街の弁護士日記　SINCE１９９２at名古屋

菅野完氏のツイートで知ったが、衆参両院とも会議録（以下、議事録）の公開がおかしい。

はい。そういうことです。国会の速記録は、本件に関してはあてにならない。
そもそも公開されてないから。

だからテープ起こしをする必要がある https://t.co/hyKMloVybZ

— 菅野完 (@noiehoie) 2017年4月3日

森友問題が初めて国会で取り上げられたのが２月１７日の衆議院予算員会における民進党福島伸享議員の質問だが、この日から籠池氏の証人喚問の直前までの予算委員会の議事録が公にされていない。

森友問題の追及が行われていた予算員会の議事録は、福島議員の質問がなされた２月１７日以降、全く公開されていない。

福島質問直前の２月１４日の会議録第１１号から、籠池泰典氏の証人喚問を決定する３月１７日の議事録第１７号までの間の５本の議事録が飛んでいる。
いくら何でも４月になっても２月の議事録が未公開というのは異常だ。
しかも飛んで３月下旬の議事録がすでに公開されている。

念のため、衆議院の予算員会の日程は、次のとおり。
２月１７日、２０日、２３日、２４日、２７日の議事録が未公開である。

事情は参議院の予算委員会も同じで、森友問題が取り上げられて以降の議事録は未公開だ。

森友問題は他の委員会でも取り上げられ、総理も出席していたが、これらの議事録も全て未公開の状態にある。
今国会の発言者安倍晋三の検索結果は次のとおりで、森友問題浮上後、安倍総理の発言が残されている議事録は１例を除き、本会議だけ。
残る１例（財政金融員会）も森友問題とは無関係である。

森友問題に関係する総理の発言は、全てが未公開ということだ。

これは異様というほかない。
まさか国会議事録までが非公開の扱いをされるとは想像もしなかった。

問題に触れる公文書が全く出てこないというこの事件は、それ自体が異常だ。
事件の闇は想像以上に恐ろしく深いのかもしれない。

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追記
衆議院規則によれば、発言者は会議録の字句の訂正を求めることができる（２０３条）。
「訂正でんでん」という安倍総理の発言が議事録では「字句の訂正」がされていたのは、この規定による。

また、会議録の記載に異議が申し立てられた場合は、議長が議院に諮った上、決定するとされている（２０４条。参議院規則１５８条同旨）。
平成２６年１１月１８日の参議院内閣委員会の会議録が、平成２７年３月９日現在でも公開されていなかったことがネットで確認できるが、ここでは、東電をはじめとする原発再稼働を進める者こそが真のテロリストだとする、山本太郎議員の反対討論の発言が部分的に削除されている。たぶん、山本太郎議員が削除に強く抗議した結果、会議録の確定に時間を要したのではないかと思われる。

今回の会議録未公開は、誰のどの発言ということが取りざたされているわけではない。
森友問題全般が覆い隠されているということだ。