リトルバスターズ! #18 『答えは心のなかにあるんだ』
三枝の跡継ぎとしての才を証明し続け、葉留佳を蔑む。二木の叔父達に言われるがままに。それこそが、三枝の家でふたりがどちらも欠けることなく身を置くために、佳奈多がやらなければいけないことだったと。間引く。いなくなる。それらが具体的にどういうことを指すのか。とてもじゃないけど真面な結果は想像できない。例え最初は同じ想いを共有していても、そんな環境での毎日がふたりの距離を遠ざけてしまった。己を否定され続けることに耐えられず、佳奈多を憎まずにはいられなくなったはるちん。そんな彼女の問題行動に、佳奈多も純粋に憤りを感じていたように見受けられました。なんという悪循環。
それを打破する鍵は、はるちんが、自分が本当に望んでいることが何なのかを見つけることでした。出生に纏わる因縁という自分にはどうしようもない理由で受ける不遇。自分なんて要らない人間なんだと思わざるを得ない状況の中で、自我を保つための憎悪を捨て、不確かな、ほんの小さな希望に手を伸ばす。彼女がしたのはそういうことなんじゃないかと。原動力として過去にふたりで交わした約束があり、結果として、憎んでいた相手は自分のことを想ってくれていて、自分は望まれて生まれてきたと、そう言ってくれる人がいたけれど。それができるって、凄いことだよなと。だからこそ佳奈多の行為を許せたし、出生の真相を知らないままで良いと言えるに至ったのでしょうから。私は私でよかったと、その答えに辿り着くために、自分を取り巻く環境を見つめ直そうとした気持ちこそが、大切なのだと思います。
話は変わって。ずっと気になっていることがあるんですが。何故、今回の終盤、美魚ちゃんだけがメンバー全員との絡みに加わっていなかったのか。原作をプレイした時のことを思い返しても、それらしい要素はなかったような・・・。忘れてるのかしら。
リトルバスターズ! #17 『誰かにそばにいて欲しかったんだ』
家系のしきたり。両親や親族との関係。それが例え俗世間から逸脱したものであっても、自分にはどうしようにもできないことであっても、それでも密に関わらざるを得ない境遇。“家庭環境”と言ってしまえばよいのでしょうか。その中でかなり強引な過程で両極端なポジションが与えられ、そこでそれぞれのアイデンティティを形成し、今を歩むふたりの少女。彼女達の意思疎通、問題解決の話なのだろうなと思います。この件は外的要因がとにかくデカい。何を以って解決とするのかが見所ですね。
今回の話ではるちんの性格や言動の由来が明確に提示されたけど、彼女の問題行動が佳奈多に対する嫌がらせから始まったものだったというのはショックでした。例え友人を取り巻く環境がどのようなものであっても、それによって見る目を変えたりはしない。且、その環境で生きることで生まれた彼女の弱い部分、黒い部分すら皆で受け止めるのだから、リトルバスターズの仲間を思いやる気持ちはほんと温かい。普段の楽しげな描写を見てるとついつい失念してしまうけど、リトルバスターズは、ざっくり言うと、見方によっては深刻な部類の“問題児”、“問題を抱えた生徒”の集まりなんですよね。だからこその包容力なのかもしれません。
佳奈多は標的に対しては本当に嫌らしいアクションや言い回しをするよなと。ただ、彼女の真意がこの話の鍵になっているのは間違いない。自分が不幸な分、誰かが幸せな思いをしていると思っている・・・。跡継ぎに選ばれず、酷い扱いを受けたはるちん。そんな自分と対極の立場にいる佳奈多もまた別の形で不幸を背負っているとしたら。あれ?佳奈多っていいやつなんじゃね??と思った矢先に、最後のあの行動。なんとも気になる引きでしたね。予告の雰囲気だと、次回でまた一区切りでしょうか。
あと、このちょっとしたシーンですが。クドにとっては大切な友人同士の争いですもんね。見ていて辛いだろうなあ。こういったキャラの心情を捉えた描写は素敵ですね。
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