米Microsoftは7月第4週の終わり,“iPodキラー”と目される「Zune」(開発コード名)の開発を進めているとついに認めた。2006年のホリデー・シーズンに販売を開始する予定だ。ZuneブランドのMP3プレーヤは新しいオンライン音楽サービスと連携可能で,ユーザーはZuneのWi-Fi通信機能を使って同サービスに無線アクセスできる。

 MicrosoftのMSNエンタテインメント事業マーケティング担当ジェネラル・マネージャであるChris Stephenson氏は7月第4週,米Billboard誌に対し「このアイデアは,自分のエンタテインメント・コンテンツにどこからでもアクセスできるというものだ」と語った。「2005年の『Xbox 360』立ち上げ時には,5億ドル規模のキャンペーンを展開した。Zuneの立ち上げにも同等の資金を投入する」(Stephenson氏)

 Microsoftのエンタテインメント&デバイス部門がZuneを開発し,かつてXboxを担当したRobbie Bach氏とJ Allard氏がプロジェクトを指揮している。ZuneはWindowsデジタル・メディア・チームから離れた存在とし,同社のホーム・ネットワーク仕様「PlaysForSure」には組み込まない。その代わりMicrosoftは,これまでのWindowsやデジタル・メディア製品,各種取り組みと違い,Zuneをパートナに依存せず完全に自己完結するソリューションとして開発していく。

 Microsoftがリリースする初のZune製品は携帯用MP3プレーヤと連携する音楽サービスとなるが,「Zuneはそれだけにとどまらない」(同社)という。同社はZuneという開発コード名の範囲で,ひとそろいのエンタテインメント向けハードウエア/ソフトウエア製品を開発しており,2007年にさらなるZune製品として出す。「Xboxベースの携帯用ゲーム機も開発している」という情報も流れている。現時点では,このゲーム機がZuneプロジェクトに含まれているかどうかは不明確だ。