リトルバスターズ! #26 『最高の仲間たち』
リトルバスターズの初試合という一大イベントを控えた最終話。その試合の様子を結構な時間を割いて描くのだろうと思っていたのですが。リーダーを任せられた理樹の心境が変化するところを重点的に描いていましたね。恭介やヒロイン達との会話は、各々のエピソードに込められたテーマ、それを導き出すために理樹がやってきたことの総括であると同時に、理樹が持つ強さを示しています。理樹には皆を牽引するような力は無いし、多くの問題に対し、その解決方法を知らない。知らないけれど、彼女達の抱える問題を自分のことのように悩み、自分に出来る形でその解決を促してきた。その優しさ、思いやりこそが理樹の強さであり、そこから由来する行動が今のリトルバスターズの結束に繋がっている。そして自覚するに至った自分の“強さ”でもって、人間として“強くなる”と誓うのだ。他のKey作品と同様で、『リトルバスターズ!』も表層のドラマはもちろん、メッセージ性にも重きを置いた作品だと思います。なので2クールに渡った物語のまとめ、そして製作がアナウンスされた『Refrain』への繋ぎとして、ピックアップされた要素に納得がいく最終話だったなと。
こと顕示のための“語り”が多めの回でしたが。その時のキャラの仕草、表情を小刻みに変化させていたのであまり説明臭くなっていなかったように思いました。ヒロイン達と絡んだ時の“照れ”はちょっとしたことだけど印象的です。顔をアップに映した時も、そうでない時も、表情を丁寧に描いているというのは魅力だと思うのですよ。
そして件の試合は、あのEDに合わせてのダイジェスト的な形で、良い意味で十分だったかと。ネタや皆の楽しそうな様子が高密度でギッシリ詰まった3分間でした。佳奈多が熱の籠った応援をしていたのが微笑ましいというか。夕暮れに残された負けのスコアが醸し出す微かな哀愁も良かったです。
アニメ化が発表されてからもう9ヶ月くらい経つんですね。製作陣についての当初の騒動が懐かしい。でも、あの騒ぎがあったから。自分の好きな原作のアニメ化だったから。製作陣の方々が、リトバスをどのように解釈し、それぞれ1/26話としてどのように落とし込むのか、その中で何を伝えるのか、その為にどのような描写をするのか。まずそこに目を向けようという今の自分のアニメ観賞におけるスタンスのひとつを形成できたのだと思います。今作は「配慮」と「丁寧さ」が感じられる、原作付きアニメの遵守型において好感が持てるつくりでした。『Refrain』も楽しみです。
辛いことや悲しいことから逃げ出さず、真正面から向かい合い、前を見て歩むことができるようになった小毬ちゃん。
今の自分とはかけ離れた集団生活に長けた理想の人格ではなく、今の自分のまま、持っている個性を大切にして世界と関わっていくことを選んだ美魚ちゃん。
世界は悪意に満ちていると、そう思ってしまっても仕方がない家庭環境の中にあって、それでもその中に埋もれている光に手を伸ばしたはるちん。
クドは自分がなりたいもの、それに直結する好きなことがしっかりあって、しかもそれに関わる憧れの人=大好きな母がいるからこそ、何者でもない、至らない、中途半端な自分に対する嫌悪がより顕著になっていたのではないかと。一度は捨てた大切なもの。それを再び手に取り、周囲との摩擦にめげず、他の誰でもない自分の道程でもって夢を目指すことを決めました。故郷での件は突飛な演出の中にメタファーがふんだんに組み込まれていたと思います。
各エピソードには本放送で語られたメッセージ性があり、恭介が示す理樹が学ぶべきことがあり、また内容はヒロイン達の○○なのだけれども。乗り越えることで精神的に成長することができる、思春期に抱える問題あるある・・・そういったものが、物語の題材として用いられているのではないかなと。大事なのは、共通して、「前に進む」こと。その解決には「仲間」の存在があったと、アニメではそこを強調しているように思えました。
リトルバスターズ! #18 『答えは心のなかにあるんだ』
三枝の跡継ぎとしての才を証明し続け、葉留佳を蔑む。二木の叔父達に言われるがままに。それこそが、三枝の家でふたりがどちらも欠けることなく身を置くために、佳奈多がやらなければいけないことだったと。間引く。いなくなる。それらが具体的にどういうことを指すのか。とてもじゃないけど真面な結果は想像できない。例え最初は同じ想いを共有していても、そんな環境での毎日がふたりの距離を遠ざけてしまった。己を否定され続けることに耐えられず、佳奈多を憎まずにはいられなくなったはるちん。そんな彼女の問題行動に、佳奈多も純粋に憤りを感じていたように見受けられました。なんという悪循環。
それを打破する鍵は、はるちんが、自分が本当に望んでいることが何なのかを見つけることでした。出生に纏わる因縁という自分にはどうしようもない理由で受ける不遇。自分なんて要らない人間なんだと思わざるを得ない状況の中で、自我を保つための憎悪を捨て、不確かな、ほんの小さな希望に手を伸ばす。彼女がしたのはそういうことなんじゃないかと。原動力として過去にふたりで交わした約束があり、結果として、憎んでいた相手は自分のことを想ってくれていて、自分は望まれて生まれてきたと、そう言ってくれる人がいたけれど。それができるって、凄いことだよなと。だからこそ佳奈多の行為を許せたし、出生の真相を知らないままで良いと言えるに至ったのでしょうから。私は私でよかったと、その答えに辿り着くために、自分を取り巻く環境を見つめ直そうとした気持ちこそが、大切なのだと思います。
話は変わって。ずっと気になっていることがあるんですが。何故、今回の終盤、美魚ちゃんだけがメンバー全員との絡みに加わっていなかったのか。原作をプレイした時のことを思い返しても、それらしい要素はなかったような・・・。忘れてるのかしら。
リトルバスターズ! #17 『誰かにそばにいて欲しかったんだ』
家系のしきたり。両親や親族との関係。それが例え俗世間から逸脱したものであっても、自分にはどうしようにもできないことであっても、それでも密に関わらざるを得ない境遇。“家庭環境”と言ってしまえばよいのでしょうか。その中でかなり強引な過程で両極端なポジションが与えられ、そこでそれぞれのアイデンティティを形成し、今を歩むふたりの少女。彼女達の意思疎通、問題解決の話なのだろうなと思います。この件は外的要因がとにかくデカい。何を以って解決とするのかが見所ですね。
今回の話ではるちんの性格や言動の由来が明確に提示されたけど、彼女の問題行動が佳奈多に対する嫌がらせから始まったものだったというのはショックでした。例え友人を取り巻く環境がどのようなものであっても、それによって見る目を変えたりはしない。且、その環境で生きることで生まれた彼女の弱い部分、黒い部分すら皆で受け止めるのだから、リトルバスターズの仲間を思いやる気持ちはほんと温かい。普段の楽しげな描写を見てるとついつい失念してしまうけど、リトルバスターズは、ざっくり言うと、見方によっては深刻な部類の“問題児”、“問題を抱えた生徒”の集まりなんですよね。だからこその包容力なのかもしれません。
佳奈多は標的に対しては本当に嫌らしいアクションや言い回しをするよなと。ただ、彼女の真意がこの話の鍵になっているのは間違いない。自分が不幸な分、誰かが幸せな思いをしていると思っている・・・。跡継ぎに選ばれず、酷い扱いを受けたはるちん。そんな自分と対極の立場にいる佳奈多もまた別の形で不幸を背負っているとしたら。あれ?佳奈多っていいやつなんじゃね??と思った矢先に、最後のあの行動。なんとも気になる引きでしたね。予告の雰囲気だと、次回でまた一区切りでしょうか。
あと、このちょっとしたシーンですが。クドにとっては大切な友人同士の争いですもんね。見ていて辛いだろうなあ。こういったキャラの心情を捉えた描写は素敵ですね。
リトルバスターズ! #15 『ムヒョッス、最高だぜ』
今回からOPアニメーションに変化が。これから描かれるクドやはるちん達のエピソードに関する新カットの追加。そして「原作 Key」のテロップと同時に映る現リトルバスターズはヒロイン勢も加わり全員集合です。みんなして腰に手を当てているのがなんか可愛らしいです。前回で美魚ちゃんのエピソードが終わり、彼女がリトルバスターズの輪に自分の居場所を見出す様子が最後に描かれていましたが。それと同時に、リトルバスターズのメンバーが揃うという節目になっていたんですね。あ、謙吾がまだ野球には参加していないか。
美魚ちゃんといえば、OPで映る彼女の手から日傘がなくなっていますね。己が存在と世界の繋がりという重めな話を経て、尚今彼女が皆と共に居る証ともいえる変化ですから、こういう配慮は心温まります。本編でもついつい彼女を気に掛けて見てしまいますが、美魚ちゃんらしいキャラで皆と楽しくやってるようで何より。てか女装やら百合やら、そっち系の趣味を全開にしてる様子は、ほんと、生き生きしてる。
お口直し回のような位置付けの第15話でしたが、理樹がお風呂場で思い至った見解が効いてますね。理樹をからかって楽しみたいというところもあったでしょうけど、鈴を含めてあの宴を最大限に楽しむための策だったと。大局を見据えて色々考えてるのに、それを剽軽な態度のままさりげなく行っちゃってる来ヶ谷さん。素敵です。早朝ふたりで言葉を交わす場面の間が綺麗でした。
次回からははるちんルートかしら。OPの新カットとか見るに、佳奈多のエピソードもやる気配がありますから、その辺どのようにまとめるのか楽しみですね。
リトルバスターズ! #11 『ホラー・NO・RYO大会』
恭介の思いつきで季節外れの肝試しをすることになったリトルバスターズの面々。誰もいない夜の学校で、仲間同士集まって肝試しとか。相変わらずわくわくするシチュエーションですなぁ。物語の根本に関係する伏線や鈴の成長という要素が組み込まれていた9話とは違い、今回は純粋なギャグ回という印象。各キャラの個性由来の言動や皆が絡む様子が見ていて楽しかったです。
後半からの怨霊退治でメンバー全員が協力し合う展開に持っていったのは、なるほど上手い切替だなと思って視聴してたんですが。怨霊を追い詰めるための手段やその絵面がなかなかシュールだったり、正体が恭介に会うために北海道からやってきたオオワシだったりと。そういったところの可笑しさのが際立ってたなぁと。
同じ肝試しでも、メンバーが違うと趣も異なるようで。女子3人組のグズグズな会話&進行が可愛らしい。このカットのちょっと後ですね。虎穴に入ろうとする鈴が実は足を振るわして怖がってるのを察した小毬ちゃんが代わりを申し出るシーンが素敵でした。これから先2度も失神するくらいだから、一際怖がりっぽいのに。いい娘ですねほんと。
真人と謙吾に至っては、もう肝試しというよりアスレチック競技の類になっちゃってましたよね。
若林さんの演技も相まって“笑”よりか“萌”だったクドのギャグの数々。ごちそうさまでした。
例え照明があっても、完全に捕えるまで正体は不明。それを貫くために生まれたであろう謎のビジュアル。黒い影。なんだよこれ。盥叩いて大声だしたり、一番意味不明だった照明のON・OFF連続切替等、この一連の流れは実に滑稽でした。
ピーちゃん大きいな。オオワシだけに。このデザインはツボでした。かわいい。抱きしめたい。
最初西園さんが参加しないことに結構ショックを受けました。そうですよね、まだ見学しに来ているだけですから。それでも途中で助っ人として参戦し、絡んでる様子を見ると、やっぱこの娘リトルバスターズに必要なんだと思います。ユーモアを持ちながらの冷めたストレートな物言いが、口数少なめの大人しいキャラが要るんです。次回は彼女の当番回らしいし。早く仲間に入っちゃいなよ。
後半からの怨霊退治でメンバー全員が協力し合う展開に持っていったのは、なるほど上手い切替だなと思って視聴してたんですが。怨霊を追い詰めるための手段やその絵面がなかなかシュールだったり、正体が恭介に会うために北海道からやってきたオオワシだったりと。そういったところの可笑しさのが際立ってたなぁと。
同じ肝試しでも、メンバーが違うと趣も異なるようで。女子3人組のグズグズな会話&進行が可愛らしい。このカットのちょっと後ですね。虎穴に入ろうとする鈴が実は足を振るわして怖がってるのを察した小毬ちゃんが代わりを申し出るシーンが素敵でした。これから先2度も失神するくらいだから、一際怖がりっぽいのに。いい娘ですねほんと。
真人と謙吾に至っては、もう肝試しというよりアスレチック競技の類になっちゃってましたよね。
若林さんの演技も相まって“笑”よりか“萌”だったクドのギャグの数々。ごちそうさまでした。
例え照明があっても、完全に捕えるまで正体は不明。それを貫くために生まれたであろう謎のビジュアル。黒い影。なんだよこれ。盥叩いて大声だしたり、一番意味不明だった照明のON・OFF連続切替等、この一連の流れは実に滑稽でした。
ピーちゃん大きいな。オオワシだけに。このデザインはツボでした。かわいい。抱きしめたい。
最初西園さんが参加しないことに結構ショックを受けました。そうですよね、まだ見学しに来ているだけですから。それでも途中で助っ人として参戦し、絡んでる様子を見ると、やっぱこの娘リトルバスターズに必要なんだと思います。ユーモアを持ちながらの冷めたストレートな物言いが、口数少なめの大人しいキャラが要るんです。次回は彼女の当番回らしいし。早く仲間に入っちゃいなよ。