【新譜情報】フランク・ペーター・ツィンマーマン ~ バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ Vol.1
[最新記事]フランク・ペーター・ツィンマーマン ~ バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ Vol.1
----------------------------------------------------------------------------------
フランク・ペーター・ツィンマーマンの新譜は、バッハの《無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ》からソナタ第2番、パルティータ第2番&第3番。シックなジャケット写真が素敵。
今までバッハの無伴奏を全く録音していないのが不思議だった。55歳での初録音したということは、”満を持して”臨んだに違いない。
ヴァイオリンの無伴奏曲は元々好きではなく、持っているCDはツィンマーマンのイザイ無伴奏と、スークのバッハ無伴奏のみ。
昔からツィンマーマンは好きなヴァイオリニストだけど、無伴奏曲というのがどうも苦手なので、CDを試聴してから買うかどうか決めるつもり。
録音日:2020年6月8-12日、ホンラート福音主義教会(ドイツ)/2021年3月27&28日ストックホルム・コンサートホール(スウェーデン)
今回はVol.1。そのうち残りの3曲がVol.2として発売されるはず。もし買うことに決めたなら、分売すると割高だし、保管しやすい2枚組の全集盤の方が良かった。
2001年から2015年2月まで弾いていたヴァイオリンは、クライスラーが所有していた1711年製ストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。
当時所有者で貸与者だったドイツの州立銀行がリーマン危機時に破綻し、新たに所有者となった投資会社に高額な譲渡金額(680万ユーロ:当時の相場よりも200万ユーロ高い)または高額な賃貸料を提示されて、ツィンマーマンは購入もリースも断念。その結果、2015年2月に「レディ・インチクイン」を弾くことができなくなった。
その後、ドイツ最大州のノルトライン=ヴェストファーレン州が「レディ・インチクイン」を購入し、州立美術館の財団“Kunst Im Landesbesitz”がツィンマーマンに長期貸与(有償か無償かは不明)している。
ツィンマーマンが演奏会のアルコールによく弾いている《パルティータ第2番》第3楽章アンダンテ。2012年の録音なので、ヴァイオリンは「レディ・インチクイン」。このアンダンテはとても好きで何回も聴いている。
J. S. Bach - Sonata for Solo Violin No. 2, BWV 1003 (Proms 2012)
若い頃の「シャコンヌ」の演奏。
F.P.Zimmermann - Bach : Chaconne from Partita No.2, BWV1004
ツィンマーマンはエンリコ・パーチェとのデュオで、バッハのヴァイオリンソナタ全曲(6曲)をCDとDVDに録音ずみ(音源は異なる)。
ツィンマーマンとパーチェのCDコレクターになったきっかけがこのCDで聴いたスタジオ録音で、ますます好きになったのはDVDで見たライブ映像のおかげ。無伴奏曲とは違って、こちらの6曲は全て好きなので、IMSLPで楽譜をダウンロードして、伴奏パートだけピアノで弾く練習をしたものだった。
もう何十回も観たライブ映像だけど、いつ観てもヴァイオリンとピアノの音が美しく演奏は素晴らしいし、パーチェの(コロコロ変わる)表情と2人の呼吸の合わせ方(アイコンタクトとか)を見るのが楽しい。
全6曲中で一番好きなのが、ちょっとコンチェルト風の第4楽章。
Bach: Sonata for Violin and Piano BWV 1016 | Frank Peter Zimmermann (violin) and Enrico Pace (piano)
この第4楽章もヴァイオリンとピアノの拍子がピタッと合って掛け合いがとても滑らか。曲もバロックというよりも現代的な感じがする。
Bach: Sonata for Violin and Piano BWV 1017 | Frank Peter Zimmermann (violin) and Enrico Pace (piano)
<関連記事>
ツィンマーマンとストラディヴァリウス“レディ・インチクィン”の再会
ツィンマーマン&パーチェ ~ バッハ/ヴァイオリンソナタ全集(ライブ録音/DVD)
ツィンマーマン&パーチェ ~ バッハ/ヴァイオリンソナタ全集
これが今年最後の記事になります。
寒波のなかの年越しとなりますが、良いお年をお迎えください。
※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
----------------------------------------------------------------------------------
フランク・ペーター・ツィンマーマンの新譜は、バッハの《無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ》からソナタ第2番、パルティータ第2番&第3番。シックなジャケット写真が素敵。
今までバッハの無伴奏を全く録音していないのが不思議だった。55歳での初録音したということは、”満を持して”臨んだに違いない。
ヴァイオリンの無伴奏曲は元々好きではなく、持っているCDはツィンマーマンのイザイ無伴奏と、スークのバッハ無伴奏のみ。
昔からツィンマーマンは好きなヴァイオリニストだけど、無伴奏曲というのがどうも苦手なので、CDを試聴してから買うかどうか決めるつもり。
バッハ : 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番、パルティータ第2番&第3番 (2022年01月下旬発売予定) フランク・ペーター・ツィンマーマン 試聴ファイル(BIS) |
録音日:2020年6月8-12日、ホンラート福音主義教会(ドイツ)/2021年3月27&28日ストックホルム・コンサートホール(スウェーデン)
今回はVol.1。そのうち残りの3曲がVol.2として発売されるはず。もし買うことに決めたなら、分売すると割高だし、保管しやすい2枚組の全集盤の方が良かった。
2001年から2015年2月まで弾いていたヴァイオリンは、クライスラーが所有していた1711年製ストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。
当時所有者で貸与者だったドイツの州立銀行がリーマン危機時に破綻し、新たに所有者となった投資会社に高額な譲渡金額(680万ユーロ:当時の相場よりも200万ユーロ高い)または高額な賃貸料を提示されて、ツィンマーマンは購入もリースも断念。その結果、2015年2月に「レディ・インチクイン」を弾くことができなくなった。
その後、ドイツ最大州のノルトライン=ヴェストファーレン州が「レディ・インチクイン」を購入し、州立美術館の財団“Kunst Im Landesbesitz”がツィンマーマンに長期貸与(有償か無償かは不明)している。
ツィンマーマンが演奏会のアルコールによく弾いている《パルティータ第2番》第3楽章アンダンテ。2012年の録音なので、ヴァイオリンは「レディ・インチクイン」。このアンダンテはとても好きで何回も聴いている。
J. S. Bach - Sonata for Solo Violin No. 2, BWV 1003 (Proms 2012)
若い頃の「シャコンヌ」の演奏。
F.P.Zimmermann - Bach : Chaconne from Partita No.2, BWV1004
ツィンマーマンはエンリコ・パーチェとのデュオで、バッハのヴァイオリンソナタ全曲(6曲)をCDとDVDに録音ずみ(音源は異なる)。
ツィンマーマンとパーチェのCDコレクターになったきっかけがこのCDで聴いたスタジオ録音で、ますます好きになったのはDVDで見たライブ映像のおかげ。無伴奏曲とは違って、こちらの6曲は全て好きなので、IMSLPで楽譜をダウンロードして、伴奏パートだけピアノで弾く練習をしたものだった。
もう何十回も観たライブ映像だけど、いつ観てもヴァイオリンとピアノの音が美しく演奏は素晴らしいし、パーチェの(コロコロ変わる)表情と2人の呼吸の合わせ方(アイコンタクトとか)を見るのが楽しい。
全6曲中で一番好きなのが、ちょっとコンチェルト風の第4楽章。
Bach: Sonata for Violin and Piano BWV 1016 | Frank Peter Zimmermann (violin) and Enrico Pace (piano)
この第4楽章もヴァイオリンとピアノの拍子がピタッと合って掛け合いがとても滑らか。曲もバロックというよりも現代的な感じがする。
Bach: Sonata for Violin and Piano BWV 1017 | Frank Peter Zimmermann (violin) and Enrico Pace (piano)
<関連記事>
ツィンマーマンとストラディヴァリウス“レディ・インチクィン”の再会
ツィンマーマン&パーチェ ~ バッハ/ヴァイオリンソナタ全集(ライブ録音/DVD)
ツィンマーマン&パーチェ ~ バッハ/ヴァイオリンソナタ全集
これが今年最後の記事になります。
寒波のなかの年越しとなりますが、良いお年をお迎えください。
| ♪ F.P.ツィンマーマン&エンリコ・パーチェ | 2021-12-28 06:00 | comments:0 | TOP↑