アマガミSS 第24話
『絢辻詞編・最終章“ヤクソク”』
≪あらすじ≫
いよいよ創設祭当日。クラスメイトに媚びを売るような詞は、当日も変わらない。そんな彼女の様子にどこか疎外感を覚えた純一は、実行委員としての仕事もほどほどに学校を離れてしまう。脳裏に浮かぶのは、変わらないクリスマス・イヴのトラウマ。
「まだクリスマスは終わってねぇ」
そんな自分の背中を改めて押してくれたのは親友の梅原だった。
純一は、変わってしまった詞に今まで自分に見せてくれた全ての詞が好きだと告白する――
≪感想≫
10年後に始まり、10年後に終わる
アマガミSS最初のヒロインである森島はるか編のラストが10年後だったが、(メイン)ラストヒロインとなる絢辻詞編のラストもまた10年後と言う終わりを迎えた。また、よくよく思い返すと純一のクリスマスイヴのトラウマに真正面から向き合ってエンディングを迎えたヒロインも、はるかと詞くらいかもしれない(薫なんかも見方によってはそうだが)。そう考えると、最初と最後のヒロインの意図的な演出の統一にはシリーズ全体を見据えたプロット構築があるのだなぁ、と感じさせられる。
純一の心理描写ははるか編同様に見事の一言。前回語ったように、本作は原作にある同一ヒロインの複数ルートを複合してシナリオを構築しているわけだが、AパートはまさかのBAD ENDルートwww BAD ENDだと本当にああなります(ノ∀`*)アイター だが、それを巧く純一のトラウマと結びつけられたと思う。
クリスマスイヴにトラウマを持つ純一と、クリスマス(創設祭)に並々ならぬ想いを抱く詞。物語としては、はるか編以上に、純一と言う主人公にとって詞と言うヒロインはこれ以上なく対比となって面白い。さすがパッケージヒロインは格が違うw
そんな絢辻詞を表現するときに、やっぱり『色』と言うのがどうやら感想を見て回っても大きな要素だった。例えば、彼女が手帳を拾った純一を脅すシーンから、「黒い!」「黒辻さん」なんて言葉も多く見かけた。それと対比させるように、それ以前の彼女を「白」「白辻さん」と呼ぶのも目立った。
それを踏まえた上で話を進めて行くわけだが、今回の終わり方は原作にも10年後(と明言されていなかった気もするが)、結婚し一子を設けて創設祭に戻ってくるENDがあるのでこの終わり方は原作通り。会話の流れはアニメ本編に合わせたものに変わっているが、互いに「純一」「詞」と下の名前で呼び合い、妻に母親になったショートカットの詞の印象に驚いた方も多いのではないだろうか?
これこそが、絢辻詞と言うキャラクターの解答である。
ずっと他の編や詞編序盤で見せた優等生な“絢辻詞Ver.白”、他人を見下し損得勘定で行動する“絢辻詞Ver.黒”、創設祭を成功させるためクラスメイトに媚びを売る“絢辻詞Ver.無色”(どうして無色なのかは後述)と3つの顔を私たちと純一に見せて来た詞。
でも、白⇒黒⇒無色を経て再び純一の前に戻ってきた詞を、皆さんはどんな詞だと表現するだろうか? 純一を殴って罵倒したから黒? 純一の手当てをして大人しく色々語っていたから優等生っぽく白?
そのどれもピンと来ないであろうことは多くの方々が感じられたのではないだろうか。
そう、最初から詞は仮面なんて被っていなかったのだ。本人でさえ、「白い自分は仮面や猫を被っている」と思っているが、そんなことはなかった。
最初から絢辻詞と言う人物はずっと一人だった。
みんなの期待に応えたいと言う想いも、ちゃっかり損得勘定を計算している頭脳も、クラスメイトに媚びを売る演技も、クリスマスにはみんなに幸せになって欲しいと言う願いも、全部“絢辻詞”と言う一人の人間の引き出しの中にあったものに過ぎない。ただ、詞の場合はその引き出しから取り出されるものが、どれも突飛で優秀であるがために、別人格にすら見えてしまっただけなのだ。
そう言う意味では、純一の告白はズバリ的を射ていたのだ。彼は、詞が自分の引き出しから引っ張り出されてくる“どれか”ではなく、色々なモノが詰め込まれている“入れ物そのもの”を好きだと伝えたのだ。だから、詞はその言葉に思わず呼応してしまった。その結果として、今まで出し入れしていたモノは全て引き出しの中に戻って、今度はその引き出しそのものが表に出て来た。
そこには、白もなければ黒もない。まして色の無い無色と言うこともない。
そこにいるのは、純一の前でだったらどんな色にだって輝ける普通の女の子の絢辻詞だったに違いない。だからあの創設祭の後、そして10年後の詞は(無色とは別に)これと言って色を持たないのだ。だって彼女は白であり、黒であり、どんな色にだってなれるのだから。
さて、余談になるが、どうして前回ラストから今回Aパートに出現した詞を私が『無色』と表現したかと言うと、直感に過ぎない(ノ∀`*)アイター 白、黒と来て何か色を決めようかと考えたのだが、その中間である灰色(グレー)はなんか違う気がした。媚びを売っているからピンクかと思えば、そうとも思えない。
キャストを担当された名塚佳織さんの絶妙な演技分別もあって、白とも黒とも違う印象を受ける詞のイメージは、どことなく存在感が希薄に感じられた。白い詞のような優等生としてのオーラも、黒い詞のような策謀を張り巡らせるような威風もない。ただ、その場の空気にどこまでも溶け込むような、そんな透明さと存在の希薄さ。そんなところから、私は『無色』と表現してみたが、これを読まれている皆さんはどう感じ、皆さんだったらどんなカラーをあの詞に付けるだろうか?
本当ならここで詞が他のヒロインとは一線を画す、パッケージヒロインは伊達じゃない!ってエピソードを原作から引っ張ってきたいところだが、次週は1話限りの上崎裡沙編となるようなので、とりあえず控えておこうw
思い返せば、ずっと純一のクリスマスイヴのトラウマは語られてきたが、その真相が詳細に描かれ語られることはなかった。
どうして純一はそこまでトラウマを持つのか? その真相は何なのか? その真相と上崎裡沙と言う隠しヒロインはどう関わっているのか。それをここまで24話まで観て来た原作を知らない視聴者の方々には、堪能してもらいたい。
追記
ちなみにBlog巡りをしていたら「手帳の秘密やら何やらが明らかにならなかった」と言う感想を目にしたが、残念ながら原作でも完全に明らかにはならないので諦めて欲しい(原作で明らかにしないことなので、来年1月発売のエビコレ+版でもたぶん明らかにならないだろう)。
そもそも、何でもかんでも明らかになるとは限らない。一から十まで全部語ってくれるとは限らず、ある程度用意された要素からその真相を、各々に考える要素もまた必要な要素だ。
例えば、手帳の秘密はあの詞が思わず黒い部分になって純一を脅迫していたことや、彼女自身が自分で「学校に居られなくなるほど」と語っているわけだからそこから推して測るべきであるし。
ただ、姉(家族)との関係やそこに繋がる優等生の白い部分を出していた理由も原作では暗示されている。あくまで暗示であって、手帳ネタと同様、一から十まで丁寧に語ってくれているわけではないが。
※TBSでは明日17日深夜のエンタメ情報番組『アカデミーナイト』にアマガミSS最終話情報があります。
第25話(最終話)『上崎裡沙編“シンジツ”』
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NoTitle
全く触れなかったヒロインも有りましたからね。
>“入れ物そのもの”を好きだと伝えたのだ。
真っ直ぐ絢辻さんと向き合おうとした橘さんだけが彼女自身を見つけ出したのは必然だったのか。
まだ来週もあるんだなぁ・・・。やらなきゃいけない話だとは思いますけど。
>※
どんな扱われ方するんでしょうw怖いもの観たさで見るかな。