慈善バザー会場の火事 - アルセーヌ・ルパンの脱獄(1-3)
以下のブログで、1897年にパリで起きた慈善バザー会場の火事をイラスト入りで報道した「プチ・ジュルナル」が紹介されている。
FIGURALIA
http://d.hatena.ne.jp/kazumichi_h/20100302/1267500727
紹介されているGallicaの画像。慈善バザー会場の火災を伝える1897年5月16日の1面。
http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k716226w.image.r=petit+journal.f1.langFR
慈善バザーの火事は「怪盗紳士ルパン」の「アルセーヌ・ルパンの脱獄(1-3)」で名前が出てくる。多数の女性が犠牲となった火事は大いに話題となり、「プチ・ジュルナル」はこのように臨時特集号を発行した。犠牲者のうちもっとも高名な女性がオーストリアの皇后“シシィ”(エリザベート)の妹・ダランソン公爵夫人だろう。フランス大統領はただちにオーストリア皇帝に弔電を打った。
ジャン=クロード・ラミのパシュティーシュ的著書では、火事に1章を割いていて、ダランソン公爵夫人が画家としてのルパンのパトロンということになっている。
火事の原因はシネマトグラフ(映画)の上映技師の過失によるものだった。女性が多く犠牲になった要因として、長い裾やコルセットという女性の服装が、速やかな行動を阻み、多くの女性たちの逃げ遅れを生んでしまったと結論づけられている。20世紀になって、女性はコルセットから解放される。
□参考文献・参考サイト
山口昌子『シャネルの真実』新潮文庫、2008年
ジャン=クロード・ラミ『アルセーヌ・リュパン 怪盗紳士の肖像』大友徳明訳、東京創元社、1986年
2009-02-09 - FIGURALIA(慈善バザーが開催されたジャン・グージョン通りのストリートビュー)
http://d.hatena.ne.jp/kazumichi_h/20090209
メリエスが牽引した、映画の19世紀末:時計仕掛けの「昭和館」:So-netブログ
http://fcm.blog.so-net.ne.jp/2009-10-07
DSpace at 愛知教育大学: 西欧諸国におけるリュミエール映画の受容 ―シネマトグラフの世界的浸透<その1>―
http://repository.aichi-edu.ac.jp/dspace/handle/10424/2325
Sophie-Charlotte en Baviere - Wikipedia(フランス語。ダランソン公爵夫人)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Sophie-Charlotte_en_Bavi%C3%A8re
直接関係がないが、シシィという愛称について。
なぜエリザベート→シシィなのですか? OKWave
http://okwave.jp/qa/q3052597.html
エリザベートの愛称はなぜシシー?
http://www.onyx.dti.ne.jp/~sissi/sissi-episode10.htm
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