ブリテン/4つの海の間奏曲(歌劇「ピーター・グライムズ」より)
ブリテンといえば、オペラや《戦争レクイエム》が有名だろうけど、管弦楽曲や協奏曲もブリテンの才気が煌いている。
代表的な作品は、恩師フランク・ブリッジの主題をモチーフにした《フランク・ブリッジの主題による変奏曲》、《シンプル・シンフォニー》、《青少年のための管弦楽入門》、日本の皇紀2600年紀元節祝典曲として委嘱された《シンフォニア・ダ・レクイエム》、合唱付きの《春の交響曲》など。
新年の幕開けに聴く曲を考えてみたところ、一番良さそうだったのが、オペラ《ピーター・グライムズ》の間奏曲6曲のうち4曲を組曲とした《4つの海の間奏曲 Op.33a》(Four Sea Interludes from "Peter Grimes" )。
ブリテンの代表作《ピーター・グライムズ》は、”現代音楽的なオーケストレーションと伝統的なハーモニー構造とが絶妙に結び付いた、20世紀オペラの傑作”。(Berlin Philharmoniel Digital Concert Hallの解説)
《4つの海の間奏曲 Op.33a》は次の4曲で構成。
第1曲「夜明け」(Dawn)
第2曲「日曜の朝」(Sunday Morning)
第3曲「月光」(Moonlight)
第4曲「嵐」(Storm)
どの曲も、各楽器パートの旋律がくっきりと浮かび上がり、色彩感豊かで鮮やか。
タイトルの情景が浮かんできそうなくらいに、視覚喚起力がある。(歌劇の間奏曲なので、そう感じるのかも)
「夜明け」は、未明のまだ暗い夜空が白み始めていく時の冷んやりとした空気の清々しさを感じる。
「日曜の朝」は、ハリウッド映画に使われても違和感がないくらい。メロディと和声が綺麗で、休日の朝の自由で楽しげな活気に満ちている。
「月光」といえば、私がすぐ連想するのはベートーヴェンの「月光ソナタ」第1楽章とドビュッシーの「月の光」。ブリテンの「月光」は、この2曲とは随分違った雰囲気。広大な海を照らす「月光」は、悠然として大らか。
「嵐」には空間的な広さを感じるせいか、地上の嵐ではなく、海の上を吹きすさぶ嵐のイメージにぴったり。
Benjamin Britten - Four Sea Interludes from "Peter Grimes"
(Cincinnati Symphony Orchestra、Paavo Järvi)
ブリテンに関する過去記事リスト
Tag : ブリテン
※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
あけましておめでとうございます。
2013年はブリテンもいいですね。
今年もよろしくお願いいたします。
| ポンコツスクーター | 2013/01/01 10:43 | URL | ≫ EDIT