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第七話「待てよ…?」第八話「光の海へ」written by コバ・ジュン
きぇひひひ…
きぇひひひ…
一体何がどうしてしまったのだろう。私の頭の中に、編集長のあの笑い声が響き渡る。いや、それが本当に編集長なのか、受付のバーサンだったかすら定かではなくなってきている。
ひとつひとつ整理して行こう。
今現在、私は中州のホテル『&MAX(アンドマックス)』でミェーテルの白い肢体を抱いている。それは確かだ。濡れた茂みも熱い蜜壺のたぎりも手に取るように思い出せる。夢心地の様なじゅっぽりじゅぽじゅぽ一回戦を終え、私はオフェンスに回ったのだ。
「タチロウは二枚舌どころか三枚舌のごたる」
ミェーテルの名台詞だ。使い方は間違えているが、私のぷるぷる連続三所責めをうまく表している。その技を駆使し、彼女を何度も昇天させたのだ。そう、させたはずだった。
何時の間にか私は足を肩幅に開き、部屋の中に全裸で仁王立ちしていた。
下を見ると、そこには見慣れた頭部。ミェーテルのものだ。私の股間をじゅっぽりとくわえているのであろう。ずぽずぽといやらしい音が、まるで耳元で行われているかの様に大きく聞こえてくる。うまい、うま過ぎる。亀は興奮して叫び声をあげるかのよう。気付けば彼女の手は私の陰嚢を優しく包み込み、たまにそこへ熱い舌先を這わせてくる。
あぁ、またイキそうだ…イッてしまうよ…
「可愛い可愛い私のおいなり」
きゅぽんきゅぽんきゅぽん!
そこへ突然事務的なセリフが私の耳に入って来た。
「次の停車駅は薬院、薬院、停車時間は、10時間10分10秒でございます。」 薬院。薬院だと?
「蘭子様、残念ですが彼はもう、恐らく…」
何?誰だ?何を言っているんだ?
「そんなわけないったい!タチロウは不死身たい!何度でも立つと約束したったい!」
ミェーテル?ミェーテルだよな?さっきまで股間から聞こえた声が、今は耳元で叫んでいる。いやに周りが騒がしい。熱い、苦しい、呼吸がしづらい、何なんだこれは!?
「夜勤の連中すべて連れて来い!すでに10時間経過、一刻を争う、あとは血液を充分過ぎるほどここに回せ!こちらは重病なんだ!」
怒号が響く。薬院ではなく夜勤?充分?重病?何だ、何が起こっている?
「心臓マッサージ!」
ばいん!
不思議な感覚が身体を突き抜けた。そしてそれは二度、三度と続く。
ばいんばいん!
「おいタチロウ!」
今度は編集長の声だ。え、編集長が中州に来ているのか。
「こいつの消え入りそうな火を、再び灯す事が出来るのはあなただけだ!頼む!祈ってくれ!タチロウのために!」
消え入りそうな火、消え火、きえひ…
「きえひひひ」
そこなんですか編集長!?
ふと気付いた。編集、編集長だと?俺は編集の仕事など一度もしたことがない。なのに編集長?
薄れゆく記憶の中で、しかし段々と思い出して来た事がある。そうだ、俺はあの日彼女と…婚…世界…ピオン…
「いかん、このままでは術式を続けられない。モルヒネ再投与!」
腕を激しく動かした感覚があったが、急激な睡魔が私を襲ってきた。
ミェーテル、聴こえるかい僕の声が。そして見えてるかい僕の姿が。
ツーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
単調な電子音が聞こえた。それはまるで私を光の海へ誘う(いざなう)音の様であった。
次回、ド感動の最終回!「Standing Angel」に続く
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ありがとうタチロウ、ありがとうミェーテル。君達の事は、忘れない…
次回登場する小道具、セリフなどが見える不思議な未来日記はコメント欄へ。
テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学
最後のリク…いってみますか…
♪男は立てよ、いけよ女のもとへ~とサザンの歌を口ずさみながら、亀は息を吹き返し再び立ち上がった! 生い茂る黒い藻をかき分け、再び荒波の玄界灘に潜り込んだ。
なげーなと思いつつも…にゃっくさん。しっかりしめてね!ヨロシコ(^_^)ゞ
いよいよここまで
いよいよここまでたどり着きました。
そして何だかとんでもないお題が飛び出してきましたね!(笑)
にゃっく頼む!頑張ってくれ!
私の陰嚢を優しく包み込み、たまにそこへ熱い舌先を這わせてくる。の表現がいいね~ってのと。。。
「フレンチドレッシング」を最後にもう1回使って下さい。
ありがとうございます
そういった表現を褒めて頂けるととても嬉しいです。ありがとうございます(^o^)
なるほど、フレンチドレッシングが、最終回にどう絡めてくるのか、さらに見ものになりましたね…。
→じゃんぽけさん
最終回書くのに4時間くらいかけてしまいそうよwww
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