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GoogleのCEOはプライバシーの意義を理解していないらしい

FirefoxユーザーはGoogleよりもBingを――Mozilla幹部が呼び掛け - ITmedia エンタープライズ

こんな記事を発見。

まあ、もうこの時点でウワーって色々と書きたいことが浮かんでくるわけですけれども、そこはグッと抑えてまずは情報源であるとされるアーサ・ドッツラー氏のブログを探してみることに。ついでにそのテレビで放送されたというインタビュー映像も探してみよう。一応私もこうやって情報発信する身、嘘や勘違い、裏のとれないニュースを書いて世の中を混乱させる立場になってはいけません。



多分その情報源はこれですね。

Asa Dotzler: Firefox and more: if you have nothing to hide...

問題のインタビュー映像はこちら。上の記事からもリンクされています。

YouTube - Google CEO Eric Schmidt on privacy

うーん、確かに言っています。Wikipediaにはエリック・シュミット氏の写真も載っていますが、それと同じ人物のように見えます。うん、真実でしょう、きっと。



では、これの何が問題なのか?さあ、抑えていたものを開放しますよ。

俺は米国の市民ではないので米愛国者法の内容やそれの抱える問題を知りません。よってこれに関してはあーだこーだ言いません。問題はもっと根本の部分、「If you have something that you don't want anyone to know, maybe you shouldn't be doing it in the first place. (もし人に知られたくないことがあるなら、そもそもそんなことはしないべきだろう) 」と言ったことです。プライバシーというものの意義をこの人は完全に間違えています。

この言い方から、シュミット氏はプライバシー権を主張する人を「やましいことがある人」、プライバシー権の意義を「悪だくみをするのを国家の刑事システムから咎められない自由権」であると考えていらっしゃるのでしょうが、本来のプライバシー権ってのは、極めて大雑把な言い方になってしまいますが、「放っておいてもらう権利」ですよ。日本の東京地裁でも、いわゆる『「宴のあと」事件』において、「いわゆるプライバシー権は私生活をみだりに公開されないという法的保障ないし権利」「それはいわゆる人格権に包摂されるもの(注:憲法で保障されているという意味)」と判断されています(参考 : 「宴のあと」事件 第一審 (最高裁ではないのかというツッコミもありそうですが、この事件は後に和解が成立したためこれより上の判断は出ていません)

まあ、難しいことは抜きにしても、きっとあなたは善良な一市民でしょう。まず犯罪なんかには関わっていないと思います、が、やましいことがなくてもメールの内容をあえて公開したいと思います?私生活をあえてさらけ出したいと思います?それを拒否したことで「やましいことがあるんじゃないか」と疑いをかけられたとしたら、腹が立つでしょう。一家に一台「テレスクリーン」なんてイヤでしょう。ええ、それがごく自然な考えだと思います。だからプライバシーは、ごくごく当たり前の、普通の人々の為の権利なのです。良いも悪いも関係ないんです。それはとっくの昔に決着している議論です。

それと、プライバシーでなくて、なおかつやましいことでなくても、世の中に公表されると困ることってありますよね。企業の内部情報とか、お客さんの情報とか。他人 (法人も含む) の情報を管理する職務についている人はGoogleを使ってはいけないということになりますよ。

というわけで、根本的に考え方が間違っています。まあ、どういう意図でこの言葉を発したのか、全文を見ずに判断するのも危険かも知れませんが、こんな言葉が飛び出す時点でこの人の感覚が電気通信産業の経営者としてかなり危険であるのも間違いないでしょう。

俺にとってはGoogleアカウントで扱う内容はやましいことがあるわけでなくてもやはり「something to hide」なんで、「you shouldn't be doing it in the first place」の助言に従い、Googleアカウントはとりあえず全て閉鎖することにしました。そして、他人様の情報で俺が俺の権限で管理しているもの、アドレスとか、仕事の情報とかは、将来にわたってGoogleには預けないことにします。アドレスを含む俺の情報をGmailやGoogleドキュメントで管理しようとする人がいたら、俺はこのことを伝えることにします。



さて、アカウントはもうそれで良いとして、検索エンジンですよ。アーサ・ドッツラー氏は代替の検索エンジンとしてBingを挙げていますが、Bingだとウチのブログが引っかからないんだよなあ…それは個人的な都合ですが、しかし、正直なところあまりこの検索エンジンの返す結果に満足したことがありません…これは個人的な感想か。まあ一つである必要はないんですから、他の選択肢も考えてみましょう。

ask.jp は閉鎖されましたが本家 Ask.com が日本語サービスをはじめたようですよ。韓国では、自国産の検索エンジンのネイバーなるものが高い人気を誇っているようで…日本でもそういうのが一つくらいあってもいいだろうと思うのですが…あ、それは日本語サービスもやっているみたいです naver.jp 。後は…Yahooとか?YahooもGoogleの検索エンジンを使っていたことがありましたが、それも昔の話、今は独自エンジンです。また、そのYahooのエンジンを利用した検索サイトもいくつかあります。

いずれも、アドオン Add to Search Bar によって簡単にFirefoxに登録することができます。

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