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中国がリビア内戦でありえないぐらい失敗している件=カナダ紙のスクープと中国の弁明

2011年09月07日

首都トリポリが陥落し、ついに節目を迎えたリビア内戦。この内戦が中国外交に与えた影響は甚大なものとなった。

今、一番ホットな話題は「中国軍需企業が今年7月、カダフィ大佐側に兵器売却を打診」のニュース。カナダ紙グローブ・アンド・メールが伝えた。カダフィ政権幹部が多く住む高級住宅地のゴミから極秘メモを発見したとのこと。ちょっと信じられない入手経路だが……。

「携帯式地対空ミサイルやロケット砲など2億ドル(約154億円)相当の武器を売る準備があるよ」という提案がきっちり書かれた問題のメモはグローブ・アンド・メールのウェブサイトで見ることができる。
(関連記事:「リビア:大佐側に中国企業が武器売却を提案…加紙報道」毎日新聞、2011年9月5日)

20110908_Libya
*画像はグローブ・アンド・メールの報道。発見された極秘メモ。


■どっちに転んでも中国の失点に

中国政府のいつものやり方ならば、「そんな事実はない」と強弁して逃げそうなものだが、きっちりと証拠をつかまれているためか、カダフィ政権側と中国兵器企業の接触自体はすんなり認めた。

ただし政府は知らなかった、接触はあったが売っていないと釈明している(中国外交部ウェブサイト)。ちょっと面白いのが「7月の情勢で売るわけないでしょ!」という発言があったこと。売るならまだカダフィ側が優勢だった、もっと前の時点で売っているということだろうか。

もし本当は売っていた、あるいは売ろうとしていたとしたら、「中国は国連制裁決議を破った」ということで失点。もし本当に政府が知らなかったとしたら、「自国の軍需企業もきっちり管理できていない」ということで失点。どちらに転んでも中国にはダメージが大きそうだ。


■経済面での被害

そも武器売却疑惑以外でも、中国はリビア内戦で煮え湯を飲まされ続けている。まずは経済面。独裁政権と距離を置こうとする他国を尻目に、中国はカダフィ政権とずぶずぶの関係に。インフラ整備など多数のプロジェクトを受注していた。

それが明らかとなったのが2月から始まった内戦だった。3万人以上の中国国民を脱出させる一大プロジェクトが展開され、「こんなにいたの?!」と世界を驚かせた。他国でのプロジェクト同様、現場作業員まで中国人を送り込んでいるため、これほどの人数になったものと見られる。多数のプロジェクトは途中でパーに。中国にとっては手痛い打撃となった。


■外交面での被害

そして外交ではもっと四面楚歌の状況に。2月26日の国連制裁決議案に中国は賛成票を投じ、「責任ある大国として姿を示した」と自画自賛モードだったが、その後の飛行禁止設定提案には棄権。さらに現在では国連常任理事国の中で唯一、反カダフィの国民評議会を承認していない。

内政不干渉を盾に「独裁者のお友達」だった中国が、制裁決議案に一票を投じるという歴史的決断をしたにもかかわらず、結局は反政権側には「中国はカダフィの友達だぜ」「中国むかつく」という印象を持たれたままとなってしまった。内戦が一段落すれば、今度はリビアの石油利権、復興事業を狙って各国が入り乱れての競争となるだろうが、中国はスタート前からハンディを背負うことになる。

また、「世界の独裁者諸君」には、「中国はお友達だと思っていたのに、いざとなったら裏切るんだ……ショック……」という印象を与えてしまった。八方美人を目指したはずが四面楚歌。なんともせつなすぎる状況となった。


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 コメント一覧 (7)

    • 1. にゃー
    • 2011年09月07日 23:33
    • 大丈夫でしょ。新たな支配者に賄賂を贈るだけやろうし。
      民主主義が根付いてまだ間も無い国なら、ロビー活動を得意とする中国からしたら赤子の手をひねるようなものでしょ。
    • 2. アレックス
    • 2011年09月08日 00:16
    • 確か、中国は人だけでなく、かなりの額を突っ込んでたはず。投資という名目でオイルマネー(ないしは現物)をもらおうという算段だったんでしょうけど、見切れなかったために手痛い目に遭っちゃった・・・という感じですね。

      今回の件はあくまで企業の責任で通していくのでしょう。
      さすがに国連の制裁を破ったというふうになると、国際関係に大きな影響を与えかねませんからね。
      ただでさえ、尖閣や南沙、レアアースでおイタがすぎた行為をやってしまっているので、下手すると国際社会から、しばらくの間つまはじきにされてしまうかもしれませんし・・・。
    • 3. Chinanews
    • 2011年09月08日 10:58
    • >にゃーさん
      独裁者を手助けしてはならないと、今までは参入しづらい空気の中、中国だけが突撃という構図。今後は米英仏ががんばるでしょうから、中国も苦戦するかもしれません。中国様のお手並み拝見ですね。
    • 4. Chinanews
    • 2011年09月08日 11:00
    • >アレックスさん
      おっしゃるとおり、中国の受注契約、投資、石油利権がポスト・カダフィ時代にどうなるかというのもポイントですね。

      国際社会の目を気にして大人しくするのか、突っ込んだ金返せと求めていくのか。せっかく空母を保有したのだから派遣するしか?!
    • 5. 在日本乙
    • 2011年12月05日 15:55
    • 中国語で申し訳ない。
      かなり日本のメディアとギャップのある記事だが、以下、参考までに。

      1.首先是臺系。aS原來在臺灣反共培訓班受過訓,所以對臺灣印象一直不錯。中利雖然78年建交,但臺灣在利比亞的外交機構一直冠名中華民國知道97年。這在和中國建交國家中是很少有的。比如美國,臺灣的外交機構就叫臺北經濟文化代表處。利比亞就敢讓臺灣冠名中華民國。然後在陳水扁執政期間更d了一次陳水扁經停利比亞的鬧劇,而且aS紮菲還親自見了陳水扁並宴請陳水扁。老aS接班人小aS對中國更是莫名其妙的敵視,陳水扁訪利據ェ鰹A是他主導。死有余辜。
        
      2.aS一直很有理想,覺得自己是千年難出的革命家,先是要統一阿拉伯,後來發現不行。就夢想統一非洲,自己做非洲合>w國的總統。所以老aS的綠皮書是發遍非洲的。這次的雇傭軍也是非洲黑人雇傭軍。隔三差五的找一k^黑人來給自己唱歌跳舞,歌功頌德,因為+N有錢。到了新世紀,+N發現非洲來了個比+N更有錢的中國,所以老aS莫名其妙把中國當做對手了,要和中國爭奪影響力。正是在這個背景下,老aS反復指責中國來非洲是為了掠奪資源,在非洲國家首腦裏,敢公開在歐美媒體上指責中國,給歐美當槍的,僅此一家,別無分號。2006年,中國在北京舉ヲ薯・㍾・_壇峰會,非洲49個與中共建交的國家,來了48個都是總統或者總理,只有利比亞派個外交部副部長。這B牛的'T。打中國耳光打得jUjU響,這樣的基友上鶺找哦
    • 6. 在日本乙
    • 2011年12月05日 15:56
    • (続き)  
      3。就是在想美國交投名タr時,把中國擺了一道。居然把從巴基斯坦那得到的中文資料也交給美國人了。本來中國和小巴的核合作是半公開的秘密,不過這個屬於知道歸知道,敢不敢公開ェ梶C那就自己D量的事情。利比亞把中文資料交出去,等於做實中國。也就是當時中國的大流氓身N已經確定,鬧的五大流氓一起k^中國掩飾,但中國為此外交資源消耗不少,不罵死+N挺的才怪。
        
      4.中國現在其實在乎的就是經濟利益,連臺灣都無所謂了。除了老大,誰想再跟中國打臺灣牌算是活不耐煩了。但在這經濟利亞上,老aS也不給力,別看中國在利比亞那麼多勞工,但基本是二包三包的賣力氣的活計。利比亞的大油田從來沒有中共的戲,土共去競標都是第一輪就被淘汰出局。最後中標的肯定是歐美日公司。美國當初ェ兜椏坙{制裁伊朗,放棄伊朗的油田,提出的交換條件就是日本可以拿到利比亞的油田補償它,所以aS紮菲對美國是真的恨配合。而中石油後來想通過收購在利比亞的加拿大公司來曲線進入利比亞,其實就是個幾億美元的小項目,也因為利比亞的否決而出局。

      老aSェ棋ケ小平是他老朋友,別ェ棋ケ還真見過他。中利78年建交,當年賈盧德放華(其實建交是他推動的),然後aS紮菲82年訪過一次華,在以後,利比亞首腦就沒有訪問過中國。中國首腦訪問利比亞也就江core02年為了石油去了那一次,但eU沒拿到不ェ梶C第二年,利比亞向美國跪安時還把中國賣了個底掉,然後仗著美國那邊案底清了的N上,05年陳水扁經停,06年外交部副部長單人來北京參加中非論壇,然後在歐美媒體上指責中共非洲新殖民給中共打臉無數。

      `O回答我,怎ス梃ツ好法?還賣武器,`O看看aS紮菲的武器是中國"u的多還是歐美"u得多
    • 7. Chinanews
    • 2011年12月06日 10:52
    • > 在日本乙さん
      コメントありがとうございます。文字化け(ですよね?)で意味がつかみにくかったですが、だいたいわかりました。中国はリビアに煮え湯を飲まされ続けてきたという歴史もあるということですね。なるほど。

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