伝説の勇者の伝説 第19話
『行方知らずの恩知らず』
≪あらすじ≫
シオンやフェリスの言葉を切り捨て、ティーアと行くことを決めたライナは、森の中に隠された仮の宿舎に連れて行かれる。そこには、何人もの子供たち。彼らもまた、魔眼―――彼らの間では“神の眼”と呼ばれる特殊な瞳を持つ者たちだった。
一方、シオンはライナを“飼っていた”理由を捏造し、自らの腹心たちを言い包めるが、嘘を塗りたくった今の関係を前に、シオンは完全に孤独と化していた。
そんな折、ガスタークでは瀕死のスイを背負ってクゥが帰還。ガスターク王であるレファルにプロポーズされるほどの好意を寄せられ、たまたまその場に居合わせ、スイの口からライナ・リュートが活動していることを知り―――
≪感想≫
孤独に苛まれるシオン
Aパート冒頭で家臣たちにライナのことを説明したシオン、Bパート冒頭のクラウの言動が強く印象に残った。本来なら、本編で多用された『“化け物”とは?』『殲滅眼と忘却欠片の優劣』なんてのを検証するのも面白いのだが、それは次回以降でも機会があれば出来そうなので、今回は、シオンについて一つ検証してみようと思う。
時はBパート冒頭。
クラウは魔眼保持者の化け物たちの精神を“何も変わらない、何も変えられないと諦めた者たち”として卑下し、自分には化け物の気持ちは解らないと告げた。
では、今一番そのことを悔やみ、変えられないと諦めた精神を持っていたのは、誰だろうか? 本当に、それはライナか? それは違う。今回事あるごとに他者が断言していたようにライナはどんなに裏切られても最後は人間を愛し、孤独を嫌うのだ。人間と魔眼保持者の共存に疑問符を自問自答させながらも、その甘い幻想を捨てられない。その意味で、ライナは何も変わらないと理解しても、諦めることはしない。
だからこそ、今一番に諦めていたのは実は諦めを知らないライナではなく、シオンなのだろう。
変えたい、ローランドと言う国を変えたい。
その想いと、その原動力になったのは間違いなくライナだった。シオン自身が皮肉だと嘆いたように、彼は他の誰でもないライナに手を差し伸べて、着いてこいと告げたのだ。そこにシオン自身、どうしてライナにそこまで入れ込むようになったのかは明確に断言することは出来ないが、国を変えると言う熱い想いをライナだけにぶつけ、伝えたのは事実。
そのライナが、自分の下を去っていく―――他でもない自分自身の策のせいで。
独りになった時、シオンは『自分がライナの手を取れない理由はとっくの昔に解っていた』と漏らす。解っていながら、変えることが出来ず、変えられないと諦めていた。そんなシオンを当然知らないからこそ、上記で記したようなクラウの言葉は皮肉に聞こえる。だって、クラウの言葉は他ならないシオン・アスタールと言う人物を指す言葉でしかないからだ。シオンの前ではきっとシオンの為に命すら投げ出すであろう側近中の側近のはずのクラウですら、シオンのことを理解していないことになるのだから……。
シオンが家臣たちにした説明は実に適切だった。
最初からバレた時にはそう説明しようと考えていたのだろう、だからこそルーク・スタッカートにはそのような命令書を出していたはずだし、忌破り隊を結成させたはずだ。
なら、どうしてそれを最初から公に出来なかったのか、それをライナに伝えられなかったのか。
やり方はいくらでもあったはずだ。もちろん、今回のように家臣たちが二つ返事でシオンの言葉にうなずいたのは、これまでのシオンの出してきた成果があってこそで、いきなり公にしても反対されるのは目に見える。
それでも、シオンがライナを傍に置いておくのなら、最初から公にしておくのも悪くなかった。ライナには事前に全てを説明し、外部には『化け物すら飼い慣らす英雄王』として売り出せばいい。言いたいことがある輩には言わせて置いて、その実、内部ではライナと言う唯一無二の親友を自分の傍に置いて重用する。ライナには昼寝だけさせておいて、時折魔法技術を適度に広めさせたり、指南させたり、あるいは勇者の遺物に関する書物を出させて、異物捜しに出させても良かった。
でも、シオンにはきっとそれが出来なかった。
それは、ライナ・リュートと言う一人を寵愛し贔屓する行動だから。王として公明正大さを自他に求めるシオンにとって、それは大きな矛盾だ。
シオンとして大切な一人を寵愛するか、シオン・アスタール王として平等公平をよしとするか。
その二択で、シオンが後者を選んでしまった時点で、もしかしたらシオン自身が口にしたように、最初からこの結末は決まっていたのかもしれない。
一つ気になるのは、シオンが『ライナの手を取れないのは解っていた』と言うセリフが引っかかることだ。それは私が推察したように、シオンが王であることを選んだ故なのか、それとももっと別の理由があるのか。ずっと気になっている、シオンが王になる為にエリス家に入って行った時にエリス家の奥にあると言う“何か”を知ったから、シオンはライナの手を取れないと判断したような気さえする。
余談
キファ、これであっさり敵陣でスパイ容疑なわけだが、相手があのレファルなのでいまさらスパイ容疑の一つや二つ意味を成さないだろうな、と思ってしまう(笑 まぁ、問題はキファがライナと再会した時に、ライナとレファルのどちらを選ぶのか、と言う点だ。キファは、ライナの為にずっと旅をしていたわけで、それを好意を寄せられたからと言ってホイホイ寝返ってしまうようなキャラではないだろう、と信じてはいるが。
ただ、その伏線は出来たわけだ。ティーアとガスターク側の因縁、ガスターク側とライナの因縁、ティーアとライナが一緒に居る現状から、このまま行けばライナはガスタークとぶつかることになる。
尤も、その前にティーアを追い込んだリルとの戦いが次週ありそうだが。
第20話『絶望に埋め尽くされない心』
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