「ホームネットワーク」と聞いて、どんなネットワーク環境を思い浮かべるだろうか。よく言われるのは、家庭内の家電やパソコンなどがネットワークで結ばれて、データを転送したり、外部からの操作を可能にしたりする──といったもの。ホームネットワークを実現する技術としては、テレビやレコーダーなどデジタル家電向けのDLNAや、白物家電や住宅設備向けのエコーネットなどが代表的だ。
ネットワーク対応の家電やデジタル機器は増えているが、ホームネットワークが普及しているとは言い難い。世間の話題も、電力メーターをネットワーク対応にしてデータを活用する「スマートメーター」などに移っている気がしていた。
そんな中、ホームネットワークに関係する新たなサービスが始まった。ニフティが2013年10月3日に開始した「スマートサーブ」だ。スマートサーブは、外から自宅内の機器を操作できるようにするネットワークサービス。「なぜ今、ホームネットワーク?」。そうした思いから、ニフティの担当者に話を聞いた。
外から家へのアクセス手段を提供したい
スマートサーブを知るには、まずスマートサーブを実現するプラットフォーム「パーソナルL2クラウド」について知る必要がある。
パーソナルL2クラウドとは、家庭とニフティのクラウドとをVPNでつなぎ、その上で様々なサービスを提供できるようにするネットワークプラットフォームだ。
企画・開発を担当したニフティ クラウド本部 スマートプラットフォーム事業部 スマートプラットフォームソリューション部 部長の竹内勝之さんは、「家電やテレビ、センサーなど様々なデバイスが徐々にネットワークにつながるようになってきている。そうしたとき、ネットワークの在り方として、どんなものが必要かを考えた」と開発のきっかけを説明する(写真1)。
ホームネットワークは昔からさんざん言われているものの、イマイチ普及していない。その理由として竹内さんは、(1)同じメーカーの機器が必要だったり、サービスごと機器や設備が必要、(2)機器を販売したら終わりという形態が多かった、(3)家庭内のネットワークにセキュリティホールを作る危険性がある──などを挙げる。