ミシェルのヒト観察記

9時になって、
やっとベッドを抜け出したボクとさぁちゃんは、
カーテンを開けるとお日様が眩しくて、
しばらく何も言わず、
そのぬくぬくを確かめるように、
日向ぼっこをしていました。





窓辺に寄りかかりながら、
昨日の夜は楽しくて、
笑いすぎて涙が出て、
みんながいてくれて嬉しくて、
切なかったよと、
さぁちゃんがぽつりと言いました。

ん。





それから一緒に、
追いかけっこをしたり、
かくれんぼをしたり、
おどかしあいっこをしたりして、
時間はあっという間に過ぎました。





さぁちゃんは美術館に行こうかなぁと言っていたのですが、
やっぱりやめたって、
今日はミシェルとずっとゆっくりするって、
宣言しました。

その間ボクは、イケメンチェックをしていたのですが。





午後はずっと、
あったかカーペットのうえで、
さぁちゃんは読書をしたり、
居眠りしたり、
考え事をしたりしていて、
ボクはその隣にずっといました。

お部屋の電気は控えめで。





17時になって、
『美しき酒呑みたち』が始まりますと、
さぁちゃんはテレビに釘付けになっていました。
何より、弘前の回の再放送でしたから。

すると、
わーー！
懐かしい！！って、
さぁちゃんが大騒ぎしまして、
子どもの頃に近所にあった中華料理屋さんに、
大興奮していました。

糸肉焼きそばが、
大好きだったらしいです。





帰る場所を失い、
共有できるヒトがいなくなるって、
こうも心細いものかと、
さぁちゃんがぼそっと言いました。

それからボクを見て、
何そのまっすぐ！
もはやネコからオッサンに転職したの？
って、さぁちゃんが爆笑していました。





本当は、なにかさぁちゃんに伝えてみたかったのですが、
ボクには言葉がたりなくて、
ここが、さぁちゃんのいるところが、
ボクの唯一の場所だよとだけ、
伝わればなと思いました。


そんなボクのまいにち。
月とナイフ





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テーマ : ノルウェージャンフォレストキャット
ジャンル : ペット