OTOTOYで販売しているようなハイレゾ・ファイルでの音楽聴取をメインにすると、必要不可欠になってくるのがネットワーク・オーディオの構築だ。だが、これがなかなか初心者には踏み込みにくい領域になる。スピーカーやアンプのような旧来のオーディオ製品のほかに、データ・サーバーやネットワーク・プレイヤーが必要。データ管理にはPCも必要だ。ルーターやLANケーブルなどもその品質が音質を左右するので、オーディオ製品の領域に入ってくる。そして、快適なリスニング環境を得るには何よりソフトウェアが必要になる。...…
昨年の暮れに本連載で提案した「59,800円ではじめる高音質デスクトップ・オーディオ・セット」は、予想を越える反響を呼んだ。1月末までの限定販売ということで、OTOTOYでの販売は先に終了したが、こうした提案をしたのは初めてだったので、刺激的な経験になった。もちろん、一般のショップではiFi audioのZEN DACもADAMのAUDIO T5Vも販売中なので、興味のある方は今からでも記事をチェックしてみて欲しい。 ...…
御存知の方がどれだけいるかわからないが、僕は2016年に『ヘッドフォン・ガール』(アルテスパブリッシング:刊)という小説を発表している。西暦1999年の東京で、主人公が祖父の遺品のなかから第二次大戦中のドイツで作られた幻のマイクロフォンを発見するところから始まるタイムトラベルSF的な物語だ。タイトルは主人公の出会う女性がいつもヘッドフォンで音楽を聴いているところから出てきたのだが、イラストレーターのへびつかいさんに描いてもらった表紙が上がってきたときに、思わぬ驚きがあった。そこに描かれていたヘッドフォンが…
''機材協力 : Sennheiser Japan, SONIC Agency Inc.'' ''写真(OTOTOYオフィス内の写真): 沼田 学'' 2020年はコロナ禍のために自宅で過ごす時間が増えた人が多いだろう。僕の場合は普段から家を仕事場にしている訳だが、それでもあらゆることがオンラインになり、デスクトップから離れられない時間が多くなった。その分、家で音楽を聴く時間も増えた。 ...…
''機材協力:ASUS JAPAN、Bluesound、iFi'' 聴きたい音楽をどのメディアで聴くか? 現代はその選択肢が多様化した。僕個人の音楽生活もまさしくそうで、OTOTOYでハイレゾの音楽配信を押し進めてきた人間だから、ファイルでしか音楽を聴かないかといえば、そんなことはない。アナログ・レコードで聴くことも、CDで聴くこともまだまだ多い。カセットでも聴くし、ラジオでも聴く。そして、昨今はストリーミング・サーヴィスでも聴く。方法が増え過ぎた気はするが、それぞれに良さがあるので、どれかを捨てるというこ…
気がつくと、所有するヘッドフォンの数が増えていた。以前はヘッドフォンといえば、スタジオ用の定番、ソニーのMDR-CD900STの一択。ヘッドフォンでの聴取は同じ条件でのモニター性を重視して、家でもスタジオでもMDR-CD900STと決まっていたのだが、昨今はシチュエーションによって、いろいろな機種を使い分けるようになった。家でのリスニング用には後面開放型のヘッドフォンを複数所有。外出用にはノイズ・キャンセリング機能の付いた密閉型を使う。が、より携帯性を重視する時にはイヤフォン型も使う。用途に応じて違うタイ…
どの部屋でも音楽を聴きたい。そのために僕は各部屋に何かしらのオーディオ・セットを備えている。自宅とスタジオ合わせると全部で10セットほど。リヴィングの大型スピーカー、ATC SCM100ASL(リンクは現行後継機種のATC SCM100ASL PRO)からキッチンのラジカセ、SONY ZS-M5まで大小様々。オーディオ・マニアの中には一組のハイエンドなシステムに全資金を注ぎ込む人も少なくないが、僕はいろんなシステムで音楽を聴くのが好きだ。機材も古いものから新しいものまで、いろんなものを聴いてみたいし、自作…
音楽の世界では近年、ストリーミング・サービスの成長がめざましい。2017年にはストリーミングは全世界で40%の売り上げ増を記録。日本でも売り上げは20%増となっている。Apple MusicやSpotifyなどで曲を検索して、すぐに聴くというライフ・スタイルが日常的になっている読者も少なくないことだろう。OTOTOYは音楽のダウンロード販売のサイトだが、実はサービスの中にストリーミングに近いものを含んでいる。iOSやアンドロイド用のOTOTOYアプリを利用してもらうと、OTOTOYで過去に購入した楽曲やフリ…
「健太郎さん、こんなの興味あります?」とある日、見せられたのがPAW Picoだった。 「何これ? DAP(デジタル・オーディオ・プレイヤー)なの?」。手のひらサイズとよく言うが、これはもう幼児の手のひらサイズだ。なのに、「DSD」と書いてある。ここまで小さいのにハイレゾ用なのか。もちろん、興味を惹かれない訳がなく、1台貸してもらうことにしたのが1ヶ月程前のことだった。 ...…
DAC(DAコンバーター)はオーディオ機器のなかでは新しい部類になる。一般の音楽ファンまでが単体のDACを購入するようになったのは、この10年くらいのことだろう。僕はといえば、1990年代からスタジオで録音機材としてのDAコンバーターには数多く触れてきた。APOGEE、DCS、AVID、LAVRY、RME、TEAC、YAMAHA、KORG、ROLANDなどなど。そして、この数年はといえば、たくさんのコンシューマー用のUSB DACを使うようになった。その数は他のオーディオ機器を圧倒する。...…
いまやヘッドフォンやイヤフォンでの音楽の視聴がスピーカーよりも身近という人も少なくないだろう。いわゆる音楽のリスニングだけでなく、スマフォやタブレット端末、PCでの動画コンテンツなどの再生も含めて考えれば、もはやある意味でライフスタイルの一部分を担うモノになったといっても過言ではない。このたびOTOTOYにて紹介するのは、トランスフォーム・ヘッドフォン、TOON WORKSHOP THP-01。変形、そして脱着する外装といい、単なる機能性以上に+αな遊び心、そしてその音質にしても、まさに存在自体が、新たな価…
ASTELL & KERNのポータブル・プレイヤー、AK240を使い始めたのは2014年の春頃だった。このOTOTOYの連載では第3回、第4回の誌面を使って、かなり興奮した使用レポートを書いている。その後もAK240は愛用し続け、音質、機能ともにほとんど不満を感じることなく過ごしていた。AK240を超えるポータブル・プレイヤーは、少なくとも2、3年は登場することはないだろう、とも思っていたほどだ。...…