ストレスで性格が変わる?
ユキコ:「ケンジって付き合う前と変わったね」
ケンジ:「え、そう? どんな風に?」(やばっ、変なことしたかな・・・)
ユキコ:「うーーんとね、付き合う前は好青年!て感じだったけど、今はゴロゴロしてるネコみたいな感じかな」
ケンジ:「そういえば、俺、寝てばっかだもんな」(なんだ、怒られたわけじゃなかったんだ)
男と女の関係って、とっても不思議です。
付き合う前と付き合った後では、がらっと相手の性格が変わったように思える。
でも、当人は「前から変わらないよ」と思っている。
本人は変わったつもりがないのに、どうして相手から変わっているように見えるのでしょう?
■心理テストの軸
ちょっと話はずれます。
心理テスト、どうやって作っているかご存じですか?
心理テストの作り方の1つに、「軸を設定する」というやり方があります。
性格診断心理テストの解説を一度見てみてください。
この心理テストは2つの性格軸を使って分析をしています。
1つの軸は「自分軸/相手軸」
物事を考えるときに「自分はどう思うか?」から考えるか、「相手にどう思われているか?」から考えるか、という軸です。
もう1つの軸が「未来志向/現在志向軸」
「目的に沿った行動を取る(未来志向)」のか、「状況に応じた行動を取る(現在志向)」のかで、分類をしています。
心理テストを作るにあたって、他にもたくさんの軸があります。
「論理的/情緒的」「革新的/保守的」「技術権威志向/人間関係志向/結果志向」・・・
こういった軸を組み合わせて、心理テストが出来ます。
さて、様々な軸の中に、「ストレス」という軸も存在します。
ストレス自体は、性格を表すものではありません。
ストレスは、他の性格軸の特性の状態変位を司ります。
■ストレスの状態遷移
ストレスは大きく分けて4つの状態があります。
そして、それぞれの状態ごとに特徴が変わってきます。
ストレスの状態 | 解説 |
超低ストレス | やる気が全く発生しなくなります。 性格の特性が出にくくなります。 |
低ストレス | 性格の良い特性、悪い特性の両方が出ます。 緊張感が薄れているので、相手にまったり接するのには向いていますが、「格好良さ」「気品」といったものが出にくくなります。 |
中ストレス | 性格の良い特性が出やすくなります。 「自分軸」を持っている人であれば、人を積極的に引っ張っていけます。 「相手軸」を持っている人であれば、思いやりを示すことができ、周りの雰囲気を良くすることができます。 |
高ストレス | 性格の悪い特性が出やすくなります。 「自分軸」を持っている人であれば、自己中心的(自分の言うことに従わなければ怒る)になりやすくなります。 「相手軸」を持っている人であれば、依存症または自己中心的(常にかまってあげないといけない状態)になりやすくなります。 |
ストレスって、無ければよいと考えられがちですが、無ければないでやる気を失わせるものなのです。
夏休みにクラブ活動もしていない状態、、、と言えばわかってもらえるでしょうか。
ストレスが無くなると、ダラダラ過ごしてしまい、自分を奮い立たせるのが難しくなるのです。
このストレス状態が、恋愛に関係してきます。
■付き合いとストレスの関係
付き合って、時間が経つと相手のことを「変わったなぁ」と感じるのは、このストレス状態が変化するからです。
付き合う前、付き合ってしばらくの間は、ストレスが高い状態になります。
相手のことを知ろうとしたり、自分を良く見せたいと思ったりすることで、付き合う前から付き合ってしばらくの間は中ストレス状態になります。
このため、カッコイイとか、カワイイとか、気品があるとかそういう感覚を相手に与えるのです。
しかし、付き合って時間が経つと、お互いに安心感が生まれてきます。
この人は私のことをわかってくれるから、自分を出しても大丈夫だな、とお互いに思っていきます。
そうして、付き合って時間が経つと低ストレス状態になります。
このため、まったりした雰囲気は生まれますが、「気品」といった長所が見えづらくなるのです。
話はそれますが、女性が男性に常にお金を出すようになると、男性は超低ストレス状態に入りやすくなります。
男性にお金を渡しすぎるとダメというのは、男性のストレス状態を無くして、やる気が無くさせるからなのです。
ストレス状態によって、同じ性格の人でも表に出てくる特性は変わってきます。
相手のストレス状態を知って接していくと相手の行動の意味がさらに深く見えてきます。
心の奥に眠っている本音は、怒っているときも泣いているときも、笑っているときも同じなのかもしれません。
ただ、ストレスの状態によって表現が変わってくるだけなのかもしれません。
織田隼人 | この記事を友達に紹介する