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鉱山を舞台とした賠償金詐欺連続殺人=貧困者を殺して生きる貧困者―中国(高口)

2014年07月16日

色仕掛けで男性を鉱山労働者に送り込み、ハンマーで殴り殺す。そして事故に見せかけて鉱山主を脅して賠償金を脅し取る。2014年7月、中国誌『南風窓』が犯罪組織による連続殺人をリポートしている。


■ロマンティックな出会いからの悲劇

李子華さんと王正秀の出会いはあまりにもロマンティックなものだった。四川省成都市の建設現場で働いていた李さんは2012年6月、女性から電話を受けた。間違い電話だったと言うが、話しているうちに間違い電話をかけてきた王は「あなたを気に入った」と言いだした。それから電話やメールで連絡を取り合った二人は一週間後に出会い、一夜をともにした。

しばらく交際を続けた二人。そのうち王は「鉱山で働いてきて。お金をためたら結婚しましょう」と持ちかける。王は河北省邯鄲市の鉱山を紹介。鉱山労働者として働き始めた李だが、鉱山に入って6日後、地下に待ち構えていた数人の男にハンマーで殴り殺されることになる……。

といった筋書き。実は炭鉱で働く際、李は別人の名前で登録されていた。殺害後、発破のミスで事故死したように見せかけ、後はニセの妻やら親戚が大挙押し寄せてきては鉱山主を脅すという仕組みだ。李の死をあまり悲しんでいないようすを不審に思った炭鉱主が通報し、容疑者らは逮捕された。なんと21人もの構成員を抱える犯罪組織で、1年あまりの間に4人を殺害、賠償金をせしめていたという。


■貧困者を殺して生きる貧困者

最初の犯行は2011年10月、6万1300元(約100万円)の賠償金をせしめた。2回目は2011年12月7日、61万5000元。3回目は2012年5月、62万元。そして4回目で犯行が発覚している。

色仕掛けから交際、炭鉱への連れ込み、殺害、ゆすりといった複雑な手続きを踏んでなお実入りは1回100万円しかない。犯行グループは21人。果たした“仕事”によって分け前は違うのだろうが、とはいえこれほどの殺人に見合う金額だろうか。その才覚を生かしたらもっと別の稼ぎ方があるような気もするのだが、これが中国の貧困の現状なのだろう。『南風窓』記者は加害者の故郷を訪ねている。いずれも四川省や雲南省、河北省の貧困地域出身だった。貧困地域出身の者たちが貧困者を殺して金に変えていたわけだ。

ちなみに鉱山を舞台とした賠償金目当ての殺人はそう珍しい話ではない。本サイトでも以前に記事「殺人を産業とする貧困県=知的障害者を使った炭鉱殺人詐欺が続発―四川省」で紹介。また第53回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した映画「盲井」が鉱山殺人詐欺を題材としている。


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 コメント一覧 (3)

    • 1. ナナシ
    • 2014年07月17日 08:59
    • 為替の桁が一桁ずれているような気がします。
    • 2. chongov
    • 2014年07月17日 10:17
    • 6万3100元=100万円くらいだろう
    • 3. Chinanews
    • 2014年07月17日 12:07
    • >ナナシさん、Chonggovさん
      ご指摘ありがとうございます。修正しました。

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