発売されたばかりの「Turbolinux FUJI EX」(写真1)を早速実機にインストールし,その内容を確認してみた。Turbolinux FUJI EXは,ソースネクストが2006年11月3日に発売したLinuxディストリビューション。「Turbolinux FUJI」の最廉価版という位置付けで,価格は3970円と商用ディストリビューションとしては比較的安い。
Turbolinux FUJI EX(以下,EX)は,2005年8月に発売された「Turbolinux Personal」や「Turbolinux Multimedia」の後継製品に相当する。旧版のPersonalやMultimediaよりも起動速度が速くなり,Windows Media形式の動画や音楽が再生できたり,Windowsネットワークに参加できたりと,Windowsとの互換性が向上している。また,旧版では用意されなかった,コンパイラやデバッガなどの開発環境も標準で備える。
旧版は15カ月間で約2万3000本の販売実績がある。ソースネクストはこうした旧版の利用者や,サポートが既に終了しているWindows 98/Meなどの利用者向けにEXを販売する。販売目標は年間1万本を予定している。
フォントが異なる以外は「Basic」と同一
EXのベースになった「Turbolinux FUJI」は,EXの開発元であるターボリナックスが2005年11月25日に販売を開始した製品だ。このTurbolinux FUJIには,「Turbolinux FUJI」と「Turbolinux FUJI Basic」の2種類がある。
後者は,前者が含む日本語入力ソフト「ATOK for Linux」,Microsoft OfficeなどのWindows用アプリケーションを動作させるためのソフト「David」,ウイルス対策ソフト「Turboアンチウイルス」を除いたものである。
今回発売したEXは,Basicを基にして開発された。Basicから商用フォントである「リコーTureTypeフォント2書体」を取り除き,その代わりにIPAフォントを収録。そのほかのアプリケーションや機能は,Basicと同一である(本文最後の表1)。
そのため,インストール手順や見た目,操作方法はまったく変わらない。また,Turbolinux FUJIから備わった映像・音楽再生ソフト「Turboメディアプレーヤー」(写真2)や,ソフト追加・更新ソフト「Turboプラス」(写真3)が利用できる。
EXの価格は3970円。Basicは5800円であり,リコーTureTypeフォント2書体だけがないだけで1830円もEXの方が安い。サポートはBasicに比べて30日間1件(購入後30日間で1件のインシデントを問い合わせできる,Basicは30日間3件)と少ないが,開発元のターボリナックスから直接受けられる。
Turbolinux FUJI EX | Turbolinux FUJI Basic | |
インストールCD | 3枚 | |
リコーTrueTypeフォント 2書体 | × | ○ |
Adobe Reader 7 | ○ | |
Flash Player 7 for Linux | ○ | |
RealPlayer 10 for Linux | ○ | |
Turboメディアプレーヤー | ○ | |
StarSuite 8(90日間評価版) | ○ | |
キヤノン社製プリンタ・ドライバ | ○ | |
セイコーエプソン社製プリンタ・ドライバ | ○ | |
Javaの実行・開発環境「Sun Java2 Platform Standard Edition 5.0」 | ○ | |
スキャナ・ソフト「Image Scan! for Linux」 | ○ | |
無線LAN認証ソフト「fullflex EG無償版」 | ○ | |
価格 | 3970円 | 5800円 |