中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年09月07日
■どっちに転んでも中国の失点に
中国政府のいつものやり方ならば、「そんな事実はない」と強弁して逃げそうなものだが、きっちりと証拠をつかまれているためか、カダフィ政権側と中国兵器企業の接触自体はすんなり認めた。
ただし政府は知らなかった、接触はあったが売っていないと釈明している(中国外交部ウェブサイト)。ちょっと面白いのが「7月の情勢で売るわけないでしょ!」という発言があったこと。売るならまだカダフィ側が優勢だった、もっと前の時点で売っているということだろうか。
もし本当は売っていた、あるいは売ろうとしていたとしたら、「中国は国連制裁決議を破った」ということで失点。もし本当に政府が知らなかったとしたら、「自国の軍需企業もきっちり管理できていない」ということで失点。どちらに転んでも中国にはダメージが大きそうだ。
■経済面での被害
そも武器売却疑惑以外でも、中国はリビア内戦で煮え湯を飲まされ続けている。まずは経済面。独裁政権と距離を置こうとする他国を尻目に、中国はカダフィ政権とずぶずぶの関係に。インフラ整備など多数のプロジェクトを受注していた。
それが明らかとなったのが2月から始まった内戦だった。3万人以上の中国国民を脱出させる一大プロジェクトが展開され、「こんなにいたの?!」と世界を驚かせた。他国でのプロジェクト同様、現場作業員まで中国人を送り込んでいるため、これほどの人数になったものと見られる。多数のプロジェクトは途中でパーに。中国にとっては手痛い打撃となった。
■外交面での被害
そして外交ではもっと四面楚歌の状況に。2月26日の国連制裁決議案に中国は賛成票を投じ、「責任ある大国として姿を示した」と自画自賛モードだったが、その後の飛行禁止設定提案には棄権。さらに現在では国連常任理事国の中で唯一、反カダフィの国民評議会を承認していない。
内政不干渉を盾に「独裁者のお友達」だった中国が、制裁決議案に一票を投じるという歴史的決断をしたにもかかわらず、結局は反政権側には「中国はカダフィの友達だぜ」「中国むかつく」という印象を持たれたままとなってしまった。内戦が一段落すれば、今度はリビアの石油利権、復興事業を狙って各国が入り乱れての競争となるだろうが、中国はスタート前からハンディを背負うことになる。
また、「世界の独裁者諸君」には、「中国はお友達だと思っていたのに、いざとなったら裏切るんだ……ショック……」という印象を与えてしまった。八方美人を目指したはずが四面楚歌。なんともせつなすぎる状況となった。
');
label.html('\
ライブドアブログでは広告のパーソナライズや効果測定のためクッキー(cookie)を使用しています。
\
このバナーを閉じるか閲覧を継続することでクッキーの使用を承認いただいたものとさせていただきます。
\
また、お客様は当社パートナー企業における所定の手続きにより、クッキーの使用を管理することもできます。
\
詳細はライブドア利用規約をご確認ください。\
');
banner.append(label);
var closeButton = $('
民主主義が根付いてまだ間も無い国なら、ロビー活動を得意とする中国からしたら赤子の手をひねるようなものでしょ。