コロリオフ ~ バッハ/パルティータ集 Part2(第4番,第3番,第5番)
やっとリリースされたコロリオフの『バッハ/パルティータ集』のVol.2。Vol.1の収録曲は第1番・第2番・第6番と私の好きな曲ばかりだった。Vol.2の収録曲のなかでは、第4番だけはレーゼルの録音が好きで何度も聴いていた。第3番と第5番はほとんど聴いたことがないので、買うかどうかちょっと迷っていた。
でも、試聴したら最初の第4番の明るく輝かしい音色と力強さにすっかり魅せられてCD買ってしまった。CDで聴くと、第4番だけでなく第3番が《フランス組曲》と同じように内面的で情感深くて素晴らしい。
コロリオフのバッハでまだ録音していないのは《イギリス組曲》。コロリオフのタッチに《イギリス組曲》はよく似合うと思うので、そのうち録音してくれるのをずっと待っている。
録音日:第4番(BWV828):2020年2月18-19日,イエス・キリスト教会(ベルリン・ダーレム)、第3番(BWV827)&第5番(BWV829):2023年6月4-6日, 聖母教会 (Liebfrauen kirche)(ドイツ・ヴェルニゲローデ)
ピアノはSteinwayD-274。残響少ないわりにデッドな感じは全くしない。タッチは硬質だけど教会録音のすっと消えていく響きが柔らかい。コロリオフのピアノの音を聴いているだけでとても幸せな気持ちになれる。どの声部も明瞭で対等な存在感があって立体感豊か。チェンバロ奏法に似た小刻みなルバートでカクカクッとしたフレージングが旋律をくっきりと浮かび上がらせている
外に広がるような開放感と骨っぽくて構造感の強いレーゼルの第4番と比べると、コロリオフの第4番は内面的で繊細な情感が心をくすぐるような感じ。特に高音域の品のよい煌めきと透明感のある明るい音色が綺麗。私はコロリオフの第4番がとても好き。
Partita 4 D major BWV 828. Ouverture
安らぎと幸福感に浸るようなとても美しいSarabande。
Partita 4 D major BWV 828. Sarabande
ほぼインテンポでリズム感良く快活で軽快なGigue。
Partita 4 D major BWV 828. Gigue
第3番は最近アンデルシェフスキのCDを聴き直して好きになった曲。軽やかで切れの良いタッチで颯爽としたアンデルシェフスキと比べると、コロリオフは少し柔らかくて弱めのタッチでどこかしらくぐもったような陰りがあり、抑制されて密やか。
イエス・キリスト教会で録音した第4番よりも、聖母教会で録音した第3番の方がほんの少しだけ残響が長い気がする。
Partita 3 a minor BWV 827. Fantasia
Partita 3 a minor BWV 827. Corrente
この”Gigue”はコロリオフらしい独特の解釈。テンポがやや遅い上に、かなり強いルバートがかかっているので、フレージングが滑らかではなくて、最初聴いた時は全然好きになれなかった。(他5曲のパルティータの”Gigue”は速いテンポでほとんどルバートかかっていないのでフレージングが滑らかだった)
でも聴き直してみると、声部が克明に浮き上がって絡み合って対話しているかのような歌い回しが舞曲風とは違っていてとても好きになってしまったくらい。なによりも深い情感が心にしみわたり、《フランス組曲》の録音と同じく、心の内を弾き語りしているように聴こえてくる。
Partita 3 a minor BWV 827. Gigue
パルティータ6曲の中ではめったに聴かない第5番。他の5曲に比べて印象に残る旋律が少ないせいだと思う。よく覚えているのが第1曲Praeambulum(前奏曲)の楽しそうで愛らしい冒頭主題。
Partita 5 G major BWV 829. Praeambulum
とてもリズミカルな”Corrente”。
Partita 5 G major BWV 829. Corrente
Partita 5 G major BWV 829. Gigue
※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
でも、試聴したら最初の第4番の明るく輝かしい音色と力強さにすっかり魅せられてCD買ってしまった。CDで聴くと、第4番だけでなく第3番が《フランス組曲》と同じように内面的で情感深くて素晴らしい。
コロリオフのバッハでまだ録音していないのは《イギリス組曲》。コロリオフのタッチに《イギリス組曲》はよく似合うと思うので、そのうち録音してくれるのをずっと待っている。
J.S.バッハ: パルティータ集 Part.2 (2024年11月15日) エフゲニー・コロリオフ |
録音日:第4番(BWV828):2020年2月18-19日,イエス・キリスト教会(ベルリン・ダーレム)、第3番(BWV827)&第5番(BWV829):2023年6月4-6日, 聖母教会 (Liebfrauen kirche)(ドイツ・ヴェルニゲローデ)
ピアノはSteinwayD-274。残響少ないわりにデッドな感じは全くしない。タッチは硬質だけど教会録音のすっと消えていく響きが柔らかい。コロリオフのピアノの音を聴いているだけでとても幸せな気持ちになれる。どの声部も明瞭で対等な存在感があって立体感豊か。チェンバロ奏法に似た小刻みなルバートでカクカクッとしたフレージングが旋律をくっきりと浮かび上がらせている
外に広がるような開放感と骨っぽくて構造感の強いレーゼルの第4番と比べると、コロリオフの第4番は内面的で繊細な情感が心をくすぐるような感じ。特に高音域の品のよい煌めきと透明感のある明るい音色が綺麗。私はコロリオフの第4番がとても好き。
Partita 4 D major BWV 828. Ouverture
安らぎと幸福感に浸るようなとても美しいSarabande。
Partita 4 D major BWV 828. Sarabande
ほぼインテンポでリズム感良く快活で軽快なGigue。
Partita 4 D major BWV 828. Gigue
第3番は最近アンデルシェフスキのCDを聴き直して好きになった曲。軽やかで切れの良いタッチで颯爽としたアンデルシェフスキと比べると、コロリオフは少し柔らかくて弱めのタッチでどこかしらくぐもったような陰りがあり、抑制されて密やか。
イエス・キリスト教会で録音した第4番よりも、聖母教会で録音した第3番の方がほんの少しだけ残響が長い気がする。
Partita 3 a minor BWV 827. Fantasia
Partita 3 a minor BWV 827. Corrente
この”Gigue”はコロリオフらしい独特の解釈。テンポがやや遅い上に、かなり強いルバートがかかっているので、フレージングが滑らかではなくて、最初聴いた時は全然好きになれなかった。(他5曲のパルティータの”Gigue”は速いテンポでほとんどルバートかかっていないのでフレージングが滑らかだった)
でも聴き直してみると、声部が克明に浮き上がって絡み合って対話しているかのような歌い回しが舞曲風とは違っていてとても好きになってしまったくらい。なによりも深い情感が心にしみわたり、《フランス組曲》の録音と同じく、心の内を弾き語りしているように聴こえてくる。
Partita 3 a minor BWV 827. Gigue
パルティータ6曲の中ではめったに聴かない第5番。他の5曲に比べて印象に残る旋律が少ないせいだと思う。よく覚えているのが第1曲Praeambulum(前奏曲)の楽しそうで愛らしい冒頭主題。
Partita 5 G major BWV 829. Praeambulum
とてもリズミカルな”Corrente”。
Partita 5 G major BWV 829. Corrente
Partita 5 G major BWV 829. Gigue
| ♪ エフゲニー・コロリオフ | 2024-11-24 08:00 | comments:0 | TOP↑