マイクロソフトとターボリナックスは2007年11月6日,10月22日に米Microsoftとターボリナックスが発表した協業契約について詳細を説明した。22日の発表内容は,WindowsとLinuxのシングル・サインオン機能の開発など「相互運用性」,「研究開発」,「知的財産」,「デスクトップ分野」の4項目で協業契約を結んだことである(関連記事)。

 説明会において,ターボリナックス社長の矢野 広一氏は,WindowsサーバーとLinuxサーバーが混在するシステム構成でのユーザー認証のシングル・サインオンの実現について,「Microsoftからの呼びかけで取り組むことにした」とその経緯を明かした。ターボリナックスは2007年7月,Microsoftのファイル形式「Open XML」とOpenOffice.orgなどで採用されているファイル形式「ODF」のフォーマット変換ツール開発プロジェクトで技術協力することを発表。協業拡大に向けて話し合う中で,Micorosoftから提案のあった,WindowsとLinuxの混在環境での統合的なユーザー認証に取り組むことにしたという。

 具体的には,Microsoftのディレクトリ・サービスである「Active Directory」配下でTurbolinux製品のシングル・サインオンを実現する。まずは,ターボリナックスが発売するサーバーOS「Turbolinux 11 Server」用のモジュールとして,シングル・サインオン機能を提供する。Turbolinux 11 Serverの発売は11月下旬だが,シングル・サインオン機能を実装したモジュールの提供は2008年後半になる見込み。

 また,協業契約におけるMicrosoft側のメリットについては,「Windowsネットワーク内できちんとLinux搭載機も管理できることは,Windowsサーバーの価値向上につながる」(マイクロソフト 業務執行役員 最高技術責任者の加治佐 俊一氏)と説明。さらに今後は,オフィス・ソフトでのファイル交換にとどまらず,各種Webサービスの利用を前提にしたデスクトップ分野での連携も視野に入れていることを明らかにした。