米Gartnerが現地時間2010年8月31日に発表した世界パソコン市場の調査によると、2010年の出荷台数は前年比19.2%増の3億6780万台になる見通し。同社が5月に発表した調査では、同22%増の3億7660万台と予測していた。

 米国と西欧で景気の先行きに不透明感があることから、2010年後半の出荷台数予測を前年比15.3%増と、5月の予測から2ポイント下方修正した。

 ただし景気回復が減速しても消費者需要は引き続き堅調に推移すると見ている。消費者にとって今やパソコンは必需品になっていることから、ほかの家電製品を買い控えてもパソコンへの支出は減らさないとしている。

 また、低価格ネットブックがパソコン市場全体に及ぼす影響はすでにピークに達しており、今後ネットブックの影響力は徐々に弱まっていくと予測している。ネットブックのモバイルパソコン全体に占めるシェアは、2009年の終わりに20%近くあったが、2010年の第2四半期には18%弱にまで減った。この数字は今後も減少が続き、2014年には10%前後になると同社は見ている。リサーチアナリストのRaphael Vasquez氏は「ネットブックは2台目のパソコンとして利用されるようになり、緩やかだが確実に独自の市場を作ることになる」と分析している。

 また同社リサーチディレクターのGeorge Shiffler氏によると、米Appleのタブレット端末「iPad」がネットブックの出荷台数に及ぼす影響は、これまでのところ大きくはない。同氏は、iPadの価格が大半のネットブックよりも高く設定されていることがその理由と説明している。ただタブレット端末全般については、iPadに似た廉価製品が市場に出回る2011年に、ネットブックのシェアを奪い始めるだろうと予測している。

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