政権発足から1年後の2013年12月26日、安倍信三首相が靖国神社を参拝しました。このニュースは国内外で大きく取り上げられていますが、インドネシアではどのような報道がなされているのでしょうか。インドネシアのクオリティペーパーとされる『コンパス』紙の記事を中心にご紹介します。
安倍首相の靖国神社参拝から一夜明けた27日、インドネシアの各メディアもこのニュースを取り上げました。『コンパス』紙はカラー入りの写真を掲載し国際面で大きく扱っています(紙面は冒頭の写真を参照)。以下はその翻訳です。
キャプション:12月26日木曜日、靖国神社を私的参拝し宮司の先導のもと祈りをささげる安倍信三首相(上から2人目)。今回の安倍首相の私的参拝では中国と韓国という2つの隣国からの怒りを招くと同時に、日本の親密な同盟国であるアメリカも失望を表明することとなった。
東京、木曜日-私的参拝であり、近隣諸国の感情を傷つける意図はないと強調するが、12月26日の安倍信三首相の靖国神社訪問は主に中国と韓国という2つの隣国の怒りを買った。アメリカも同様に失望を表明した。
「今回の参拝には批判も多いが、戦争犯罪者をたたえる意図があるとの誤解に基づいている」と参拝終了後、安倍首相は記者に語った。
安倍首相によれば、今回の靖国神社参拝は戦死した人々の霊に祈りをささげ、(日本)国民が再び戦争の惨禍によって苦しむことのないように取り組む決意を「伝える」ためのものであるという。
この議論を呼んだ靖国神社への参拝は日本の複数のテレビ局によって生中継された。日本の首相による参拝はおよそ7年ぶりとなる。
2006年にも同様の参拝が当時の小泉純一郎首相によって行われた。
安倍首相は、日本の指導者が自国のために戦死した人々に参拝し、敬意をあらわすことはごく自然なことであると強調した。また、中国と韓国という隣国と良好な関係の構築は重要なことであると表明した。
安倍首相はさらに、この点に関して機会を与えられればすべてを説明する用意があると述べた。
明治時代の1869年に建立された靖国神社は第2次世界大戦時に日本軍が行った侵略の象徴とみなされている。この神社は250万人の戦没者に祈りをささげる場所であると同時に、1948年に処刑された東条英機など14名のA級戦犯を含む数百人の戦争犯罪者が祀られている。
加えて、日本は1970年に中国とのある合意に達したと言われている。この合意は明文化されていないが、在任中の日本の指導者の靖国神社参拝もしくは訪問を禁止する内容だという。
今年8月にも安倍首相は議論を巻き起こしている。数十名の日本の政治家が靖国神社を参拝した際、首相自身は参拝には参加しなかったが供え物を奉納したためだ。
隣国の厳しい反応
中国は安倍首相に対する失望と怒りから北京の日本大使を呼び抗議を行なった。中国の王毅外相は安倍首相の行為は日本を「非常に危険」な方向へと導くものだと指摘した。
「日本は安倍首相の行為における深刻な政治的結果の全責任を取るべきだ」との同外相のコメントが中国外務省ウェブサイトに掲載された。
韓国政府もまた日本の大使を呼び出し説明を求めた。 韓国の劉震龍文化体育観光部長官は安倍首相が行った今回の参拝に強い遺憾の意を表明すると同時に、時代錯誤の行為であると述べた。
「われわれは(安倍首相の)靖国参拝について、嘆きと怒りを抑えられない」と同長官は強調した。
アメリカ政府も東京のアメリカ大使館を通じて懸念を示す声明を発表した。声明の中でアメリカ政府は、日本の指導者たちは近隣諸国との緊張を悪化させる行動をとっていると指摘した。
「米国は、日本と近隣諸国が過去からの微妙な問題に対応する建設的な方策を見いだし、関係を改善させ、地域の平和と安定という共通の目標を発展させるための協力を推進することを希望する」と声明には記されている。
今回の靖国神社参拝に対する悪影響を懸念する声も現れ始めている。
北京の日本大使館は中国の在留邦人に向けて注意を喚起する電子メールを送った。メールでは抗議行動やデモなどが起きた場合の警戒や中国人と接する際には言動に注意することなどを呼びかけている。
日本の共同通信も、安倍首相の靖国参拝への影響を懸念するある日本メーカー幹部の声を伝えている。
「今回の靖国参拝でどのような影響が出るかは分かりませんが、この問題がさらに拡大しない事を祈るばかりです」と同幹部は語った。
2013年12月26日付『コンパス』紙9面
安倍首相の参拝、抗議を招く
アメリカも日本への失望を表明
東京、木曜日-私的参拝であり、近隣諸国の感情を傷つける意図はないと強調するが、12月26日の安倍信三首相の靖国神社訪問は主に中国と韓国という2つの隣国の怒りを買った。アメリカも同様に失望を表明した。
「今回の参拝には批判も多いが、戦争犯罪者をたたえる意図があるとの誤解に基づいている」と参拝終了後、安倍首相は記者に語った。
安倍首相によれば、今回の靖国神社参拝は戦死した人々の霊に祈りをささげ、(日本)国民が再び戦争の惨禍によって苦しむことのないように取り組む決意を「伝える」ためのものであるという。
この議論を呼んだ靖国神社への参拝は日本の複数のテレビ局によって生中継された。日本の首相による参拝はおよそ7年ぶりとなる。
2006年にも同様の参拝が当時の小泉純一郎首相によって行われた。
安倍首相は、日本の指導者が自国のために戦死した人々に参拝し、敬意をあらわすことはごく自然なことであると強調した。また、中国と韓国という隣国と良好な関係の構築は重要なことであると表明した。
安倍首相はさらに、この点に関して機会を与えられればすべてを説明する用意があると述べた。
明治時代の1869年に建立された靖国神社は第2次世界大戦時に日本軍が行った侵略の象徴とみなされている。この神社は250万人の戦没者に祈りをささげる場所であると同時に、1948年に処刑された東条英機など14名のA級戦犯を含む数百人の戦争犯罪者が祀られている。
加えて、日本は1970年に中国とのある合意に達したと言われている。この合意は明文化されていないが、在任中の日本の指導者の靖国神社参拝もしくは訪問を禁止する内容だという。
今年8月にも安倍首相は議論を巻き起こしている。数十名の日本の政治家が靖国神社を参拝した際、首相自身は参拝には参加しなかったが供え物を奉納したためだ。
隣国の厳しい反応
中国は安倍首相に対する失望と怒りから北京の日本大使を呼び抗議を行なった。中国の王毅外相は安倍首相の行為は日本を「非常に危険」な方向へと導くものだと指摘した。
「日本は安倍首相の行為における深刻な政治的結果の全責任を取るべきだ」との同外相のコメントが中国外務省ウェブサイトに掲載された。
韓国政府もまた日本の大使を呼び出し説明を求めた。 韓国の劉震龍文化体育観光部長官は安倍首相が行った今回の参拝に強い遺憾の意を表明すると同時に、時代錯誤の行為であると述べた。
「われわれは(安倍首相の)靖国参拝について、嘆きと怒りを抑えられない」と同長官は強調した。
アメリカ政府も東京のアメリカ大使館を通じて懸念を示す声明を発表した。声明の中でアメリカ政府は、日本の指導者たちは近隣諸国との緊張を悪化させる行動をとっていると指摘した。
「米国は、日本と近隣諸国が過去からの微妙な問題に対応する建設的な方策を見いだし、関係を改善させ、地域の平和と安定という共通の目標を発展させるための協力を推進することを希望する」と声明には記されている。
今回の靖国神社参拝に対する悪影響を懸念する声も現れ始めている。
北京の日本大使館は中国の在留邦人に向けて注意を喚起する電子メールを送った。メールでは抗議行動やデモなどが起きた場合の警戒や中国人と接する際には言動に注意することなどを呼びかけている。
日本の共同通信も、安倍首相の靖国参拝への影響を懸念するある日本メーカー幹部の声を伝えている。
「今回の靖国参拝でどのような影響が出るかは分かりませんが、この問題がさらに拡大しない事を祈るばかりです」と同幹部は語った。
2013年12月26日付『コンパス』紙9面
ネット上ではインドネシアの国営ニュースエージェンシーであるアンタラ通信社が北京とソウルから中国と韓国の見解を伝えています。僕が探した限りでは、東京発の記事は見当たりませんでした。
中国、安倍首相の靖国参拝を強く非難
北京(アンタラ・ニュース)-中国は木曜日の安倍信三首相による靖国神社参拝を日本軍による過去の侵略を美化する行為だとして強く非難した。
「日本の指導者の行為に対して強い抗議と厳しい非難を申し入れる」と中国外務省の秦剛報道官は安倍首相の靖国神社参拝を受け、北京で緊急声明を発表した。
中国は今回の件に関して日本に強く抗議するとしている。
靖国神社は日本の戦没者およそ250万人の墓地とされる。その大部分は一般の日本兵だが、第二次世界大戦後に戦争犯罪で処刑された複数の政府高官も含まれている。処刑された高官たちは70年代に靖国神社に祀られた。
「日本の指導者の靖国神社参拝は日本軍による侵攻の歴史と植民地支配を美化するものだ」と秦報道官は語った。
中国共産党は、1930年代に中国へ暴力的な侵攻を行なった日本に対する深い憎しみを利用することで国民の支持を高めようとしてる。
日本軍は第二次世界大戦勃発以前からその間にかけて東アジア諸国に侵攻し、敵に対して非常に残忍な行為を行なった。その例として、戦史でもまれに見る残虐な事件である南京大虐殺が挙げられる。
中国政府研究者の推定によれば、中国では先の大戦で2060万人が亡くなったとされる。
2013年12月26日「Antara」
China kecam keras kunjungan Abe ke Kuil Yasukuni
http://www.antaranews.com/berita/411233/china-kecam-keras-kunjungan-abe-ke-kuil-yasukuni
韓国も靖国神社参拝を批判
ソウル(アンタラ・ニュース)-韓国は日本首相の靖国神社訪問に時代錯誤的な行為だとして憤りを表明した。
「近隣諸国の憂慮と警告にもかかわらず、安倍首相が靖国神社を参拝したことに失望と怒りを禁じえない」と劉震龍文化体育観光部長官は記者に語った。
「今回の参拝は韓日関係だけではなく北東アジアの安定と協力を根本から損なう時代錯誤的な行為」と同長官は語った。
この声明は安倍首相の靖国神社参拝から数時間後に発表された。靖国神社は日本兵250万人の最後の安息の地であり、この中には戦争犯罪者との判決を受けた軍関係者も含まれている。
劉長官は靖国神社について、1910年から1945年にかけての日本による朝鮮半島統治時に朝鮮民族を苦しめた者たちが祀られていると語った。
「日本が国際平和に積極的に寄与したいならば、過去を否定し侵略を美化するのではなく、まず第一に深い反省と謝罪を通じて近隣諸国との信頼を築くべきだ」と同長官は語った。
2013年12月26日「Antara」
Korsel juga kecam kunjungan ke Kuil Yasukuni
http://www.antaranews.com/berita/411241/korsel-juga-kecam-kunjungan-ke-kuil-yasukuni
以下は主だったメディアの電子版の見出しです。基本的に上記のコンパス紙とアンタラ通信社の記事の内容と大差はありません。ポイントは「中国と韓国の激しい反発」です。靖国神社参拝をインドネシアの視点から報道した記事はひとつもありませんでした。
- 「安倍首相の戦争神社参拝は外交に影響」(Republika)
- 「中国、日本首相の戦争神社参拝を非難」(Republika)
- 「中国、日本首相の靖国参拝を非難」(Suara Merdeka)
- 「日本首相、中国と韓国国民の感情を傷つける意図はない」(Pikiran Rakyat)
- 「安倍首相の靖国神社参拝、韓国と中国が怒り」(Pikiran Rakyat)
- 「靖国神社では14名の戦犯を賛美」(Pikiran Rakyat)
- 「日本首相、靖国戦争神社に参拝」(Jakarta Post)
- 「日本首相の戦争神社参拝、近隣諸国の怒りを買う」(Jakarta Post)
- 「中国、日本首相の靖国神社参拝を非難」(Metrotvnews)
- 「中国紙、安倍信三首相は『悪魔の讃美者』」(Metrotvnews)
- 「日本首相の靖国神社参拝に非難が殺到」(Okezone)
そして、本日12月28日、インドネシアのクオリティーペーパーとされる『コンパス』紙が今回の安倍信三首相の靖国神社参拝に関する社説を掲載しました。以下に全文を紹介します。
『コンパス』紙社説:安倍信三首相の靖国参拝問題
12月26日木曜日、日本の安倍信三首相による靖国神社参拝は中国と韓国という2つの隣国の反発を招いた。
1869年の明治時代に建立された靖国神社は太平洋戦争(1941-1945年)時の日本軍による侵略の象徴とみなされている。それが理由となり、今回の安倍首相の参拝を、中国と韓国は太平洋戦争時に日本が占領した国々に苦痛と困窮を与えた日本の戦争犯罪者に対する敬意の現れであるとみている。
今回の参拝に対して反発する中国と韓国はそれぞれ、北京とソウルの日本国大使を呼出し抗議を行なった。
中国の王毅外相は安倍首相の行為は日本を「非常に危険」な方向へと導くものだと指摘する一方で、韓国の劉震龍文化体育観光部長官はこの行為を時代錯誤の行為であると述べている。
しかしながら、私たちはこうした自身を被害者と位置付ける中国と韓国の見解はひとつの側面からの視点であると気が付かなければならない。この問題にはもうひとつの側面、すなわち安倍首相の見解も存在しているからだ。今回の靖国神社参拝には戦争犯罪者を称える意図は全くないと安倍首相は言う。戦死した人々の霊に祈りをささげ、(日本)国民が再び戦争の惨禍によって苦しむことのないように取り組む決意を「伝える」ためのものである、と。
留意するべきは、靖国神社は現在戦争犯罪者とみなされている数百名のみではなく、同時に戦争の犠牲者となった250万人を祀る場所でもあるという点だ。さらに、安倍首相によれば、国のために命を捧げた人々に敬意をあらわし、彼らのために参拝することは日本の指導者として当然であるという。「そして、私は平和のために祈りました。日本が再び戦争を引き起こさないためにも」「中国と韓国の感情を傷つける意図はありません」と安倍首相は語っている。
全ての行動は様々な面から評価することができるが、参拝の時期が不適切であったことは認めざるを得ないだろう。日本と中国が東シナ海の領土問題で対立が深まるこの時期になぜ、安倍首相は靖国神社を訪問しなければならなかったのか。アメリカが参拝の実施時期に懸念を表明した理由もここにある。
私たちもアメリカと同様、日本と2つの近隣諸国がこのセンシティブな問題を克服する建設的な方法を見つけ、地域の平和と安定を維持するための協力と良好な関係を今後も守っていくことを願っている。
2013年12月28日付『コンパス』紙6面
【管理人コメント】
個人的な感想を一つ。今回参照したインドネシアメディアの記事では靖国神社の参拝を基本的に日中韓の問題として捉えているとの印象を受けました。もっとも僕も全ての記事に目を通したわけではありませんので、ご連絡いただければ随時情報を追加していきたいと思っています。
【2013年12月29日追記】
安倍首相の靖国参拝、各国の批判止まらず「日本のオウンゴール」
安倍晋三首相の靖国神社参拝に対する海外からの批判や懸念が止まらない。28日には、これまで静観していたアジア太平洋諸国の有力メディアからも“火の手”が上がった。...
日本の友好国インドネシアの有力紙コンパスも28日付の社説で、中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏や沖縄県・尖閣諸島問題で緊張が高まっている中、参拝が行われたことに言及し、「タイミングは適当ではなかったと認めざるを得ない」と論評した。
安倍晋三首相の靖国神社参拝に対する海外からの批判や懸念が止まらない。28日には、これまで静観していたアジア太平洋諸国の有力メディアからも“火の手”が上がった。...
日本の友好国インドネシアの有力紙コンパスも28日付の社説で、中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏や沖縄県・尖閣諸島問題で緊張が高まっている中、参拝が行われたことに言及し、「タイミングは適当ではなかったと認めざるを得ない」と論評した。
『スポーツ報知』(2013年12月28日)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20131228-OHT1T00097.htm
『スポーツ報知』(電子版)記事からインドネシア関連部分を抜粋。スポーツ紙にいちいち反論する気はないが、こういう記事が出ると手前みそながら自分のブログ記事にも―翻訳の巧拙はさておき―少しは意味があったのかと感じざるを得ない。「批判」という2文字に全てを押し込めないで、『コンパス』紙の冷静な論調をきちんと読者に伝えてほしい。
お詫び:ソースをよく読むと共同通信社の配信記事でした。上記の記述を一部取り消します。大変失礼いたしました。
【2014年1月4日追記】
安倍晋三首相らによる靖国神社参拝をめぐり、中国と韓国は年初から機関紙の論評や会見で安倍首相批判を行ったが、第二次大戦で日本の占領統治を受けるなどした東南アジア諸国では、安倍首相の立場に理解を示す冷静な論調が目立った。
インドネシアで最も影響力のあるコンパス紙は、12月28日付の社説で安倍首相の参拝について、東シナ海の領土をめぐる日中の緊張が高まっているこの時期に行ったのは「適切なタイミングでなかった」としつつも、「(靖国問題で)自らを被害者と位置付ける中韓の主張は一面的な見解だ」とクギをさした。
その上で、今回の参拝は戦死者の霊に祈りをささげ、日本国民が再び戦争の惨禍に苦しむことのないように取り組む決意を伝えたとする「安倍首相の見解」を紹介した。
同紙はさらに、「靖国神社には、現在は戦争犯罪者と見なされている数百人だけでなく、戦争の犠牲となった(各国の)約250万人も祭られている」と指摘し、国に命をささげた人々のために参拝することは日本の指導者として当然だとする安倍首相の立場にも言及した。
【お断り】【2014年1月4日追記】
インドネシア人の本音@honnesia先日当ブログで紹介した「靖国参拝」に関するコンパス紙の社説を産経新聞が取り上げるとこうなる。共同通信とは力点の置き方が違うのが興味深い(当然といえば当然だけど)。【首相靖国参拝】冷静な反応目立つ東南アジア諸国 - MSN産経ニュース http://t.co/ruzilZoeFh
2014/01/04 00:34:53
冷静な反応目立つ東南アジア諸国
安倍晋三首相らによる靖国神社参拝をめぐり、中国と韓国は年初から機関紙の論評や会見で安倍首相批判を行ったが、第二次大戦で日本の占領統治を受けるなどした東南アジア諸国では、安倍首相の立場に理解を示す冷静な論調が目立った。
インドネシアで最も影響力のあるコンパス紙は、12月28日付の社説で安倍首相の参拝について、東シナ海の領土をめぐる日中の緊張が高まっているこの時期に行ったのは「適切なタイミングでなかった」としつつも、「(靖国問題で)自らを被害者と位置付ける中韓の主張は一面的な見解だ」とクギをさした。
その上で、今回の参拝は戦死者の霊に祈りをささげ、日本国民が再び戦争の惨禍に苦しむことのないように取り組む決意を伝えたとする「安倍首相の見解」を紹介した。
同紙はさらに、「靖国神社には、現在は戦争犯罪者と見なされている数百人だけでなく、戦争の犠牲となった(各国の)約250万人も祭られている」と指摘し、国に命をささげた人々のために参拝することは日本の指導者として当然だとする安倍首相の立場にも言及した。
2014年1月4日付『産経新聞』(電子版)【関連部分のみ抜粋】
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140103/asi14010321060004-n1.htm
インドネシア人の本音@honnesia今回の件で痛感したのは、「靖国参拝」に関してコンパス紙がいかに配慮した書き方をしたところで、日本のネット上では自説を補強するために「つまみ食い」的引用をする人が大半だったという事。「インドネシアが批判!」「インドネシアは賛成!」って、正直、空しさしか覚えなかった…
2014/01/04 00:40:46
インドネシア人の本音@honnesia賛成・反対の二者択一でしかこの問題を語れない人はもう一度冷静になってコンパス紙の社説を読んでもらいたい。→ インドネシアのメディアは安倍首相の靖国神社参拝をどう報じたのか?http://t.co/mofbAS7001
2014/01/04 00:58:47
(↑『コンパス』紙の社説について、という趣旨のツイートです。念のため)
今回の記事には皆様から多くのコメントを頂いていますが、その目的はインドネシアの報道の紹介です。本筋から離れた政治的議論は別の場所でお願いします。また、コメントは大歓迎ですが、最低限のマナーを守った上で投稿して下さい。
【2014年4月21日追記】
インドネシア人の本音@honnesiaインドネシア人の本音 : インドネシア「コンパス」紙社説 日本語訳まとめ http://t.co/4xunhZ8jwk
2014/04/19 19:45:15
【コンパス紙社説】
★インドネシア「コンパス」紙社説 日本語訳まとめ
★「中日間の緊張」-コンパス紙社説(2013年8月29日)
★【尖閣問題】「安倍首相の安堵すべき表明」-コンパス紙社説(2013年10月7日)
コメント
コメント一覧 (99)
この記者はあまり政治について詳しくないように思える。
日本にとってメリットがあるからこの時期を選んだ、でなければやる意味も無い。
しいてそういう見方をするならどん底な対中韓関係と年内という観点からいけば今がギリギリ間に合ったと言える。
安倍政権発足からの公約であり時期的要素が強い
この辺が今参拝した理由だろう
遠過ぎるからこそ冷静かつ客観的に分析できる
全く関係ないヨーロッパの新聞で感情的に反応してるところもあるのに
「何を考えてるんだか」と言われても仕方ないわな。
なんか騒いでるお隣韓国はせっかく上手くいってたのに台無しにしたとかどの口が言うwって嘘ついてたな
海外からの批判はいろいろあるにせよ、日本国民で反対してるのは僅かだよ。
決める政治、実行する政治を目指してて、前政権時に靖国参拝できなかったのは痛恨の極みとまでインタビューで堪えてしまっている以上は何のデメリットも無いとは言えないと思う。
その辺の事情は海外は分からないだろうから反応は妥当だと思うけども。
国民との約束を果たした訳だから無駄では無いし。来年の竹島の日を政府主催でやったらもっと良いけど。もう韓国に配慮する必要無いしね。
終戦記念日を避けた←WW2以外の戦死者をアピール
毛沢東の誕生日に近い日を選んだ←中国も同じような事をしてるアピール
首相になって一年以内に訪れた←公約を守る
コレ以上遅くても駄目だし(去年は行かなかったのに何故とか言われる)
政権交代して、準備や根回しや調査をしない内に行くのは危険だ
個人的な予想としては、行かなくても中韓関係は悪化してたと思う
それならば先手を打って「これからは普通に行きますよ」と主張した方が良い。
他国の記事をまるっと紹介して下さるブログさん、あんまり無いから。
ちなみに参拝によるメリットはあるよ。
IMFのストレステストの結果がもうすぐ出るからね。
今の内に韓国との関係を切っておかないと、日本が韓国を助ける羽目になる。
現に靖国参拝前までは韓国メディアの論調は日本にすり寄り始めていたし。
ヨーロッパは予想通り独メディアは特別反日親中な論調だけど、仏紙などは客観性あると思うよ。
北欧は靖国問題になんて興味ないし、欧州で反応してる国は主要国くらいじゃない?
どの国も東アジアに緊張をもたらす行為として批判はすれど、靖国参拝自体に否定的な国はないし。
防空識別圏を勝手に設定した中国に対する批判の時よりは緊張も少ないでしょ。
ちなみに中国は、予定されていた靖国参拝抗議デモを当局が止めたからねw
いまデモを起こされたら共産党自身がヤバいし、日本企業もここぞとばかりに更に逃げるからw
中国と韓国は、反日行為のやり過ぎで自縄自縛に陥ってるんだよね。
それが証明されたんだから収穫じゃん。
管理人さんにお願い
翻訳時のニュアンス等は、可能な限りその国の感情論や言葉尻を含めた形でお願いしたい。
耳障りの良い日本語に直し、概ねこういう意味である
といった翻訳ではやはり記事の真意を見誤ってしまう。
その当事国が欧米の日本バッシングの声明に乗らずに中立を保つってことは、それだけでも欧米の面目を潰すことになるんだよ。
逆にこれ以上この件で日本の肩を持つのはインドネシアとしてもきつい。対中韓だけならまだしも、アメリカの後ろ盾すら得られないんだからな。
インドネシアはできる範囲でよくやってくれてると思うよ。
おっそうだな
以前はJKT関連が多くあったかいブログだったのが、政治関連でこんなに荒れて残念です
再開してからこのブログが「海外アンテナ」というまとめサイトに載るようになったことはご存知でしょうか?それとも自らそれに載せるようにしたのでしょうか?
私は海外アンテナを日頃から観ていますがのる仕組みは無知でわかりません。
ただそこにのると数多くの多方面から色んな人がみます。政治に限らずスポーツ記事でさえも中国韓国関連はすごく荒れ誹謗や中傷の荒らしです。
当然ここも荒れるわけです。それをわかっててなさっているのでしょうか?
>管理人さんにお願い
>翻訳時のニュアンス等は、可能な限りその国の感情論や言葉尻を含めた形でお願いしたい。
>耳障りの良い日本語に直し、概ねこういう意味である
>といった翻訳ではやはり記事の真意を見誤ってしまう。
貴重なご意見ありがとうございます。読者のミスリードを誘う意図的な”意訳”はしておりませんが、語学力の問題で原文のニュアンスが一部損なわれることはあるかと思います。そういった事態が起こらないように翻訳の精度を上げるべく今後もインドネシア語の学習に取り組んで所存でございます。今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。
なお、ニュアンスの欠如があまりにも目に余る場合や誤訳が見つかった場合はメッセージ欄を通じてご連絡いただければ、すぐに対応いたします。当ブログに関する皆様からのご意見をお待ちしております。
何が問題だったのか分からんわ。
これも削除されんのか?
戦争について賛否は分かれるんだろうけど、主張の根拠としてはあまりにも無知すぎるよ。
なぜ日本が戦争するに至ったかと、東条英機をはじめとして処刑された人間が戦中戦後どんな発言をしたのかもっと調べたほうがいいよ。
それにしてもインドネシアは冷静だね。
1970年の参拝停止ってのは真っ赤な嘘だけどね。1970年代にも時の総理や各国の要人は普通に参拝してる。
日本人は戦争で亡くなった方に敬意を払う事で不戦の誓いとしていると海外に訴えて行くことが重要だと思う。
また、インドネシア独立の際になくなられた方々や、他国の戦没者の祠にもお参りされたそうです。
インドネシアは もっと日本のことを知ってるかなと 思っていたけど やっぱりこんな感じの記事なんだねw でも日本のメディアよりマシだねw
これからも よろしくおねがいします。
ご質問にお答えします。
>再開してからこのブログが「海外アンテナ」というまとめサイトに載るようになったことはご存知でしょうか?
>それとも自らそれに載せるようにしたのでしょうか?
>以前はJKT関連が多くあったかいブログだったのが、政治関連でこんなに荒れて残念です
アンテナサイトには自分から登録を申請しました。なるべく多くの人にブログを読んでもらいたいと思った事がきっかけです。インドネシアやJKT48に全く興味がない人にもブログを読んでもらいたい/そういった人の反応も見てみたいという理由もあります。
確かにコメントの質の変化に関しては戸惑う部分もありますが、「読まれるブログ」ではなく「消費されるブログ」という選択をした時点で、ブログ管理人としてのある程度の覚悟はできています。本音を言わせてもらえば、「この記事の内容でどうしてこんな反応が返ってくるの?」と理解に苦しむ場面もそれなりにありますが、言葉づかいが多少乱暴であっても非常に興味深いコメントがつく(場合がある)こともまた事実ですので。
コメント削除の基準に関しては現在は様子見の段階です。コメントをそのまま残しているからと言って僕が必ずしもその意見に同意している訳ではない、という事はご理解ください。この後いくつか別の記事を出して傾向を掴んだ後でブログのコメント投稿に関する自分なりのガイドラインを作成するつもりです。
なお、JKT48関連の記事は基本的にアンテナサイトには掲載されませんので、コメントを下さる方の住み分けはきちんとできるようにしているつもりです。ただし、ごんさんのクリスマスソングの記事のように、できればファン以外に方にも読んでもらいたいと思った記事に関しては「インドネシア人の反応」がある場合に限り、アンテナサイトに掲載してもらうことはあります。
だとしたら、すこし残念ですね。
インドネシアの人が日本の靖国神社について無理解だとしたら、神道について全く説明がなされていないことにある。
そして、管理人様も同様に知的で理性だ。
記事要約や、多方面に渡る調査に対するご苦労を考えると、頭が下がります。
これからも頑張ってください。草葉の陰から応援しております。
それしても日本のマスコミから知的な部分を一切感じられない・・・
日本人として恥ずかしい限りです。
報道で批判的な国でも、読み手の反応は違ってたって国はあるからね
日本もメディアと読み手の意識の乖離は酷い
今回の件について先の大戦で多大な被害を被ったインドネシアでは、もっと否定的な報道一色なのかと思っていましたが、必ずしもそうではないことに驚きました。
本当にこの国のメディアは腐ってる
逆に言えば同じアジアでも離れた場所から見て日本が置かれている状況は奇っ怪に映るんだろうな。
あれるからやめろって言いたげですな。それはちょっとおかしいでしょ。
>インドネシアの事など関係ないと言わんばかりに自説を展開するコメントや、それに過剰に反応するコメント
もう削除されているからどういうコメントだったのかすらわからないので、見ている側としては管理人さんが過剰に反応しているように「見えてしまう」。なのでそのさくじょの方針はブログの頭に一回だけ書いて、削除したコメントは「削除済み」の一言だけでいいと思うよ。
失礼しました。あほなことを書きました。そういう選択をしたのは自分なので自業自得ですね。。。削除の件についてはどこか分かりやすいところに書いておきます。
草葉の陰の意味知っているの?
本文末尾の【お断り】の部分で書いた通りです。それ以上の説明は不要かと思います。記事の内容に関する質問は最低限のマナーを守っているコメントに限りなるべくお答えするようにしています。
朝日、毎日は左寄りですが産経も、いかんせん右寄りなので、記事からマスコミ特有
の変な腐臭を感じてはいたのですが......
コスパス紙の翻訳は大変ありがたいです。納得のできるコンパス紙の翻訳内容でした。
の変な腐臭を感じてはいたのですが......
こういうコメント最近よく見るけど、流行ってんのかな?
とにかく今回の翻訳記事、紹介してくれてありがとうございます。
日本のメディアは結論ありきで、記事集めて発信してるからこのような記事はなかなか
見ることができないので・・・
日本に批判的・肯定的関係なくもっとこのような記事を紹介してくださ~い
気が向いたらでいいんで・・・いろいろ面倒かもしれないがw
場所をわきまえた振る舞いができないならどこかの国の人と同じになっちゃいますよ。
お手数ですが、コンパス社説のリンクを教えて頂けませんでしょうか?
できれば、元記事を拝見したいです。
出典はこちら(http://epaper.kompas.com/kompas/)ですが、個人のブログでよければ「TAJUK RENCANA Kontroversi Ziarah PM Shinzo Abe」で検索してみてください。
インドネシアの対日がしれてありがたかったです
管理人様 どうもありがとう
日本メディアは中国紙・韓国紙の記事を掲載して、あたかも世界中の意見のように見せかけるので、
実際の海外各国の反応を教えてくれる翻訳記事はとても助かります。
実際は親日国家の多いこと、日本を冷静に見てくれている諸外国が多いこと。
学校では教えてくれません。ネットのこうした翻訳記事で知ることの方が多いです。
中国との関係は改善させていくべきですが、守るものは守らねばなりません。
改めてそう思いました。
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