弁護士 猪野 亨のブログ

　ゼレンスキー大統領は任期が切れても大統領選挙を実施していません。
　その正当化根拠は、ウクライナ議会が戒厳令を承認しているからというだけです。
　このゼレンスキー大統領は徹底抗戦をこれまでずっと主張してきました。最近、停戦に向けた発言が出始めたのは米国でトランプ氏が次期大統領に当選したことが大きな転換期です。
「独裁化するゼレンスキー氏　ウクライナ国民を代表しうるのか」

　このような見解もあります。
「いつまでも戦争止めないゼレンスキー…それは止めたら自分が追放されるから」

　選挙になればゼレンスキー大統領は負けるとは以前から言われていました。選挙を実施できない最大の理由（動機）はそこにあるのでしょう。
　ゼレンスキー大統領の地位には民意を反映しているとは言い難いものがありました。
　正当性に疑問符がつきます。

　ルーマニアでは大統領選挙が行われていましたが、決選投票を前に同国最高裁が差し止めました。
「ルーマニア大統領選 憲法裁判所が無効判断 異例の判断に批判も」（NHK2024年12月8日）
　背景にあるのは、比較1位となった候補が親ロ派だったということですが、ロシアによる選挙の介入があったということのようです。
　果たして、そんな介入が実際にあったのでしょうか。
　米国の大統領選挙にロシアが介入していると主張されることがありますが、正直、何をどう介入したら投票結果を大きく変えることができるのでしょうか。
　兵庫県知事選挙でパワハラ疑惑の窮地に立っていた現職齊藤氏が当選しましたが、ネットの影響とも言われていますが、そうなんでしょうか。
　いずれにしても現職大統領は、任期切れとなっても代行するそうです。
「12月21日で任期が切れるヨハニス大統領は大統領選挙の新たな日程について、12月上旬に行われた議会選挙を経て発足する新政権が決めると説明し、当面は職務を代行するとしています。」（前掲NHK）

　こうなると当面、大統領職にあり続けることになりますが、その正当性はあるのでしょうか。


2024年10月16日撮影

　ジョージア（旧グルジア）では、反ＥＵの議会がＥＵ加盟を停止したことに対して、大統領が議会に正当性がない、現与党の勝利はロシアが介入したと主張しています。
「ジョージアで大規模デモ　EU加盟交渉停止に反意　親欧米派の大統領「退任拒否」」（テレビ朝日2024年12月2日）
「混乱が広がるなか、14日には大統領選挙が控えている。親欧米派でデモを支持するズラビシビリ大統領は「議会選挙で不正があった」と主張している。」
「そのうえで、「任期満了を迎えても大統領の地位にとどまり続ける」と表明した。さらなる混乱が予想される。」

　任期を満了しても大統領の地位にとどまると宣言したら大統領であり続けるのでしょうか。
　要は大統領職にとどまれるかどうかは権力を掌握できるのかどうかということになりますが、現政府が治安機関を掌握しているようなので（現与党へのデモを力で鎮圧している）、果たして思い通りに行くのかどうか。
　いずれにしても任期満了で選挙ができない状態でないにも関わらず、選挙を拒否しながら大統領であることに正当性があるのでしょうか。

　韓国では尹大統領が「非常戒厳」を発令しましたが、権力掌握に失敗、今や内乱罪での容疑が掛けられています。
　議会を力尽くで封鎖、与野党議員などを逮捕を命じていたようですが、計画が杜撰だったのか、軍も命令には従わずであえなく失敗という哀れさです。
　日本の右翼（ネトウヨ）は尹大統領が「親日」だというだけで持ち上げていましたが、対日関係に影響がなんていう主張はあまりに低レベルです。
　こちらは既に死に体です。


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