中東湾岸国の分裂の構図 GCC カタール断交
サウジとカタールの対立の構図は根が深いが、サウジが現在一番恐れているのは、隣接し、紅海を封鎖される恐れのあるイエメンでのシーア派のフーシ勢力の勢力拡大である。フーシ派は元々の北イエメンを占領下においており、サウジを筆頭にGCC(湾岸協力会議)が空爆や軍事支援して前大統領のハーディ派の勢力拡大を図っている。
そのフーシ派を支援しているのが、イランとされ、サウジはイランと断交するに至っている。サウジにはシーア派が15%程度おり、イエメンからフーシ派を追い出すことを主眼としている。空爆を続けるサウジであるが、サウジ空軍基地に弾道ミサイルが撃ち込まれたこともある。イエメンが分裂する前に所有していたものかどうか定かではない。カタールはイランと関係を持っている。
イランは米軍撤退当時、スンニ派とシーア派の戦いであったが、スンニ派の多くが原理主義のISに吸収され、周知のとおり超過激武装勢力となっている。
ただ、イラン・イラク以外シーア派は少ないが、スンニ派でも原理主義のイスラム同胞団やらワッハーブ派など多様、宗派内での抗争が起きれば、激しくなるのが歴史でもある。
早々に収拾を図ることが望まれる。
洗脳してしまう宗教ほど恐ろしいものはこの世にはない。
湾岸会議分裂(GCC) |
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カタール |
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サウジ |
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首長制 |
民主化 |
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王家の絶対君主制 |
非民主化 |
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米国との関係 |
米中央軍駐留 |
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米国との関係 |
良好 |
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↓ 支援・協力関係? |
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↓ 支援 |
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ハマス(親同胞団) |
(パレスチナ・武装勢力・議会進出) |
対立軸 |
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イスラム同胞団 |
(前エジプト政権) |
現エジプト政権 |
(軍事クーデター政権) |
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トリポリ政府 |
(リビア) |
トブルク政府 |
(リビア) |
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・イラン |
意思疎通 |
・イラン(シーア派)とは国交断絶済 |
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宗教 |
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スンニ派(ワッハーブ派)シーア派10%、キリスト教14%(国籍では95%イスラム教) |
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スンニ派(シーア派15%)ワッハーブ派をテロ組織視している |
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国交断絶国・非断絶国 |
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カタールとの国交断絶国 |
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カタール国交断絶不参加国 |
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サウジ |
湾岸 |
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オマーン |
湾岸 |
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UAE |
湾岸 |
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クエート |
湾岸 |
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バーレーン |
湾岸 |
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エジプト |
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モルディブ |
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イエメン |
(ハーディ派) |
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・カタール国民と大使館員等は14日以内に国外退去命令 |
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・断絶国はカタール・ドーハ行きの飛行機などすでに停止措置、ドーハ空港はハブ空港、大混乱か?断行国の上空飛行禁止措置。 |
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イエメン問題(分断状態) |
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フーシ派(シーフ派) |
イラン支援 |
泥沼の戦い |
ハーディ前大統領派 |
サウジ支援 |
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GCCで空爆等軍事支援(カタールも支援) |
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ほぼ元、北イエメン領域、サヌア拠点 |
紅海側占領(隣接するサウジにとって脅威) |
首都アデンなど占有 |
南のアラビア海側 |
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・GCCとしてカタールは約1千人の兵隊をハーディ派支援に送り込んでいる。 |
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イエメンにはアルカイダ(スンニ派)やIS(スンニ派)もテロ活動している |
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発端? |
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・UAEの放送局がカタールの放送局からハッキング、その情報を放送したとされる。そ野内容に激怒しての断行とされる。 |
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5月23日朝、カタールのタミーム首長は、シャマル兵役訓練所の卒業式での講演で、カタールがテロを支援していると不当な批判を受けているが、「ムスリム同胞団をテロ組織に分類したり、ハマスやヒズボラの抵抗運動としての役割を否定したりしている」ため批判は不適切だと述べたほか、「エジプト、UAE、バハレーンは反カタールの立場を見直すべきである」と主張したと報じた。また、「イランは、地域およびイスラムにおいて無視できない力を持っており、カタールは米国、イランの双方と同時に強い関係を築くことに成功している」と述べたとカタール国営通信(QNA)が報じたとUAEの放送局が報道。QNAはこの報道を全面否定、報道そのものをしていないとしている。 |
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・湾岸協力会議(GCC)内で以前から対立が続いていたことから、断交派は事前に打ち合わせ、一斉に断行したものと見られる。 |
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・米トランプは中東歴訪で、サウジとUAEににじり寄っていた。タイミング良し。 |
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現在イエメンでコレラ発生中、すでに7万人感染、600人死亡と報道あり |
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参考、アルジャジーラ記事、中東調査会記事などなど、
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