2013年アニメアウォーズ!
2013年12月23日20時投稿
例年のごとく、「おちゃつのちょっとマイルドなBlog」のおちゃつさんからお誘いを受け、同Blogで開催されている「2013年アニメアウォーズ!」に参加させていただきます。
以下、項目です。
~2013年アニメアウォーズ~
・最優秀作品
・特別賞 (捨てがたいもの、大穴だったものなど)
・キャラ部門 (男性・女性それぞれ。性別不明の場合はお任せします。)
・OP部門 (映像込みの評価でお願いします)
・ED部門 (同上)
今年も「OVA・劇場部門」、キャラクター部門に関しては「人外部門」を追加、さらに五分や十分の短編アニメの急造に合わせて「短編アニメ部門」も追加設立していますw
また、受賞作のほかに次点作品を1つ~2つ追加でそれぞれ挙げています。
さてはて、今年の結果は…?
※最終話ラッシュですぐに記事がTOPページから消えるのもアレなので、年内冬コミ記事の下に表記するように調整しています(そのため本来の記事投稿時間と表記される投稿時間が違います)
冬コミに行かれる方は、『アニプレッション vol.6』もよろしくお願い致しますm(_ _)m
最優秀作品
『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』
(公式ホームページ)
2013年No.1アニメは何かと考えた時に真っ先に思い浮かんだのが『マジェプリ』だった。それは私がロボット物に対して人一倍強い思い入れがあることもあるだろう。ただ、売り上げの数字だけを観るものと違って個々人の評価と言うのは主観が入り混じるものだと思うし、仮にそういった主観を差し引いたとしても今年一年の中で、2クール半年間にこの作品が与えた良い影響と言うのは大きかったのではないかと思っている。
二十代後半の私がどことなく感じる「懐かしさ」。子供のころに観ていた、あのときのロボットアニメのようなワクワクとした形やヒーロー像。そんなものが凝縮されていた。
もちろん、ただ懐かしいだけじゃない。CGをふんだんに使ったロボットのバトルシーンというのは、どこかセル画(デジタル含むけど)を用いたバトルシーンに思い入れがまだ強い私にとっては違和感でしかなかったのだが、『マジェプリ』のバトルシーンはその違和感を感じなかった。それくらい良かったし、さらにいえばスピード感・疾走感というモノがさらにバトルシーンを盛り上げてくれた。
ちょっとだけ後日譚も欲しいところだし、まだ敵は残っているし決着もついていない。けれど、それでも2クールで「燃えた」感じが強く、ちゃんと物語もひと区切りついた。OP・EDなどの楽曲面も良く、特に後期のEDは女性キャラの声優さんで唄うアニソンのみならず、ちゃんと男性キャラの声優さんのアニソンもあって「萌え」だけをあざとく狙う感じじゃなかったのも好印象。
何より素晴らしかったのは、1話の面白さから失速していく感じが強い昨今のアニメの中で2クールながらほぼ常に右肩上がりで面白くなっていった点だ。無論、それこそ主観での評価でしかないが、これは他のアニメにはなかなかない点。
何か一つが突出して素晴らしいのではなく、シナリオ、絵、音楽、キャスト等すべてが高水準に纏まっていた最高の総合力を持っていた2013年ベストアニメだと思う。
次点は『はたらく魔王さま!』(公式ホームページ)を推したい。正直、『マジェプリ』と『魔王さま!』でどちらを最優秀作品に選ぶかは最後まで悩んだ。ジャンル・方向性がまるで違う作品なのでもしかしたら『魔王さま!』の方を推す人も多いのかな?
放送前はそんなに期待していなかったのだがとても良かった。原作のストックはあるはずだし、来年中に第二期か、第二期決定の一報をぜひ期待したい作品。
特別賞
『有頂天家族』
(公式ホームページ))
今年の特別賞は、『有頂天家族』を推させていただくことにした。京都南座がスポンサーに入っているという異例の作品で、京都各地がロケハンによって忠実に再現されているという「聖地巡礼」を視野に入れた作品の一つ。しかし、それ以上に作品が持っていた独特の雰囲気や空気感が素晴らしく、シナリオも良かった。しっかりと物語内で最大の謎だった「父親の死」についても明かされ、ライバル一家との戦いにも一応の終止符が打たれるなど物語の落とし所も良い。
言葉で言い表すのが難しいが、一言でいえば「お洒落な空気感を持つアニメ」かな。こういうアニメが出てくることは稀だけど、また出てきたら良いなと思う。
次点は『京騒戯画』(公式ホームページ)。
こちらも『有頂天家族』同様に独特のオーラや雰囲気、世界観に惹かれた。『有頂天家族』に比べると時系列順ではないストーリー構成や勢いを重視した作画は裏を返せば粗さもあるのでちょっと劣るかな、と言う感じ。それでも作品内で視聴者に伝えたいメッセージというものが、ちゃんと分かりやすくダイレクトに描かれているので中盤までの過去篇を乗り越えられればそのスタッフたちからのメッセージを受け取ることが出来るだろう。
劇場・OVA部門
『劇場版「空の境界」未来福音 / extra chorus』
(公式ホームページ)
今年はあります、劇場・OVA部門w やっぱり私の中で『空の境界』は強かったという印象がある。
『空の境界』としてもある種の集大成となるであろう作品。おそらくこれ以上、この作品で劇場版が作られることはないと思う。それを考えて、ストーリー的にも、描写的にも、作画的にも、これまでの全てが込められながら、それでいて出来得る限りシンプルに、分かりやすく、キャラが活きるように作られた形に監督やスタッフ、原作関係者含めての「愛」を感じることが出来た。
次点はなし。観ている絶対数が少ないっていうのもあるけど、あまり観終えて「良い」と思えたものはなかった。『まどマギ』を挙げても良いのかもしれないが、正直サプライズやインパクトが強いだけであんまり「良い」という印象はないし、かといって『中二病』や『あの花』は総集編っぽいイメージが強過ぎて、あんまり新作の映画って感じがしなかったし。
短編アニメ部門
『あいうら』
(公式ホームページ)
新たに設置させてもらった「短編アニメ部門」。現在、30分という枠(尺)のTVアニメが一般的な中でそれ未満の放送枠で放映しているアニメ(主に五分アニメ、その他十分アニメ、十五分アニメなど)を対象にしています。
というのも、短編アニメはその尺の短さや、そこから来る予算の低さ(があると推察される)のためなかなかこういう企画だと名前が挙がってこない。けれど、短編アニメの尺の短さや予算の低さを巧く利用したアニメもあるし、年々数も増えてきているのでせっかくならそういったアニメもこの機会に知って頂きたいと思って設立。
今年は『あいうら』を選ばせてもらった。理由? 太ももが素晴らしかった(爆 でも、これって大切。限られた時間や予算、労力の中では30分アニメ以上に「描くこと」「描きたいこと」をしっかりと見定めて描く必要があるのではないだろうか。そう考えた時に、『あいうら』は描きたいことがハッキリしていて良かったと思う。
次点は『ヤマノススメ』(公式ホームページ)。五分アニメとは思えないほどの高いクオリティは素晴らしかった。来年は第二期を、枠を十五分(それでも短編だけどw)枠に拡大して2クールで放映するので、今後の伸びにも期待したい。
最優秀キャラクター
男性キャラクター部門
『真奥貞夫』
(『はたらく魔王さま!』より)
男性キャラは毎年良かったキャラを見つけ出すことに困るのだが、今年は真奥貞夫一択だった。もちろん他にもたくさん魅力的な男性キャラはいたのかもしれないが、言動がしっかりしていたというか、主人公をちゃんとやりつつも中高生がハチャメチャするのではない感じが、私くらいの年齢になってくると主人公としても男性キャラとしても好感を抱くw
バイトをしながらの資金集め、バイト先とはいえ時間帯責任者を任されての責任感や部下の面倒見など、割と社会人として見習いたい部分も。
あっ、思いだしたらカツ・ドゥーン、食べたくなってきたwww
次点は『夏目 望』(『たまゆら ~もあぐれっしぶ~』』より)。
誰!? って言われそうだが『たまゆら ~もあぐれっしぶ~』のゲストキャラ(主人公の女の子の亡き父親の同級生)。ゲストキャラで登場回数ほぼ1回(1話)ながらその存在感は凄い。彼を含めての親父たちの同窓会的な部分と最後のセリフは哀愁があって良かった。
最優秀キャラクター
女性キャラクター部門
『姫柊雪菜』
(『ストライク・ザ・ブラッド』より)
数が多く、他の部門よりもさらに主観が入りやすい女性キャラ部門。今年は十月から放映している『ストブラ』のメインヒロインの雪菜を選出させてもらった。理由はただ一つ、「正妻力」の高さ。何を以って「正妻力」とするかはいろいろとあるだろうが、ちゃんとメインヒロインがメインヒロインとして(色んな意味で)仕事をしている。それがやっぱり大きいかな。
魅力的な女性キャラが多数登場することが当たり前なアニメの作品たちにおいて、メインがメインとして大きな仕事をし続けているというのはキャラクターにとっても作品にとっても大切なことだと思う。1クール目は大丈夫だったのでたぶん来年からの2クール目もメインヒロインとして仕事をしてくれることだろう。
その中でドンドン魅力を発揮してくれると信じている。
次点は、今年はなしで。次点に値するキャラがいないというよりは、他の女性キャラはドングリの背比べというか、あまり差がない感じが強い。例えば『超電磁砲S』の御坂美琴とか、『はたらく魔王さま!』の遊佐やちーちゃん、年末でいえば『アルペジオ』のイオナや『IS2』の各ヒロインたち、31日放映分を含めて良いなら『SAO』特別編がやるのでアスナなんかもランクイン出来るだろう。でも、それらで「じゃあ最優秀は決めたけど、それに比肩しうるほどのキャラは」と言われると、あんまりピンとこないんだよね……。
そういう意味で今年、「姫柊雪菜」というヒロインの突出した形は凄かったとも言える。
最優秀キャラクター
人外キャラクター部門
『チェインバー』
(『翠星のガルガンティア』より)
キャラクターとして今年一番際立っていた人外キャラだろう。作品の内容としてはあまり良かったとは思っていないが、最後の「くたばれ、ブリキ野郎!」のセリフに涙ぐんだ人も少なくないのではないか。CVを務めた杉田さんの声との相性も抜群で、何かとネタにされがちな杉田さんの声だが逆にそれを巧く利用したキャラクターだったようにも思う。
ちなみに厳密にいえば『アルペジオ』の“霧”のキャラは人外になるのかもしれないが、人の形をしているのでこちらにはカウントしていない。私の中で人外キャラというのは「人の形をしていないキャラクター」なので。
次点は『ももねこさま』(『たまゆら ~もあぐれっしぶ~』』より)。マスコットキャラはやっぱり印象に残る。
そういう意味では先の『アルペジオ』でも、キリクマはこっちにカウントしてあげるべきだったかもwww
最優秀オープニング
テーマソング部門
『ZERO!!』
(『はたらく魔王さま!』オープニングテーマより)
楽曲の良さはもちろん、その楽曲を活かすような爽快感ある描写、それらと本編との親和性の高さなどが高い水準で纏まっていた。序盤は完成版ではなかったが、それが緊急の処置だったのか、意図的だったのかはともかくとして、変化があるのも面白い試みの一つとなって、OPで飽きさせない工夫をしたのはなかなか。
次点は『ニブンノイチ』(『ガンダムビルドファイターズ』オープニングテーマより)。
理由は単純に、世界観の持つ疾走感や爽やかさのようなものが良く合っていたから。OPは(アバンなんて手法もあるが)これから本編に入っていくための加速補助装置。それを聞くことでその作品に対するテンションを高めていくわけだから、やっぱりノリの良い曲というのは王道であり、定石なんだなと思う。
最優秀エンディング
テーマソング部門
『ケセラセラ』
(『有頂天家族』エンディングテーマより)
エンディングの楽曲の良さはもちろん、30分の終わりごろからEDに入っていき、そこから約1分30秒のEDという一連の流れが素晴らしかった。あそこでの「余韻」というものが、最終的にはこの『有頂天家族』という作品が持つ独特の雰囲気や空気感を保ち、完結させる一因となった。
いろいろな意見はあるとは思うが、エンディングとは本編の余韻を楽しむものである、という持論がある私からすればその出来は今年随一だった。
次点は『Daisy』(『境界の彼方』エンディングテーマより)。一言で言うと「オシャレ」だった。下手にアニソンにせずに、しかも男性シンガーの曲で纏めた辺りはセンスの良さを感じた。EDの絵に関してはもう一つ、というところだったけど。
あとはエンディングでの工夫という意味では『アルペジオ』なんかも面白い試みだったと思う。
総評
昨年を「区切りの一年」と総括したわけだから、今年は「新たな一年」になると思って臨んだ2013年。一般的にはやはり『進撃の巨人』の大きな話題性から始まり、春期には『マジェスティックプリンス』『ガルガンティア』『ヴァルヴレイヴ』と三作同時にスタートし秋には『ガンダムビルドファイターズ』がスタート、来年も新作ロボットアニメが1月、4月でそれぞれ確定しているなどここ数年続くのではないかとさえ思わせるロボットアニメの再燃が私にとって大きなニュースであり、イベントだった。
そうした中でもコアな(と呼んで良いか分からないが)深夜アニメを見るファンにとっては、その手前の22~23時台のアニメの充実も大きな変化だったかもしれない。深夜アニメは、たいていが0時過ぎから始まるからそういう呼び方をしていたのであって、先に挙げた『進撃の巨人』や『ヴァルヴレイヴ』以外のロボットアニメ、さらに従来のファン層にとって絶大な人気を獲得した『はたらく魔王さま!』、『リトルバスターズ』なんかも22~23時台に放映されたアニメだ。
この時間帯のメリットはなんといっても社会人でもリアルタイムで観れる可能性があること、だろう。これより早いと仕事をしたり、学生でも塾やらバイトやら部活やらで観れないかもしれない。一方でこれより遅いと翌日に差し支えるので録画で済ましてしまうケースが増える。
そう考えると、この時間帯はとても観やすいわけで、その時間帯に(主にTOKYO MXだが)放映されるアニメの数が少しずつ増えてきたのはアニメファンとしては大きなところだ。
年間を通して見ると「良い」か「悪い」かの二極化が進んだようにも思えた一年だった。良く言う「普通」なアニメというのはあまりなくて、個人差はあるが「とても良い」か、「凄く悪い」かのどちらか。それだけアニメの作り手たちも、他の有象無象に自分たちの作品が埋もれないようチャレンジした結果なのかもしれない。(無論、そのチャレンジが失敗すれば視聴者から「凄く悪い」と言われてしまうのだけど)。
この2013年を総括して何かを語るとすれば「短編アニメが大きく飛躍した一年だった」と答えたい。
『てーきゅう』は短編ながら、というか短編だからなのか、第三期という長編になりつつあり、短編とは思えないクオリティの高さで視聴者を驚愕させた『ヤマノススメ』、スタッフのフェチのこだわりを存分に感じた『あいうら』、アニメでホラー系に挑んだ『闇芝居』、声優が原案のキャラを使うという冒険をした『ミス・モノクローム』など、それぞれが30分アニメ以上に限られた時間や労力の中でアイディアや特色作りにこだわりをもっているように感じた。
アニメとはOPとEDがあって30分で観るものである、という先入観や固定観念をきっと短編アニメはこの先崩してくれるだろう。ただの低予算アニメではないのだというところ感じることが出来たのは2013年最大の収穫だったかもしれない。
無論、だからといって30分アニメが急減することはない。むしろ、5分とか15分とかそういう短い中でも視聴者の興味と話題をさらっていく短編アニメの存在に、従来の30分アニメは強い刺激を受けてさらに発奮し進化をしてくれることにも期待したい。
その傾向もちゃんとある。『マジェプリ』や『アルペジオ』などCGを多用した作品の進化はその一つだろう。従来だとどうしても背景やキャラ画に対してCGが異質で違和感を生み出していたが、それがだいぶ減ってきたように強く感じたのが今年の作品たちだった。『アルペジオ』はキャラクターまでもCGで製作するほど。
そういった新たな試みから生まれたものが、きっと2014年、さらに2015年になった時に意味が出てくるのだと信じたい。
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御礼
さっそく記事読ませていただきました。
知らない作品もあったので参考になります。
確かに、今年はロボットアニメが多かったかも...。ガルガンティアは見ましたが最優秀のマジェプリは後回し組でまだ見てません。面白い作品だったようでまた後日見てみます~。
短編部門、あいうらですか。
個人的にはキャラデザの良さや水彩タッチの背景の綺麗さに感心したのと、EDのゆったりした曲が思い浮かびます。あとはやっぱりミニスカ&太ももですねw
早いもので、この企画ももう7回目になりました。
毎年参加していただきどうもありがとうございます。次回もありましたらぜひよろしくです。
ではでは、良いクリスマス&良いお年を~