ハートマークと言えば愛の象徴的なシンボルだが、現実世界の心臓となると多種多様。動物によってかなり異なっている。人間の心臓は1分間に約72回鼓動しているが、冬眠しているマーモットはたったの5回、飛行中のハチドリは1260回にもなる。人間の心臓の重さは300グラムだが、長い首をもつキリンは力強く血液を送らなくてはならないため12キロもある。
ここでは、奇妙な心臓をもつ動物もあげてみよう。
1.3つの心室をもつカエルの心臓
哺乳類や鳥類の心臓は4心室だが、カエルの心臓は3心室しかない。ふたつの心房とひとつの心室だ。通常心臓は、酸素と結合したヘモグロビンの割合が減った血液を肺に送って酸素を取り込み、体中に送り出して体の組織に酸素を供給する。
人間の場合は、4つの寝室でそれぞれ酸素化された血液とそうでない血液を分けているが、カエルは小柱と呼ばれる繊維状の組織がひとつの寝室の中で、酸素化された血液とそうでない血液とを隔てている。
カエルは肺からだけでなく、皮膚からも酸素を取り入れることができるので、進化のきまぐれをうまく利用しているといえよう。酸素の減った血液は右の心房に入り、心室に移動して肺や皮膚へ出て行き、そこで酸素を受け取る。左の心房を通って心臓に戻ってきた酸素を得た血液は、心室へと移動して体のおもな組織に出て行く。
2.動物最大の心臓をもつクジラ
小型車くらいの大きさで、重さは約430キロ。シロナガスクジラの心臓は、現存するあらゆる動物の中で最大だ。ほかの哺乳類と同じように4つの心室に分かれている。この心臓は、スクールバス2台分もあるシロナガスクジラの全身に血液を供給する役目を担っている。大動脈の壁は、iPhone6プラスくらいの厚さがあるという。
3.3つの心臓をもつイカやタコ
イカ、タコなどの頭足類は3つの心臓を持っている。体の両側にそれぞれあるエラ心臓が、エラの血管を通して血中に酸素を与え、体の中心にある心臓が全身に酸素いっぱいの血液を送り込む。
頭足類は血中に銅が含まれているため、銅が酸化して血液が青くなる。人間の血液が赤いのは、ヘモグロビンの中の鉄分のせいだ。錆が赤い色をしているように、ヘモグロビンの中の鉄分が酸化することによって赤くなる。
4.ゴキブリの心臓は血を循環させていない
ほかの昆虫と同じようにゴキブリも開放循環系だ。つまり、血液は血管を通らず、12から13の心室に分かれたひとつの組織の中を流れる。ゴキブリの背中の洞が、酸素化した血液を心臓の各心室へ送るのを助けているが、その心臓が血液を循環させているわけではない。
ゴキブリやその他の昆虫は、肺ではなく気門を通して呼吸しているため、血液が酸素を別の場所に運ぶ必要はない。そのかわり、血リンパと呼ばれる白か黄色の血液が栄養分を運ぶ。心臓それ自体が鼓動するわけではなく、体腔内の筋肉が広がったり収縮したりして、心臓が血リンパを全身に送るのを助けている。たいてい、飛ぶことのできるゴキブリよりも、翅のないゴキブリのほうが心臓は小さい。
5.ミミズには心臓がない
ミミズには心臓がない。5つの疑似心臓が食道を取り囲んでいて、この心臓が血液を送り出すわけではなく、血管を圧迫して全身に血液が循環するのを助ける。さらにミミズには肺もなく、そのぬめぬめした湿った皮膚から酸素を取り込む。
土壌に閉じ込められ空気や降雨の後の地表のおかげで、ミミズは皮膚の湿気を保ち、皮膚の粘液を溶解して、細胞内に酸素を取り込む。ヘモグロビンがあるため、ミミズの血液は赤い色をしているが、酸素を運ぶのはタンパク質だ。人間と違って開放循環系なので、ヘモグロビンは血液の中にあるだけなのだ。
6.心臓を再生できるゼブラフィッシュ
ゼブラフィッシュの心臓は損なわれても、再生できる。2002年、『サイエンス』誌で発表された研究によると、ゼブラフィッシュは心臓の20%がだめになっても、たった2ヶ月で心臓の筋肉を再生できることがわかったという。
人間の場合は肝臓、両生類やトカゲ類は尻尾を再生することができる。しかし、ゼブラフィッシュの再生能力は、心臓の成長を研究する上で最高の手本となる。この魚は独特な心臓を持っている。心房と心室がひとつつずだが、それは人間のものとはかなり違う。静脈洞は嚢状で心房の前にあり、動脈球はチューブ状で心室の後ろにある。
ほかの動物のように、心臓は全身に血液を送る。酸素が少ない血液は静脈洞に入って心房に流れ込み、心房はその血液を心室へ送り出す。心室はより厚い筋肉の壁になっていて、血液を動脈球に送る。動脈球は魚のエラを取り囲む毛細血管を通って血圧を調節し、このエラで細胞膜を通してで血中の酸素を交換する。
血圧を一定にするために魚が動脈球を必要とするのは、エラはデリケートで壁が薄く、血圧が高くなりすぎると壊れてしまう可能性があるからだ。動脈球は筋肉質の心室に比べて弾力性があるのだ。
via:livescience・原文翻訳:konohazuku
心臓に毛が生えた個体があるのは人間だけみたいだな
ワニは二心房二心室だけど心室隔壁に穴があって静脈から来た低酸素の血液が大動脈に混じるようになっている。祖先の槽歯類では完全に分かれた心室だったが、水中生活に適応した結果、代謝を低く抑えるために血中酸素濃度を下げる方向で進化したという。これが白亜紀末を生き延びた秘訣なのかな。
セミを捕まえたときに写真と同じような所(Dorsal vessel)が動いてた事があったけどあれって切ったらどうなるのかな?
それにイカは3つ心臓があるのは有名だけど1つくらいが止まっても大丈夫なのかな?
翻訳お疲れ様です!
※4
夏に捕まえて解剖すれば?
※4
3つあるといっても、一つしかない心臓が止まったら当然死ぬし、鰓心臓も一つが止まったらその先にある鰓が役に立たなくなるから、運動能力等で他の個体より著しく劣ってしまうな。
オイラは心拍数が少なすぎるんだって。「あと少し少なかったら病気です」って医者に言われた。
心臓の細胞って大抵の生き物にとっては脳細胞同様まったく再生がきかない部位だから、ゼブラフィッシュの心臓の仕組みをうまく医療に応用できたらいいよね。
※6
除脈ですね。
私も洞性除脈で安静時 41bpm 程度ですが、マラソンランナーとかだと 30bpm を切るらしいから、治療の必要がないならそのままでいいのではないでしょうか。
これだけ心臓には多様性があるってのに
肝臓は魚類・両棲類・爬虫類・鳥類・哺乳類でほぼ同じ
不思議なんだけど
ゼブラフィッシュといいつつ、画像はマスなのね
たぶん、ペット兼実験動物として向こうでは有名な
ゼブラダニオの事ではなかろうか
×ヘモグロビンが減少した血液
○酸素と結合しているヘモグロビンの割合が少なくなった血液
ヒトのふくらはぎも「第二の心臓」とか言われてるけど
無脊椎動物はそのふくらはぎの働きだけで血液循環しているようなものなのかな?
※9
ゼブラダニオって初心者向け熱帯魚のイメージだったけど
そういうカテゴリーの魚だったんですか……
モルモットをペットにするようなものなんですねなるほど
ノミの心臓が見てみたい
ゴキブリの心臓が血を循環させていないって、全身が心臓みたいなもんってこと?
何のための心臓なの
何言ってるか全然わからないけど
しんぞうは色々あって凄い って雰囲気は感じました
クジラの心臓の大きさにビビった(・_・;
パルモさんいつも楽しい記事ありがとう*(^o^)/*
俺も心臓が三つある
人体の不思議点でおなじみのプラスティネーションで樹脂加工した
クジラの心臓が公園の遊具に有ったら、さぞ、いい幼少期を過ごせただろうなと思った。
クジラでけー!(笑)恐竜とかどうだったんやろ!
飼ってるゼブラダニオがこんな魚だとは知らなかった
ワシは心筋梗塞で死に掛けた。
心臓が一部壊死したまんまで、生涯を送る事になる。
もう一度発作が起きたら、命の保障はナッシング。
人間の心臓は一個しかないし、壊死したトコは再生もしない。
健康な皆さんはどうか、大切にしてください。
iPhone6プラスって厚いのか薄いのか困る例えだな
この心臓のすごさにくらべて、日本のシンゾウはなぁ…はぁ
iPhone持ってないから厚さが分からんw
心臓って24時間365日休まず働き続けているんだから凄いよなぁ!見習わないと!生物の適応能力に感心した!とても勉強になります。管理人様ありがとうございます!
ミミズって閉鎖血管系じゃないか?
ゴキブリとナメクジの画像がグロかった・・・
(昆虫注意)?大したことないじゃーんよかったー♪
と思い読み進めたら・・・
Gとミミズで大後悔。