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「東京に五輪をやらせてはならぬ……日本経済が復活してしまう」環球時報コラムと日中100年対立論

2013年09月08日

■「東京に五輪をやらせてはならぬ……日本経済が復活してしまう」環球時報コラムと日中100年対立論■
 

美國製15吋口徑前裝滑膛大炮
美國製15吋口徑前裝滑膛大炮 / Kansir


■東京に五輪をやらせてはならぬ……日本経済が復活してしまう


「2020年東京五輪招致決定スペシャル!」として、環球時報の笑えるコラム「中国は東京の五輪招致に“ノー”というべきだ」をご紹介。

実は新華社日本語版レコードチャイナも取り上げているのですが、個人的にツボだったポイント、すなわち「日中100年対立でようやく中国が優位に立ったのに、日本に五輪という復活の機会を与えてはならない」という部分が抜け落ちているので、本サイトで紹介する価値もあるかな、と。

コラムの紹介の後、「日中100年対立論」や「日中対立、時間は中国の味方だ論」を簡単に紹介します。


■中国は東京の五輪招致に“ノー”というべきだ
環球時報、2013年8月26日
廖燃(ノルウェー在住の政治学者)

(…)過去30年間、中国の台頭と同時に日本経済は“失われた20年”を経験してきた。これにより100年間にわたり繰り広げられてきた日中の競争は日本の不利という転機を迎えた。このことに日本の政財界関係者は焦り、冷静さを失っている。“アベノミクス”は日本振興の唯一の良薬と見なされている。

オリンピック東京招致委員会の評価によると、2020年夏季五輪は東京に379億ドルの経済効果をもたらし、15万2000人の雇用を創出する。379億ドルの経済効果のうち、211億ドルは東京地区でのもの。残る160億ドルは日本全国の経済を引き上げるものとなる。(五輪のもたらす)巨大な収入は日本にとって最も必要としているカンフル剤であり、(経済だけではなく)日本社会をも奮い立たせるものとなるだろう。日本の回復、日中関係の劣勢からの脱却を中国はみすみす見逃してはならない。

(…)また国連安保理常任理事国入りはかねてからの日本の大それた目標である。(五輪招致の外交攻勢は)常任理事国入りの陰謀とセットのもの。五輪招致を通じて影響力を拡大し、途上国に支持させようとしているのだ。


■日中100年対立論と日中対立、時間は中国の味方論

果たして東京五輪がそこまで経済的なインパクトがあるのかは謎ですが、「第四の矢は五輪」と宣言した安倍晋三首相とこの環球時報コラムの著者は、東京五輪の影響をきわめて高く評価しているという意味では一致していると言えるかもしれません。

それにしても最近、この「日中100年対立論」はちょろちょろ見かけます。日清戦争が1894年。ここで「日本>中国」というパワーバランスが定まり100年間その構図が変わらなかったのが、ついに「中国>日本」と逆転したのだ、というお話。

「日中100年対立論」とよく似た構造を持つのが「日中対立、時間は中国の味方論」。 中国の高成長は続く、時間がたてばたつだけパワーバランスは中国に傾くではないか、というお話。

これは「今あせって日本と事を荒立てる必要はない」という意味で、対日強硬派をなだめる方便としても使われる論。鋭い政府批判と憲政・法治推しで知られる雑誌「財新」の胡舒立氏も「時間は中国の側にあるのだ」とコラムに書いています。「今すぐ開戦じゃ!」的な人をなだめるためというのはよくよく理解しているわけですが、リベラルなサイドからも「時間は中国の味方やで」と言われると、ちょっと恐ろしいものが……。

「我ら中国人は屈辱の近代史を堪え忍んできた。追い越し追い越せ、欲しがりません勝つまでは、自強やすまず」というノリを続けてきた中国人にとって「日中対立100年論」はすとんと腑に落ちる話なのでそんなに不思議ではないのですが、個人的にちょっと面白いのは日本人の側。

中国をライバル、仮想敵国的にとらえる発想が浮上するなか、中国バブルは崩壊する的な「中国が勝手にこける論」はあちらこちらで見かけるのに、「国民よ奮起せよ、欲しがりません勝つまでは、ガソリン一滴血の一滴、日中経済再逆転だ!」的な話は出てこないわけで。その路線はかつて失敗した道なのでやらなくてもいいと思いますが、両国の勢いの違いを感じさせるエピソードではないでしょうか。

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 コメント一覧 (1)

    • 1. 名無し
    • 2013年09月09日 18:22
    • マジ、うぜぇ。嫌なら 絶対、参加すんなょ!!

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