ミニ特集:文化と植物の共演 その2
『品種改良の日本史 作物と日本人の歴史物語』
『世界史を大きく動かした植物』
『野菜探検隊世界を歩く』
『納豆の起源』
『バナナと日本人 フィリピン農園と食卓のあいだ』
『品種改良の日本史 作物と日本人の歴史物語』
鵜飼保雄・大澤良 編 悠書館
●イネ コムギ オオムギ トウモロコシ ソルガム アワ ソバ ダイズ ジャガイモ サツマイモ テンサイ サトウキビ トマト イチゴ アブラナ科作物 ネギとタマネギ ブドウ カンキツ類 リンゴ チャ バラ… 各章立てで専門家、栽培当事者さんたちが語ってくれるのだ。
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『品種改良の日本史 作物と日本人の歴史物語』
『世界史を大きく動かした植物』
稲垣栄洋
PHPエディターズ・グループ
●要領よい歴史ネタのエッセンスが、植物学の裏打ち補強込みでよどみなく語られて爽快な読みごこち!
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『世界史を大きく動かした植物』
『納豆の起源』
横山智 NHKブックス NHK出版
●日本各地での微細な食文化が急速に瓦解して途絶していったように、世界各地の微細な食文化も急速に絶滅していっている。多くは記録さえも残さずに消え失せるため、この世界には膨大な「未解明の謎文化」の荒野が広がることになる。
研究者さんの各国現地調査や体験譚が、たっぷり糸をひく美味しさの粘り本。
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『納豆の起源』
『バナナと日本人 フィリピン農園と食卓のあいだ』
鶴見良行 岩波新書 岩波書店
●フェアトレードのような発想が普及する以前の、高度成長期の1980年代に記された、近代日本とバナナ生産国との経済文化史。
日本が大量に輸入する関係で交配する農園、アメリカ資本に翻弄される生産国…
今日、バナナを食べているのは日本の私たちであり、これを作っているのはフィリピン人労働者だ。だが、バナナ農園を支配する4社のうち、3社は米国資本である。かれらは、バナナ植付け面積のほぼ8割を支配している。
デルモンテはどうやってフィリピンに8000ヘクタールもの土地を確保したのか。同社は、米軍に働きかけ、ここを海軍基地として指定させ、海軍から土地を租借するという形をとった。
つまり高原に海軍基地ができ(!)、そのなかに私企業のパイナップル農園ができたのである。
バナナは一年中コンスタントに穫れるのに、日本の需要は季節によって大きく変動する。そのため日本の需要期の3〜6月に生産が最大になるよう、無理にバナナ畑を掘りかえして、新しい苗を植えつけるのである。
フィリピンのミンダナオ島では、「高地栽培バナナ」という名前で多国籍企業が大規模プランテーションを展開している。輸出先はほぼ日本。ブランド名は以下の通り。「スウィーテオ」「極撰」(以上、ドール)、「甘熟王」(スミフル)、「ハイランドハニー」(デルモンテ)、「プレシャス」(チキータ)
— オイシックス・ラ・大地 藤田和芳 (@DWMK_fujita) 2018年5月22日
ちなみにココナッツ庁はあるぞ。バナナはドールやデルモンテなど、外資系企業が殆どの流通を握っているのが現状。それに対してココナッツはWW以前から地元の農家が続けてきた伝統的な農作物だから、フィリピンは国をあげて世界へ自国産のココナッツを発信するためにココナッツ庁を設けているのだ。 https://t.co/L40tDBJSD0
— 新井リダンダンシー (@pizza_mot) 2017年3月5日
東南アジア諸国の現地生産者とのフェアトレードについては、
『エビと日本人 2 暮らしのなかのグローバル化』
が勉強になる。
岩波の「バナナと日本人」読んでりゃ意識高い学生でいられた90年代
— ちー (@chaky_paw) 2018年5月17日
『バナナと日本人』(鶴見良行 岩波新書 '92)。フィリピン農園から多国籍企業を経由して日本の食卓までたどり着くさまを、これでもかと丁寧に記録したルポ。出版されてから35年になるけど、今はどうなんだろうか。てか、アメリカって、やっぱ強かだわ。
— ジュニトー (@junitolfc) 2018年2月27日
おまけ
民族植物学ノオト第9号(2016)
『 インド起源雑穀の論文特集 』
古代インドの農民は、雑草の近縁種から6種のキビを栽培していた。
インドの雑穀は、東インドの湿潤な水田から南インドのデカン高原の乾燥した陸稲に移行する過程で栽培種化されたものである。
『ミニ特集:文化と植物の共演 その1』
『ミニ特集:植物の文化史 梅』
『ミニ特集:農作をしてみる本 その2』
『ミニ特集:農作をしてみる本 その1』
『ミニ特集:農作と土』
『ミニ特集:植物を科学する本 日本 その4』
『ミニ特集:植物を科学する本 日本 その3』
『ミニ特集:植物を科学する本 日本 その2』
『ミニ特集:植物を科学する本 日本 その1』