常識が通じない。
まさに、ホラー映画を見ているような恐怖感を感じているはずだ。

何年も前からその恐怖を感じてきた私に言わせれば、「遅すぎるんじゃ あほー」 てことだが、2012年からの5年間でその異常さは急速に増していることもたしかだ。
そして、6月19日のあの会見という名の独演会で、その姿はあらわになった。

今から数年間は、このバケモノと化した安倍晋三は、批判と呪詛の声を喰らい、養分として貯め込みながら悪事のかぎりをつくすことだろう。
これまでの安倍政権は、アメとムチだった。アベノミクスで(見せかけだけは)アメを、その裏で戦争と弾圧の体制を着実に作り上げてきた。
しかしこれからは違う。もはや、最凶悪なレームダックとなった安倍政権は、後のことなど考えずにやりたいようにやる。

それは、わかりやすいという意味でもある。
ただただ、バケモノを怖がるのではなく、その正体が明らかになったことを、むしろ歓迎する。

これから私たちが絶対にやらなければならないことは、ただひとつ。
このバケモノに 取って代わるものを この世に登場させること。

安倍政権への恨みの声を拾い集め、「なんとかしてくれ」という期待を受け取る勢力を登場させられないとき、絶望の洪水は悲劇的なファシズムへと突入する可能性が高い。
国民の信用を根底から失った民進党を解体し、新たな野党の形を作り出すことが焦眉の急である。

数の寄せ集めではない。
国民の呪詛と期待を、しっかりと受け止められること。その根性があること。
そのハードルを越えた勢力が一定の数集まることができるかどうか だ。




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自民党長老会議は健在?

自民党長老会議というモノがあった気がします。内閣總理大臣経験者の集まりだったと思いますが,そこで安倍・創価学会政権の行く末も話し合われるのではないでしょうか。それとも,なくなってしまったのでしょうか。
(最近ニュ-ズで見ませんが)

No title

イナダは、確か司法試験に受かって、弁護士になった人では無かったのか。

何れにしても、今や、この国は、法「痴」国家なので、憲法以下の法令等は、無きに等しい状況なのです。

そもそもアベの関わる森友、加計、等の事件では、普通に考えると刑法の第二十五章汚職の罪の各条に定める処に該当する疑いがある訳です。

これ等各条に定める罪で言う処の「賄賂」とは、判例に依れば、単に金銭のみを言うのでは無くて、凡そあらゆる物質的利益・精神的利益を含み、経済上の価額を有することも不要です(参照 実務刑事法Ⅱ「刑法各論」警察時報社)。

小学校の名称にアベの名を入れることも名誉なことであり賄賂になるでしょうし、ご夫人が名誉校長に就任されたことも同様でしょう。 籠池氏が一市民を名誉校長に戴くことが無く総理夫人を名誉校長に戴いたことは、何等かの見返りを期待されてのことであった、と思うのが当然であり、森友以外の私学も同様であることでしょう。

加計の事案では、資産家のお友達が、従来からゴルフ等の接待でアベを遇していたのを、単なる友情からのものと見るのは聊か一般常識に欠けるものと言えるでしょう。 普通に一般の俗事に馴れた大人ならば、見返りは何か、と疑うものです。

即ち、近時のアベが関わる一連の事件は、いわゆるサンズイの疑いがあるものなのです。

でも、イナダは、無能の罪でしょう。 同盟国の狂犬マチスも無能者と喝破したらしいので、トランプ大統領の逆鱗に触れない中に解任されれば如何でしょうか、と申し上げたいものです。
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