とある科学の超電磁砲S #16 『姉妹』
ミサカ達は殺されるために造り出されました。
ただそれのみが存在意義であり、生み出された理由でした。
『妹達』という存在を中心に据えて物語が展開してきたこのエピソードですが。クローン技術の応用における問題点とうものを上手くジュブナイルに落とし込んでいるんですよね。中でも「特定の目的達成のために特定の表現形質を持つ人を作り出すことは、生まれてくる人を手段、道具と見なすことにつながる※1」という倫理面の問題が核になっていると思います。
実験の中で殺されるための人形として生み出され、刷り込みという形ではあるけどその生き方を受け入れている妹達。しかし、ふたりはそれを良しとしなかった。美琴は自分の妹として、上条さんは自分が知り合った世界にひとりだけの存在として、ミサカ妹に“人間らしい”生き方をしてほしいと願い、彼女達の運命を変える奇跡を起こします。どんな理由で生まれたにせよ、人として生まれたからには、今自分たちが生を謳歌しているこの世界に立つべきだと彼女達をすくい上げる。そんなどこか青臭くもしっかり希望が感じられる物語としても見ることができるかなと。上条さんのようにミサカ妹をひとりの人間として皆が見てくれたら・・・もしリアルな出来事だったら、なかなか難しいだろうけど。美琴の友人達や禁書に登場する主要キャラの多くは、程度はあれど、彼女達を受け入れてくれるのではないでしょうか。この世界のクローン『妹達』の未来は決して暗いものではないでしょうね。
※1・・・文部科学省HPより引用
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