セキュリティベンダーのトレンドマイクロが、Windows Server 2003に関する企業の利用状況や、サーバー移行の進捗状況、そして、セキュリティ対策の実体についての調査結果を発表した。対象は、企業のサーバー運用に関わるIT管理者515名だが、その半数が、サポートが終了する7月以降もWindows Server 2003を使い続けるつもりでいることがわかった。
アプリケーションサーバー、データベースサーバー、ファイルサーバー、Webサーバーなど、主要システムに使い続け、総合セキュリティ対策を実施したり、アクセス制限や利用用途制限などの対策を講じるとした回答も15%以下となっている。
おそらくこれは氷山の一角だろう。実態はもっと悲観的なものだと考えた方がよさそうだ。また、トレンドマイクロが提供するWindows Server 2003向けのサポートには、脆弱性対策やウィルス対策などを施すDeep Securityと、システムの特定用途化を実現するTMSLの2種類があるが、それとて、そのサポートは、前者が2017年、後者が2019年までのサポートとなる。これらのソリューションを使ってサポート終了の瞬間を乗り越えて延命できたからといって、2~4年の猶予ができるにすぎない。もちろん、そのための費用も必要だ。
悪循環をどこで断ち切るのか
先日、マイクロソフトは、Windows 10の詳細を発表するにあたり、Windows as a Serviceとしての方針を打ち出したが、エンタープライズ向けには、さまざまなバリエーションを提供し、これまでのWindowsと同じように使えるようにすることも表明している。
だが、その施策を安易に受け入れてしまうと、将来にわたって、常に、環境のサポート終了を気にしながらシステムを管理していかなければならなくなる。企業内のシステム管理者も世代交代はある。過去に導入したシステムやその運用方針を受け継ぎ、管理していくのは次の世代の管理者である可能性は高い。新しいシステムを動かし始めるのも大変だが、それを動かし続けることも大変だ。まして、動かし続けているシステムを止めて、別のシステムを動かし続けるのはもっと大変だ。でも、その悪循環は、どこかで断ち切らなければならない。問題は誰が猫の首に鈴をつけるかだ。
Windows Server 2003のサポート終了まであと160日。